Sep. 15 〜 21 2003




ハリケーン・イザベル、私の被害

今週は振り返ってみるとハリケーン・イザベルに振り回されたような週だった。
従来、アメリカではハリケーンは上陸の3日前くらいから騒がれだすものだったけれど、 昨今ではハリケーン予報システムがアップグレードされたため、 今回のイザベルが1992年に大被害をもたらしたアンドリュー以来の超大型ハリケーンであることは、 先週末の時点で大きく報じられており、その時点で どうやらNYへの上陸は 今週木曜から金曜にかけてであることが予測されていた。
今週の金曜日、19日と言えば、HPでもお知らせしていた通り、CUBE New Yorkが第3回目のネットワーク・パーティーを 行なうことにしていた日だったため、私はこの予報を聞いてすっかり気が重たくなってしまった。 でもハリケーンというものは、進路を変えたり、規模が小さくなったり、 速度が速まって予定より早く通過したりするものだし、既に参加者の方達からはRSVP(出席の確認)も頂いていたので、 私としては「出来る限り予定通りにパーティーを行ないたい」というのが本音の部分であった。
とは言っても、月曜になってみると 予報は益々確実さを帯びて来て、イザベルのパワーも 「今世紀最大級」などと言われ始めたので、いよいよパーティーの決行が危ぶまれてきてしまった。 だから、月曜日は仕事中も「どうしよう」を連発しながらウェザー・ドット・コムなどのウェブ・サイトで、 イザベルの動向をチェックしていたけれど、そうする間にもRSVPのメールは 増える一方で、全く決断が下せなくなってしまった。
パーティーを延期しようか?、延期するとしたら 何時にしようか?、会場は変更可能だろうか?、 既にRSVPをして下さった方は予定を変更したら 出席できるだろうか?など、 考え出したらきりがない状態で、月曜の夜は「明日の予報を見てから決めよう」と思って ベッドに入ったけれど、やはりパーティーのことが気になってなかなか寝付けず、 やっと眠ったと思ったら、「オズの魔法使い」のドロシーのように ハリケーンに家ごと飛ばされている悪夢まで見てしまった。
当然のことながら、翌朝火曜日に目を覚ました時はどっぷり疲れていて、これによって私が心に決めたことは、 「ハリケーンだろうが、晴天だろうが、とにかくパーティーは延期しよう」ということだった。 これは「このまま金曜日までハリケーンの心配をして悪夢を見せられたら、身体がもたない」と 考えたからで、このため火曜日は日程変更への対応に追われることになってしまったけれど、 気分的には楽になったし、会場のモンドリアンもパーティーを1週間遅らせるということで、問題無く確保することが出来た。
またパーティーに参加予定だった方達も、ハリケーンのことは心配されていたようで、 日程変更についてはご理解いただけたので、ホッと一息という感じだった。
火曜日の時点では、イザベルは金曜の午後2時にニューヨークに上陸することになっていたけれど、 私だけでなく、金曜にイベントを予定していた人は誰もが心穏やかではなかったようで、 その最たる例は、ファッション・ウィークの最終日に当たるこの日にブライアント・パークの特設テントでショーを行なうことになっていた、 ラルフ・ローレン、ドナ・キャランを始めとするデザイナー達であった。 彼らはハリケーンで交通が麻痺しないか?、バイヤーやプレスがショーに来てくれるか?といった 事に加えて、ブライアント・パークのテントがイザベルの強風に耐えられるのか? までを心配しなければならなかった。

イザベルの影響は、その前の週末から徐々に天候に現れており、湿度が高めで、風が強い日が続いていたけれど、 今週は水曜日までは晴天で、私は「せっかくパーティーを延期したんだから、 ある程度のハリケーンらしい天気になってくれた方が…」などと勝手な事を考えていた。
本格的にイザベラの足音が感じられたのはやはり木曜日で、空は曇り、強風が吹き荒れており、 「何時大雨が降り出すか?」と、ニューヨーカーは長い傘を持ち歩いたり、レインコートを着用している人が目立っていた。 この日ばかりは、通常なら木曜で混み合う筈のバーやレストランもガラガラで、 イザベルが「何時来るか?」とビクビク過ごすことになったけれど、 結局雨が降り出したのは、夜遅くなってからだった。
でも一度降り出すと、さすがにノース・キャライナでは人が腰まで浸かる大雨をもたらしたハリケーンだけあって、 物凄い豪雨+強風で、大粒の雨が窓に吹き付けられる音の大きさといったら、ポップコーンがはじけているかのようだった。 また突風が吹き荒れては、窓ガラスが外れんばかりの音を立てたり、風がうなったりするので、 この日夜中3時にベッドに入った私は、疲れていて、眠たくて仕方が無いのにもかかわらず、 こうしたハリケーン・ノイズのせいで「寝入っては目が覚める」という状態を1時間も繰り返していた。
でも「これ以上、イザベルに眠りを妨げられるのはまっぴら」と思ったので、 イザベルのノイズが聞こえなくなるようにTVを点けたところ、これは我ながら名案で、5分もしないうちに熟睡してしまった。 人間には「耐えられるノイズ」と「耐えられないノイズ」があるというけれど、 私にとってTVのノイズは前者、イザベルのハリケーン・ノイズは後者という訳だった。

翌日金曜の朝、目を覚ましてみるとイザベルは去ったようで、 窓の外には「ドピーカン」と言える晴天が広がっていた。 でも風は未だ強く、窓を開けるとブラインドが吹き飛ばされそうな勢いだったので、 「パーティーを決行しておけば良かった」と思うには至らなかった。
イザベルの被害は各地で深刻で、17人の死亡者と10億ドルの損失をもたらしたと言われており、 ヴァージニア、ニューヨーク、メリーランド等の一部では、今週末になっても 停電から復旧しない地域があることがニュースでレポートされている。
今回私にとって幸いだったのは、ハリケーンと重なったのがネットワーク・パーティーという 延期し易いイベントだったことで、これがファッション・ショーだの、結婚式というような大イベントであった場合、 そう簡単に予定の変更は出来ないし、変更やキャンセルをすれば、それだけコストも嵩むことになってしまう。
その前の週に、ハリケーンの影響ではないものの、キャンセルされたジェニファー・ロペス&ベン・アフレックの ウェディングは、式の4日前にキャンセルを決定して約1500万円のキャンセル・フィーが 掛かったと言われている。
だから私が今回のイザベルの1件から学んだことは、ハリケーン・シーズンには 決して大きなイベントやパーティーは企画しないということだった。



マノーロ・モチベーション

イザベルがやって来ていた木曜日、私が早起きをして向ったのが、ミートマーケット・ディストリクトの ギャラリーで行なわれていたマノーロ・ブラーニックのエキジビションだった。
このエキジビションは昨年秋にロンドンで行なわれたものを、よりコンパクトに編集して ニューヨークに持って来たもので、9月19日金曜日までの僅か2週間程の開催となっていた。 このオープニングのために、9月第1週には、マノーロ・ブラーニック本人がニューヨーク入りして、 まるでロック・スターのような待遇を受けており、 マノーロ・マニアを自称するソーシャリート達が、まるでグルーピーのように 彼を取り囲んでパーティーをしていた。
私はマノーロ・マニアになれるほどの財力は無いけれど、最も好きなシューズのブランドと 訊かれたら、迷わず「マノーロ」と答えるくらいにマノーロのファンではあるので、 どうしてもこのエキジビションを見ておきたいと思っていたけれど、 先にこのエキジビションを見ていた友人からは「250足程度だから、それほど大したことはない」 とは言われていた。
実際に見てみると、このエキジビションは確かに「それほど大したことはない」もので、 シューズがテーマ別に幾つかのエリアに分かれて展示されており、 喉から手が出るほど欲しいスティレットに混じって、「これがマノーロ?」と訊きたくなるような アグリーなシューズもあるというものだった。 私は渡されたプログラムを見ながら、シューズとそれが製作されたシーズンを見比べていたけれど、 いくらマノーロ・ブラーニックが時代を超えて洗練されたシューズとは言え、 やはり古い時代の作品は、何処かに古さが感じられるものだった。
でも彼の80年代、90年代の作品を叩き台にして、今日どれだけのシューズが製作されているかを考えると、 マノーロがシューズの分野では、ココ・シャネル並みの 歴史的クリエーターであることは紛れもない事実であった。
さて、このイベントに合わせて、ニーマン・マーカスやバーグドルフ・グッドマンでは、 マノーロ自身が選んだヴィンテージ10足が限定で再発売されていたけれど、 私は、この秋はちょっと買い物をし過ぎていることもあって、 このシューズのラインナップは 欲しくなってしまうのが怖かったので、見ないようにしていた。 でもエキジビションを見てからは、ヴィンテージだったら大丈夫という自信がついて この限定再発売のラインをチェックしたけれど、案の定、素敵だと思うシューズはあっても、 「買いたい」という気持ちにさせられるほど 気に入ったシューズは1足も無かった。
マノーロ・マニアを自称するサラー・ジェシカ・パーカーは、マノーロを200足持っているというし、 ニューヨークのジェットセットのマノーロ・マニアも100〜500足のマノーロを所有しているというけれど、 今回のマノーロのエキジビションを見た後に感じたのは、 その時々で気に入ったマノーロを10足程度所有して、 シーズンやトレンドが変わったら買い替えることができれば十分ということだった。
私は欲しいものや、いつかは手に入れたいものを見つけると「もっと頑張って働かないと…」という モチベーションが沸くタイプで、今回のマノーロのエキジビションはそんなモチベーションが 得られる絶好の場だと思っていたけれど、 意外にも、「沢山持っているだけが全てじゃない」という逆の教訓を学ぶ場になってしまった。
それでも毎シーズン、マノーロを買い足して、マノーロが履ける暮らしをしようと思ったら、 頑張って働き続けなければならない事には変わりなく、やはり「マノーロはモチベーションを提供してくれる シューズである」というのが私の結論である。





CUBE New York主催、第3回NY在住女性ネットワーク・パーティーのお知らせ

来る9月26日金曜日、午後7時より、第3回NY在住女性ネットワーク・パーティーを取り行います。
是非ご都合をつけてご参加いただければと思います。なお、今回も会場準備の都合で 参加ご希望の方にはR.S.V.Pをお願いしています。 詳細はココをクリックしてご覧下さい。



Catch of the Week No.2 Aug. : 9月 第2週


Catch of the Week No.1 Sep. : 9月 第1週


Catch of the Week No.5 Aug. : 8月 第5週


Catch of the Week No.4 Aug. : 8月 第4週