DBGB Kitchen & Bar, 4 Star Chef's Burger Joint
4つ星シェフがオープンしたバーガー・ジョイント
ダニエル・ブリュー 初のダウンタウン出店、
DBGB キッチン & バー






ダニエル・ブリューと言えば、ニューヨークに複数のレストランを擁し、その他にもラスヴェガス、パーム・ビーチ、 カナダのヴァンクーヴァー、そして昨年には北京にもレストランをオープンしている最もサクセスフルなフレンチ・シェフの1人。
ル・サークのエグゼクティブ・シェフから独立し、90年代前半にオープンしたフレンチ・レストラン、ダニエルは ニューヨーク・タイムズ紙のフード・クリティックから最高の4つ星を獲得し、ザガットでも常に人気レストランの トップ10入りを果たしている存在。ミシュランでは2つ星を獲得している。

彼は、その後もアッパー・イーストサイドに カフェ・ブリュー、ミッドタウンに フォアグラ・バーガーで一躍有名になった DBビストロ・モダン、 アッパー・ウエストサイドのリンカーン・センター・エリアにワインバーである バー・ブリューをオープンし、新しいレストランを オープンする毎に、どんどんカジュアルかつ、価格帯が低い方向に展開を続けてきたけれど、 2009年6月頭にオープンしたのがここにご紹介するDBGB。
同店はダニエル・ブリューにとってマンハッタン5軒目のレストランであると同時に 初のダウンタウン出店であり、これまでで最も安価な価格帯。 時代がリセッションを迎えているだけに、グッドタイミングな出店であるけれど 同店のロケーションを ダニエルが確保したのは好況がピークをつけていた2007年のこと。 なので、リセッションを受けての出店というよりは、ダウンタウンのエッジーな客層を狙った出店というのが そのビジネス・ストラトジーである。

ネーミングのDBGBは、”ダニエル・ブリュー・グッド・バーガー” であると説明されているけれど、 同店のロケーションに馴染みがある人であれば 誰もが これが近隣に2006年まで 存在していた伝説のライブ・ハウス、”CBGB” を真似たネーミングであることがピンと来るはず。
そのCBGBのネーミングは、「Country, Blue Grass and Blues / カントリー、ブルーグラス・アンド・ブルース」 の略。 1970年代にはラモーンズ、ブロンディ等がこぞって出演し、パンク・ロックのメガ・ムーブメントの震源地となったのが CBGBであるけれど、2006年にクローズし、現在このロケーションはジョン・ヴァルベドスのブティックになっている。
ダニエルが同店をDBGBとネーミングし、ロゴもCBGBに似せたものをクリエイトした途端に、 CBGB側が訴訟を起こしたというエピソードも聞かれているけれど、 実際には CBGB とは似ても似つかぬバーガー・ジョイントとしてオープンしたのが DBGBである。



バワリー・ストリートのロケーションを反映したインテリア



DBGBがオープンしたノーホー〜ローワー・イーストサイド・エリアは、近隣に ジェマ、ダブル・クラウン といった 話題のレストランがオープンし、昨今ではクーパー・スクエア・ホテルもオープンするなど、このところ どんどんホットになってきているロケーション。
でもそんなトレンディ・スポットが続々とオープンする前の バワリー・ストリートと言えば、レストラン・サプライや 厨房グッズの卸売り業者が軒を連ねていたエリア。 これを受けて、DBGBのインテリアは そんなバワリー・ストリートの歴史を忠実に再現。 レストランオーナーが、グラスや皿、鍋などを仕入れに来る業者の倉庫のようなインテリアで、 本来なら来店客の目に触れないよう キッチン・シェルフに収まっているべき 食器や、鍋が あえてデコレーションとして壁の棚に収納されており、 機能とインテリアを兼ねると同時に、バジェットを抑えたデザインになっている。

このインダストリアル&モダンな ウェアハウス的インテリアを手掛けたのは、 トーマス・シュレッサー。 レストランのエリアを区切る収納棚は、店内が見渡せるようにオープン・シェルフになっている上に、 キッチンも部分的にオープンになっているので、厨房とダイニング・フロアの喧騒が 同時に見渡せると同時に、シンプルで 気取りの無いセッティング。 「未来的なパリのビストロのよう・・・」 とも評されていたりする。
でも お金が掛かっている印象ではないのと、足を踏み入れるだけでエキサイトメントが味わえるタイプのインテリアではないので、 来店客のリアクションは 好き嫌いに別れているよう。
この他、店内には14人までが着席ディナーが出来るプライベート・ダイニング・ルームもあり、 バースデー・パーティーや カジュアルなビジネス・ディナーがホストできる 空間を提供しています。







Drink Beer & Order Sausages



バーガー・ジョイントと言われてオープンしたDBGBであるけれど、 実際には同店のウリとされているのは、バラエティ豊富なハウスメイド・ソーセージとビール。 14種類揃えているソーセージの人気はスパニッシュ・スタイルのチョリソーやブラッド・ソーセージ、チュニジアン・ラム・ドッグなど。
また同店でグラスでオーダーできるビールは22種類、ボトルでは50種類を取り揃えており、 ワインよりもビールをオーダーする方が、割安かつ 料理とマッチすると言われるのが同店。
通常、なかなかお目にかかれない Brooklyner-Schneider / ブルックライナー・シュネイダー がビールのラインナップに 加わっているので、この苦味のあるオレンジ・フレーバーのビールをトライしてみるのもお薦め。


同店のエグゼクティブ・シェフは、ダニエルの下で8年間働き、DBビストロ・モダンのスー・シェフでもあった ジム・リーケン。ネイティブ・ニューヨーカーでありながら、フレンチ・ビストロ・スタイルのクッキングを 得意とするシェフである。
でも ”ウリ” はソーセージであっても、 現時点ではそのオーダーが集中しているのが シグニチャー・ホットドッグである DBGBドッグ と バーガー。 そしてデザートは、圧倒的にアイスクリーム・サンデーでこれは6種類のホームメイド・アイスクリームの中から選んだ 2スクープで クリエイトするサンデー。
ウェイト・スタッフは、バラエティ豊かなメニューのサジェストに余念が無いと言われるものの、 オープン直後で 初めて来店する人々が多い時期であるだけに、60%以上の 来店客のオーダーがバーガーに集中しているという。


DBGBドッグ(写真上左側)は、ホームメイドのビーフ・ウィンナーにソテーしたオニオン、レリッシュをのせて、 ディジョン・マスタードとケチャップで味わうもの。 フライがサイドに付いているとは言え、ホットドッグとしては極めて高額な9ドルというお値段になっている。
ちなみに このDBGBドッグがサーブされる細長いお皿は、街角の屋台や、スタンドで ホットドッグを買った時に 乗せられてくる 細長くて薄い 紙皿を陶器でクリエイトしたもの。 アメリカ人なら誰もがそれに気付いて、ユーモアを感じるお皿となっている。




3つの バーガー 徹底比較



さて、同店のネーミングになっていると同時に メニューの中の1番人気となっているのが、バーガーであるけれど、 同店のバーガーは全て6オンスのグランド・ビーフ(牛の挽肉)を用いたもの。 ビーフはレストランで毎日 挽いている フレッシュなものが用いられているという。

同店のバーガーは写真上の3種類で、 写真上、左が一番人気のザ・ヤンキー。3つの中で最もシンプルであり、味もベストと言われるバーガーであるけれど、 お値段は一番安くて14ドル。 6オンスのビーフ・パティにレタス、トマト、オニオンをセサミ・バンに挟んでピックルスを添えたもの。 お好みでクリスピー・ベーコン、ヴァーモント・チェダー・チーズがそれぞれ2ドルのエクストラで加えられるようになっている。

写真上、中央はザ・フレンチーと呼ばれるバーガー。こちらも6オンスのビーフ・パティを用いているけれど、その上にグリルしたポーク・ベリー が乗せられ、レタスの代わりにアルグラ、トマト&オニオンのコンポート、モルビエ・チーズがペッパード・ブリオッシュに挟まれたもの。 ピックルスはフレンチスタイルで、マスタードで味わうバーガー。お値段は17ドル。

写真上、右は ピギーとネーミングされたバーガーで、6オンス・ビーフのパティの上にバーベキュー・プルド・ポークが乗った ボリュームあるバーガー。ハラペーニョ・マヨネーズとボストン・レタスがチェダー・チーズをトッピングしたコーン・ブレッドに挟まれていて、 お値段は最高額の19ドル。

いずれのバーガーもフライがサイドに付いてくるけれど、DBGBのフライはカリッと揚がったクリスピーさが足りないと 現時点ではかなり評判が悪いのが実情。
先述のように3つのバーガーの中で最も評価が高いのが アメリカン・スタイルのシンプルなバーガー、ザ・ヤンキー。 フレンチー、ピギーは共に脂っぽい、胃にもたれるなど、あまり評判が良くなく、 それぞれの材料の味は悪くなくても、組み合わせるとトゥーマッチという声が多いようである。




Bar & Restaurant メニュー




DBGB バー&キッチンは、フロントがウォークインの来店客のためのバー・エリア、 そして奥がそれより若干フォーマルで、予約を入れた来店客のためのダイニング・エリアとなっているけれど、 バー・エリアとダイニング・エリアはメニューが完全に分かれており、 DBGBキッチン&バーの魅力を存分に味わうには、 バーエリアではなく レストラン・エリアで、ディナー・メニューの中から オーダーするのが一番となっている。
4つ星フレンチ・レストラン、ダニエルでは バー・エリアの来店客がレストラン・メニューから 料理をオーダーできるようになっているけれど、同店のバー・メニューは レストラン・メニューに比べてかなり簡略化されているのに加えて、同じネーミングの料理をオーダーしても サーヴィングがレストラン・メニューとは異なっているという。 当然 付け合せが充実して、念入りにクックされているのはレストラン・エリアの料理。
バーガーに関しては、バーでオーダーしてもレストランでオーダーしても同じものが出てくるけれど、 レストラン・メニューには 通常 カジュアル・レストランでは味わえないような、揚げた卵をフィーチャーした アスパラガスのウォーム・サラダ、キューカンバのコールド・スープ、クリスピー・クラブ・ケーキなど、 様々な料理がフィーチャーされており、簡素化されたバー・メニューとは全くの別物。

でもそこにフィーチャーされているステーキ・フリート、フラット・アイロン・ステーキはいずれもフード・クリティックから 期待ハズレと言われるアイテム。これらより、ダックやラムをオーダーするのが奨励されている。
また、デザートも先述のようにアイスクリーム・サンデーに人気が集中しているけれど、 フード・ブロガーやクリティックが 賞賛しているのは ババ・オー・ラム(ラム酒に浸かったスポンジ・ケーキ)。 逆に2人分のポーションでサーブされる ベークド・アラスカ (アイスクリームをメレンゲで包んで 外側をバーナーで焼いて焦げ目を付けたデザート) は酷評されているデザートであったりする。

レストラン・エリアで食事を楽しむためには、1週間以上前に予約を入れる必要があるけれど DBGBが 来店客の食事所要時間を短く見積もりすぎているせいで、オープン2ヶ月が経過する時点では若干 オーバー・ブッキング気味。 予約を入れて出かけても、30分〜50分待たされたという人々が少なくないのが実情であったりする。
でもニューヨーカーにとっては、たとえダニエル系列であっても 「バーガー・ジョイントに出かけるのに1週間も前に予約を入れるなんて・・・」 というのが本音のところ。 なので 同店のバーガーやソーセージが気に入った人でも 「もうちょっと気軽に立ち寄れる店でないと、バーガージョイントとしての魅力は見出せない」といった声が聞かれていたりする。 加えて、バーガーとビール、デザートをオーダーして、タックス&チップを支払ったら60ドルを超えてしまうというお値段も 同店が通常のバーガー・ジョイントとは明らかに区別される点。
それだけに、同店は 「20分で食べ終えて、20ドルを支払って出てくる」 といった従来の バーガージョイントの概念を 振り捨てて、予約を入れて、1人70〜100ドルの出費を覚悟で出かけるスポット。

レビューの中には 同店の存在を、リッチなCEOが レザー・ジャケットを着て バイカーやパンク・ロッカー気分を1人よがりで味わっている様子に例えたものがあったけれど、 これは当たらずとも遠からずの表現。
日頃CEOが足を運ぶ 4つ星レストランのシェフのコンセプトでは、たとえダウンタウンのバーガージョイントでも この程度にしか チープにならないのは明らかな事実であるから、そう思って出かけるのが賢明でしょう。


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Tel: 212-933-5300
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