Sep. 13 〜 Sep. 19 2004




持論&フィロソフィー

先週から今週に掛けてはニューヨークのファッション・ウィークが行われていたけれど、 これと時を同じくして 自らの著書、「コンフェッション・オブ・アン・エアレス」のプロモーションを行っていたのが、 パリス・ヒルトンである。
著書とは言っても、こうしたセレブリティ本は、当人が喋ったことをテープに録音して、 それをプロのライターがコンセプトを組み立てて、書き起こしたもので、 パリス・ヒルトンの著書の場合、これを行っているのは「W」マガジンの元エンターテイメント・ライター、マリー・ギンズバーグである。
この本の、目玉になっているのはパリス・ヒルトンのような パーティーガール・セレブリティになるためのステップ・バイ・ステップ・ガイドであるけれど、 それには・・・

・メークをしたまま眠るのは肌に良い事

・朝10時前に起きないこと、夜中の3時前に寝ないこと

・同じ服を2度と着ないこと

・ファスト・フードしか食べないこと

・間の抜けた振る舞いをして、物をなくすこと。そうすれば周囲が 愛すべき存在だと思ってくれる。

といったアドバイスが書かれているそうである。
もちろん、こんなアドバイスを真に受ける人は 普通は居ない訳で、 これらは彼女の「エアヘッド(おつむが空っぽという意味)」のイメージに合わせて、 ウケを狙って書かれている部分が多かったりするけれど、 パリス本人はこれらを自らのライフスタイル・フィロソフィー(哲学)として、同書のプロモーションの度に語っていたりする。

パリス・ヒルトンに限らず、人間はある程度生きていると、 その経験や観察から、持論とフィロソフィーを持つようになってくるものである。 先週から2シーズン目の放映が始まった、人気リアリティTV「アプレンティス」にしても、 番組の軸になっているのは、ドナルド・トランプの経営哲学であり、 彼が毎週参加者の1人をクビにしていく基準は、一般的な評価ではなく、 あくまで彼自身の持論&フィロソフィーに基づく判断であったりする。
こうした持論&フィロソフィーは、それにどの程度の裏付けがあるかが定かではなくても 「これはこうすべき」、「こういう人はこうなるもの」と 言い切られると、「なるほど」と妙に納得したり、脳裏に留めてしまうもので、 知らず知らずのうちに、その通りの判断を下していたり、その通りの視点から 物事や人物を見るようになってしまう場合も少なくないのである。

例えば、私は会社を営む立場として、スタッフ採用の面接をする場合があるけれど、 知人の会社経営者が「面接で "自分にはこれだけの能力がある" と言ってくる人間は、 それほど能力が無い」と語っていた事が、面接をする度に思い出されて、 「あれも出来ます、これも出来ます」とアピールしてこられると、 かえって警戒してしまう傾向があったりする。
また、別の経営者からは「中小企業の人材採用は能力より人柄で選べ」と言われたけれど、 これも私の採用ポリシーに少なからず影響を与えた言葉で、もちろん能力も大切ではあるけれど、 仕事が楽しいか、充実するかは、職場の人間関係に大きく左右される訳であるから、 協調性や、思いやり、謙虚さを持ち合わせた人材を揃えていかなければ、 雰囲気の悪い、生産性の無い職場になってしまうというのがその持論と哲学であった。

私自身がこうした持論&フィロソフィーを沢山持ち合わせているエリアと言えば、ショッピングで 多額の出費と、度重なる失敗から学んだり、悟ったりした事が沢山あるけれど、 それには世間一般に当てはまることと、自分だけに当てはまることがあったりする。
世間一般に当てはまることは、「片足だけで10秒立っていられないハイヒールは、買っても履けない」、 「季節外れの買い物をすると、タンスの肥やしになってしまう」、 「特定のオケージョンを見込んで服を買うと失敗する」、「毛皮はデパートでは買わない」といったこと。
自分自身だけに当てはまることと言えば、「シーズンが変わって1枚目に買った服は失敗する」 というものがあるけれど、これはパンケーキやクレープを焼く時に、必ず1枚目が失敗するのに似ていたりする。 要するに、シーズン初めというのは、私自身が「何が着たい」かのアイデアが固まっておらず、 パンケーキを焼くフライパンの温度が定まらないのと同じ状況になっている訳である。 だからシーズンの変わり目には高い服を買わないようにするのが、これに対処する方策となってたりするのである。

この他、「靴が汚い人は、性格もずさんである」とか、 「忙しい人ほど直ぐに物事を片付けてくれる」など、いろいろな人たちがそれぞれの 経験や観察に基づく持論&フィロソフィーを語ってくれるけれど、 中でも聞く機会が多いのは、異性に関するものである。
例えば、私は大学時代に、とある人から、「自分からお茶に誘っておきながら、 割り勘にする男性は、ダメ男」と教わったけれど、 確かに食事は別として、自分で誘っておきながらお茶とかドリンク程度の払いを割り勘にする男性は、 金銭面に止まらずセコいという印象があったのは事実である。
そうかと思えば、私は20代終わりの頃に「30歳を過ぎても、デートの食事代は 男が払うものだと思っているようでは、自立したキャリア・ウーマンにはなれない」と 男性が言っていたのが 頭から離れず、以来、男性と食事をする際は、必ず割り勘のオファーをするようになってしまった。 これは女性達には「どうしてそんな事するの?」と疑問を持たれる場合が多いけれど、 男性側には至って好評であるのは事実である。
また、私の友人は「男友達が居ない男と、女友達が居ない女には惚れる価値が無い」と言い、 別の友人は「自分のことをモテルという男性はモテない男性。モテる男性ほど、モテないふりをして 女性を油断させる」とか、「モテないのは気取っている男性。モテるのは人懐っこい男性」などと語る。
某商社で、社内の不倫問題の処理を担当している男性によれば、 「浮気相手は顔で選べ」とのことで、美人ほどプライドがあるだけに不倫の後始末は簡単なのであるという。 これに対して、見るからに地味で、パッとしないルックスの女性だと、 プライドが無く、下手をすると「自分なんてどうなっても良い」などと考えていたりするので、 「厄介なのに手を出してくれたな・・・」と思ってしまうのだそうである。

さて、多くの人々が語る異性論のスタンダードには 「男性は女性を変えることが出来るけれど、女性は男性を変えることは出来ない」 というものがあるけれど、私はもっと具体的に、 「男性が押せば女性は結婚するけれど、女性が押しても男性は(交際はしても)結婚はしない」 と考えていたりする。
またつい最近、私のアシスタントの友人のコメントとして聞いたものには、 「タバコなんて吸うんじゃない、等と女性に説教をする男性ほど ご馳走してくれる男性」というものが あるけれど、これは思い巡らすと、実に「言い得て妙」であったりする。

でもこうした持論&フィロソフィーは、時に根も葉も無い思い込みである場合も少なくなかったりする。
例えば、私は友人から紹介されたアメリカ人男性に「髪の長い女性はハイ・メンテナンスだ(手が掛かる)」と 言われ、自分はロングヘアだけれど、ロー・メンテナンスだと信じているだけに、 これは全くの偏見だと思ってしまったし、 「誕生日やクリスマスでもないのにプレゼントをしてくる人間は、ストーカーになり易い」 という説も、当たりと外れがあるので一概には言えないと判断していたりする。

私に 「根も葉も無い思い込み」と言われても仕方が無い持論があるとすれば、 「板前でも無いのに魚を3枚におろせる男性は、女癖が悪い」というものがあるけれど、 私がこの持論を披露すると、最初は「そんな事ある?」と言っていた人も、 魚を3枚におろせる男性を思い出しているうちに「本当!その通り!」と言い出すのが常である。
要するに「魚心あれば水心」という訳である。







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