Feb. Week 3, 2013
” Jo Malone Red Roses Limited Edition ”
” ジョー・マローン レッド・ロージズ リミテッド・エディション ”



私が、1995年の秋以来、ずっと使い続けてきたのがジョー・マローンの レッド・ロージズ。
1995年に初めてロンドンに行った時、当時ウォルトン・ストリートにオープンして間もなかったジョー・マローンのブティックに出かけて 購入してきたのが、レッド・ロージズと、ライム・ベージル&マンダリンの2本のコロン。 この時に買ったライム・ベージル&マンダリンは、未だボトルを使い切っていないのに対して、 レッド・ロージズは、もうこれまでに何本使い切ってきたか分からないほど。
当時は、ジョー・マローンが未だアメリカ進出をしていなかったので、コロンが無くなるとイギリス人の友達に頼んでロンドンから買ってきてもらっていたけれど、 2000年から バーグドルフ・グッドマンドがアメリカで初めてジョー・マローンの取り扱いを開始したお蔭で、 それ以降は 安定供給が保障されるようになったのだった。

私がレッド・ロージズの香りに出会った90年代は、フレグランス業界で 「バラの香りは実現するのが最も難しい」と言われていた時代。 実際この当時、花の芯から青っぽい酸味を放つ バラの生花の香りは、人工的に作り出すのは不可能と思われていたのだった。
それだけに、私はジョー・マローンのレッド・ロージズを初めて香った瞬間から、衝撃的な出会いを感じてしまったけれど、 つけていて 男性にも、女性にも褒められるのがレッド・ロージズ。
私自身、この香りをつけていない時は無い と言えるほどに愛用しているのだった。




そのレッド・ロージズは 毎年、10月の乳がん注意予防月間の際と、2月のヴァレンタイン・デイの前に プロモーションが強化される香り。
これは、ジョー・マローンの他のコロンが、無色、もしくは薄いイエローであるのに対して、レッド・ロージズのみが ピンク色であるためで、それが乳がんチャリティのテーマ・カラーであり、ヴァレンタインのロマンスを象徴するカラーでもあるのが その理由なのだった。
そんな今年のヴァレンタイン・シーズンのアメリカで、 ジョー・マローンから登場することになっていたのが、 写真一番上、通常のボトルに アヴァンギャルドなワックス・シールを施して、モダン・アートのオブジェのように仕上られたリミテッド・エディション。

これは イギリスでは一足先に、2012年のホリデイ・シーズンに登場して、大きな話題を集めていたもの。
同ボトルは、スタイリストのCharlotte Stockdale/シャーロット・ストックデールと ジョー・マローンのコラボレーションで生まれたもので、 その1本1本に ナンバーが付けられたコレクターズ・ヴァージョン。
真っ赤なワックスでシールされている以外は、通常のジョー・マローンの100mlのボトルと一緒であるけれど、 お値段は通常のボトルの1.5倍。 ニューヨークでは、ブリッカー・ストリートのブティックで販売されることになっているけれど、 同店に入荷予定とされているのは僅か25本。
私も早速ウェイティング・リストに名前を入れておいたけれど、 肝心の商品は ヴァレンタイン・デイになっても未だ入荷していない状態で、今か今かと連絡を待っている状態なのだった。

とはいっても、このボトルはワックス・シールをはがして、開けてしまったら全く価値が無くなるもの。 使わずに眺めているからこそ価値があるもので、コロンとしては全くの役立たず。
でも私にとって レッド・ロージズは、思い入れのある特別なフレグランスなので、どうしても手元に置いておきたいというのが私の願望。 しかも 私はワインでも、バルザミコでも、ボトルをワックスでシールしているプレゼンテーションが好きなので、 このボトルのアイデア自体も 非常に気に入っているのだった。




私にとって、ジョー・マローンのレッド・ロージズが特別な理由の1つは、シャネル以外のブランドで、 初めて愛用したコロンであるという点も大きいのだった。
私は誕生日が19日ということもあって、19歳の時からシャネルのNo.19を愛用してきたけれど、No.19は春夏&昼間の香りという印象なので、 秋冬に もっぱら愛用してきたのが Coco/ココ。 No.19は、シャネルが自分自身のためにクリエイトさせた香りとして知られていて、ココ・シャネルも誕生日が19日であるけれど、 一説によれば、彼女の本当の誕生日は8月18日。でも19という番号が好きなので、8月19日をバースデーにしているとのこと。

私は、この両方をレッド・ロージズとレイヤーでつけるのを好んでいて、フレグランスのレイヤーは、 ジョー・マローンの香りに親しむようになってから 学んだアイデア。
No.19は、グリーン系の香りなので、レッド・ロージズのグリーン・フローラルと非常に相性が良いのは容易に想像が付くところであるけれど、 ココに関してはもっと濃厚で、個性的な香り。 なので、レッド・ロージズとレイヤーにすると、双方の雰囲気がぶち壊しになってしまいそうだけれど、 スプレーするボディ・パーツを分けて、時々レッド・ロージズが香って、時々ココが香るようにすると、 素晴らしい香りのコンビネーションが楽しめるのだった。

私は、特に 男性から「コロンのつけ方が上手い」と褒められることが多くて、密かにそれを自慢にさえしているけれど、その秘密は私の体温の高さ。 フレグランスを沢山つけなくても、体温のお蔭でしっかり香る上に、体温でアルコール分が直ぐに飛ぶので、フレグランスが柔らかく香るのだった。
そんな事もあって、私は男性から 「ガールフレンドに薦めるから、どのコロンをつけているか教えて欲しい」と尋ねられたことが何度もあるけれど、 フレグランスはつける人によって香りが本当に変わるもの。 フェラーリの赤を、アストン・マーティンに塗ってもピンと来ないのと一緒で、私がつけていて良いと思った香りを、 男性のガールフレンドがつけても、同じようには香らないのだった。
その理由は、まず人間には それぞれが持っているボディ・オーダー、すなわち自分自身の匂いがあるためで、 フレグランスを選ぶ場合は、自分自身のボディ・オーダーと相性の良い香りを選ぶことがとても大切。 また先述のように体温も、香りの印象を変える要素になっているのだった。

多くの女性は、平均3〜5年でフレグランスを変えるとのことで、ビューティー業界では フレグランスが3年連続で 売り上げトップ10にランクされれば、大ヒット商品と見なされるとのこと。
でも私の場合は 気に入った香りがなかなか見つからない分、一度気に入ると、10年以上使い続けるのは当たり前。 なので、愛用する香りが 私のシグニチャーになってきてしまって、友達に会うと、「レッド・ロージズとNo.19がミックスしたYokoの香りがする」 などと言われることも少なくないのだった。

ところで 世の中の女性は、圧倒的にパフュームやオード・パルファムよりも、 コロンのような軽いフォームを好むというけれど、 私は逆で、オード・パルファムを少量使うのを好むタイプ。
理由はオード・パルファム、及びパフュームの方が、ファースト・ノートからラスト・ノートまでの 香りの変化がゆっくり楽しめるためで、オード・パルファムは つける量に関わらず、翌日まで香っていることが珍しくないのだった。
ジョー・マローンは コロンなのに、ナチュラルな香りが長持ちすることから 好んできたけれど、 気のせいか、エスティ・ローダーが買い取って 販売を拡大してからは、以前ほどは香りが長続きしなくなったように思えるのが、 長年の愛用者としての感想なのだった。





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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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