Feb. Week 3, 2018
”Salt Bae, the Instagram Sensation"
”インスタ・センセーションのステーキハウス、ソルト・ベイ&ソルト・テクニック "


私が1月に出かけて、このコーナーで書くべきかずっと迷っていたのが、 新しくマンハッタンのミッドタウンに出来たステーキ・ハウス、”Nusr-Et / ニュースレット"。
同店は、元トルコの精肉業者だったニュースレット・ゴークスによる13店舗目のレストランで、 彼が最初にレストランをオープンしたのは2010年のこと。当時は僅か10テーブル、10人のスタッフのみの 小規模なレストランであったという。 その彼は、今やイスタンブール、ドバイ、ドーハ、マイアミにレストランを構え、その従業員は約1000人。
そんな彼のニックネームであり、通称が ”Salt Bae / ソルト・ベイ”で、 多くのニューヨーク・メディアやレストラン・ゴーワーは、 彼の名前の発音が 難しいこともあって もっぱら 彼を ” ソルト・ベイ” と呼び、 彼のレストランのことも ”ソルト・ベイ・レストラン” と呼んでいるのだった。





私がこのレストランでのディナーにお声を掛けてもらった1月の段階では、同店に関する知識が殆ど無く、 ウェブサイトをチェックしてみると、 ラテン系と思しき名物シェフの姿がフィーチャーされていたので、 そのシェフが ベニハナ・レストランの鉄板シェフのように、ナイフで曲芸でも見せてくれるのかと思っていたのだった。
でも実際には、彼のスペシャルティはソルトを振りかけるテクニック。 もちろん、その前には見事なナイフさばきで ステーキやチョップをスライスするけれど、その仕上げに見せるのが 手首を ヘビのように曲げながら、粒の荒いシーソルトを 腕をつたって落ちるように振りかける独特のスタイル。 その様子は彼の全てのレストランに壁画としてフィーチャーされているのだった。

また、昨年には彼がその塩を振りかけるモーションを収めたビデオをインスタグラムにアップしたところ、あっという間に1600万のビューイングを記録。 以来、すっかりセレブ・シェフになったソルト・ベイのレストランには、 レオナルド・ディカプリオから、ショーン・ディディ・コム、ボクサーのフロイド・メイ・ウェザーなどが やって来るようになっており、オープンして間もないニューヨーク店にも 下のビデオのようにデヴィッド・ベッカムが子供達を連れてやってきているのだった。 (以下のビデオは11分と 長いもので、最初と最後にベッカム・ファミリーが出てきます)







私が同レストランに出かけたのは、1月末のことだったけれど、その時点でのメディアの同店のレビューは惨憺たるもので、 「リブアイ・ステーキが靴の革より硬い」、「300ドル支払っても満腹にならない」、「ニューヨークで最悪のボッタクリ レストラン」、 「値段の割に肉の質が悪すぎる」など、鳴り物入りで登場したレストランのレビューとしては近年最悪と言える酷さ。 にも関わらず私が出かけたのは、自分で払う必要が無かったためで、 招待してくれた人に会わなければならないという都合もあって、全くフードには期待しないで出かけたのだった。

すると驚いたことに肉の味も良く、サービスもレビューで指摘されるような酷いものではなく、 メインの肉が運ばれてきたと同時に ソルト・ベイがテーブルにやってきて、物凄く良く切れそうなナイフで、さっと肉の塊を骨と切り離して、 友達がビデオ撮影しているアイフォンを見据えながら、肉を全く見ないで、ほぼ同じ厚さに肉をスライスした後 トレードマークのポーズで塩を振りかけてくれたのだった。

同店はインターネット上でメニューは公開していても、そのお値段は一切記載していないので、 支払いをしていない私はディナーのお値段が分からないまま。 なのでレストランを正当に評価出来ないことが、このコーナーに書けなかった理由になっていたけれど、 これまで私が読んだレビューでは、240ドル〜500ドルというのが1人当たりのお値段になっているのだった。




ソルト・ベイはニューヨークに滞在中はプラザ・ホテルに泊まり、毎朝欠かさずに1時間のワークアウトをしてから仕事に臨んでいるとのこと。 彼がニューヨークで最初にぶつかった難関は、ニューヨークのヘルス・デパートメントが 焼きあがった肉に素手で触れることを衛生上の違反行為と見なしたことで、 オープン当時は素手で塩を掛けていた彼も、その警告後からは手袋をしなければならない状況になっているのだった。
ちなみに同店で一番安い肉料理は写真上のハンバーガー。そのお値段は30ドルで、最も良心的なお値段と言われるディッシュなのだった。 でもハンバーガーごときをオーダーしただけでは テーブルにやって来ないのがソルト・ベイ。 彼の見事な塩さばきを見たければ、 高額なステーキや肉料理をオーダーしなければならないのだった。
でもバーガーが評判なこともあって、ソルト・ベイはもうすぐニューヨークでバーガーの専門店をオープンする予定になっているのだった。

NUSR-ET STEAKHOUSE NEW YORK
60 W 53rd Street, New York, NY 10019
Tel: 212 315 3660


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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