Jan. Week 2, 2017
”Miss Paradis” by Philippe Starck
フィリップ・スタルクが久々に手掛けたNYレストラン、
”ミス・パラディス”



フランス人レストランター、クロード・ローソンとその娘、ジュリーのチームが2016年11月にノリータにオープンしたレストランが、 ミス・パラディス。
同レストランがオープン前からニューヨーカーの間で話題になっていたのは、長きに渡ってプリンス・ストリートとマルベリー・ストリートのコーナーという トラフィックが多いエリアで同店の建築が行われていたのに加えて、建築中から既に同店がスタイリッシュで、他のレストランやストアとは異なるオーラを放っていたため。 それもそのはずで、ミス・パラディスをデザインしたのは、デザイン界のレジェンドで、しばしニューヨークのプロジェクトから遠ざかっていた フィリップ・スタルク。
実際にオープンした同店は期待を裏切らないモダンでフューチャリスティックなデザインと、いかにもフィリップ・スタルクらしい遊び心と コンセプトの妙を感じさせるディテール。、 ニューヨークのローカル・メディアが取り上げる視点も、もっぱら”フィリップ・スタルクのニューヨーク・カムバック” にフォーカスしたもので、 近年オープンしたレストランの中では、最もデザインに注目が集まる存在になっているのだった。









フィリップ・スタルクがニューヨークでプロジェクトを手掛けたのは2000年にオープンしたハドソン・ホテル以来のこと。
でも長年のニューヨーカーにとって彼の存在を強烈に印象付けたのは、1980年代後半にミッドタウン44丁目にオープンしたロイヤルトン・ホテル。 ここでファニチャーからカーペットに至るまで、総合的にデザインを担当し、世界的な評価を獲得した彼は、 後にブティック・ホテル・ブームをクリエイトしたと同時に、彼自身を建築や店舗デザインだけでなく、プロダクト・デザインの世界でもスーパースターにしてしまったのは周知の事実。 (現在のロイヤルトンホテルは改装が行われ、別のデザイナーのインテリアになっています)

そのフィリップ・スタルクが16年ぶりにニューヨークにカムバックしたプロジェクト、 ミス・パラディスは久々に彼の独特の持ち味が発揮されたユニークなスポット。
ミス・パラディスのデザインは、クロード・ローソンがパリで約3年前にオープンしたレストラン、Miss Ko / ミス・コーに非常に近いコンセプト。 実際にそのネーミングにしても、彼のもう1軒のパリのレストランLe Paradis du Fruit / ル・パラディ・ドゥ・フルーとミス・コーをミックスしたもの。
そのデザインは、ノリータで最もトラフィックが多いエリアのエキサイトメントをファイバー・グラスのウィンドウ・ウォールから取り込みながら、 ロケーションの細長いスペースを上手く生かすことにフォーカスされたもの。 地上9.14メートルの円柱をアクセントに、インドア/アウトドアのサンルームのように仕上げられているのだった。

1階、2階を含めて全120席の同店は、1階中央に25人が着席出来るコミュナリー・バーテーブルを設置。 2階エリアは逆にインティメートな雰囲気が漂うバルコニーのようなスペースで、 どちらも日中は自然光、夜はストリート・ライトが差し込むデザイン。
照明はイタリアのムラノでカスタムメイドされたもので、家具やバスルームの扉、デコレーションのディテールにフィリップ・スタルクらしいこだわりやユーモアが感じられる仕上がり。 アップルのモチーフが目立つけれど、これはニューヨークのニックネーム、”ビッグ・アップル”にちなんだもので、 アダム&イブのモチーフはそこからのインスピレーションになっているのだった。











そのミス・パラディスでサーブされるフードは、地中海料理とカリフォルニア・キュジーヌのフュージョンとも言える、野菜と魚介類にフォーカスしたぺスカタリアン (肉だけを避けて、魚や卵はOKのヴェジタリアン)。 ヘビーなディッシュは一皿もないヘルシーなラインナップのメニューの中で人気になっているのは、 エッグ・プラントのトッピングのチャコール・ブレッド。 これはチャコールを使った真っ黒なパンで、言ってみればイカ墨パスタのブレッド版。 その他、ライスの替わりにクスクスを用いたシーフード・パエヤ、 ズッキーニ・パスタ(ズッキーニの細切りをパスタの替わりに用いたヴェジタリアン・メニュー)など、 いかにも身体と胃に優しい料理。
デザートも小麦粉を使わないフラワーレスかつ、グルテンフリーで、 外食が続いて胃を休めたい時のディナーに適しているのが同店のメニュー。

昼間はコールド・プレス・ジュースやスムージーをサーブするミス・パラディスでは、 そのヘルシー・ドリンクが カクテルにも反映されていて、 フレッシュなフルーツや野菜を用いたクリエイティブなドリンクも同店のウリの1つになっているのだった。
予約は、バーテーブルと通常のテーブルで別々に受け付けているので、 バーテーブルのハイチェアが苦手な場合でも予約の際に指定できるシステム。
一部のローカル・メディアの中には同店のロケーションをソーホーと記載するところもあるけれど、 実際、ミス・パラディスのモダンなスタイリッシュさは、素朴で小規模なストアやレストランが多いノリータというより、 ラファイエット・ストリートを隔てたソーホーに属するという印象なのだった。

Miss Paradis
47 Prince St. (at Mulberry) New York, NY 10012
Tel: 646-329-6380


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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