Apr. Week 4, 2011
” Luke's Lobster's Lobster Roll ”
” ルークス・ロブスターのロブスター・ロール ”



春から夏に掛けて、毎年私が好んで食べるのがロブスター・ロール。
ロブスター・ロールとは、ロールパンにロブスターのマヨネーズ和えを挟んだもの。 シンプルなメニューであるだけに、食材、すなわちロブスターの新鮮さと茹で方、マヨネーズの味、 ロールパンのテクスチャーでその優秀さが競われるもの。

私がニューヨークに来て、初めて食べてヤミツキになったロブスター・ロールは、写真左のメアリーズ・フィッシュ・キャンプの ロブスター・ロール。同店と、パール・オイスター・バーのロブスター・ロールは、長くニューヨークのベスト・ロブスター・ロールと 言われてきたのだった。
メアリーズ・フィッシュ・キャンプにしても、パール・オイスター・バーにしても、ロブスター・ロールをオーダーする際は、 私は揚げ物を食べない主義なので、サイド・ディッシュを写真のようなフライド・ポテトから ベイクド・ポテトなどに替えてもらうことになるけれど、 これをランチに食べると、ディナーが食べられないほどの脂肪分と塩分の多さ。
それでもこの2店舗は、優秀なロブスター・ロールをサーブしているので、あまりヘルシーとは思えなくても 食べたくなるけれど、中には マヨネーズの味が ロブスター本来の味わいや甘味をかき消してしまうものも少なくないのだった。

そんな中、昨年初めて食べたのがルークス・ロブスターのロブスター・ロール。
同店は、2008年にイースト・ヴィレッジにオープンしたロブスター・ロール、シュリンプ・ロール、クラブ(カニ)・ロールの お店であるけれど、何と言ってもそのウリはロブスター・ロール。
同店をスタートしたルーク・ホールデンは、ロブスターで有名なメイン州育ちの26歳。 ファイナンスの仕事のためにニューヨークにやって来た彼は、ニューヨークのロブスター・ロールの価格の高さと、 マヨネーズでギドギドしたロブスターの味の悪さに驚いて、メイン州でシーフードのプロセス会社を経営する父親を パートナーにルークス・ロブスターをオープンしたとのこと。 同店のロブスターは、ルークの父親の会社から直送されてくる新鮮なもので、 あっという間に評判になった そのロブスター・ロールはメディアからも大きな注目を浴びて、 今ではマンハッタン内に4店舗を構えるまでに成長しているのだった。





私が同店に行くようになったのは、自宅から近いアッパー・イーストサイドの店舗(写真上、右側)が出来てからであるけれど、 同店のロブスターは、ふんわり柔らかいロール・パンに軽くバターを塗って程よくトーストし、 そこに僅かなマヨネーズを塗るだけで、ロブスターは他店のようにマヨネーズ和えされていないのが特徴。 その替わり、同店の企業秘密になっているスパイスがロブスターに振りかけてあって、そのロブスターをロール・パンに挟むだけという 極めてシンプルで、他店に比べて遥かにヘルシーなロブスター・ロール。
でも完璧に茹でられたロブスターのテクスチャーと、ロブスターの甘みと旨みが ほのかなバターとマヨネーズの味、そして、独得のスパイスの味と見事に絡み合って、絶妙の美味しさ。 一口食べるごとに、思わず唸ってしまう 味わいになっているのだった。

同店のロブスター・ロールに用いられているロブスターは、テール(尻尾)ではなく、クロウと呼ばれる爪(ハサミ)の 部分のロブスター・ミート。なので、カラーも美しく、独得の軽やかな歯ごたえが心地好いもの。
たった1つ問題は、ルークス・ロブスターは、ピザ・パーラーのように経営されていて、リカー・ライセンスの関係で ビールしかオーダーできないこと。
なので、私はもっぱらテイクアウトをして、自宅のフライパンで軽く温めてから食べることになるけれど、 個人的に同店のロブスター・ロールに最も合うドリンクだと思うのはシャンパン。
ロブスター・ロールとヴーヴ・クリコやモエ・シャンドン程度のシャンパンをグラスに1杯、レストランでオーダーしたら、 タックスとチップを含めて1人70ドル以上にはなってしまうけれど、ルークス・ロブスターからのテイクアウトを 自宅でシャンパンと味わえば、シャンパン1本を2人でシェアして2杯ずつ飲んだとしても、レストランで支払う1人分のお値段。 なので、贅沢を味わいながらも お金を節約しているという満足感も同時に味わえるのだった。

ちなみに、パール・オイスター・バーやメアリーズ・フィッシュ・キャンプのロブスター・ロールは、約28ドル前後。 たっぷり使われているマヨネーズにはセロリやチャイブなどがミックスされているもの。 CUBE New Yorkの記事でも紹介した ミッドタウンに昨年秋オープンしたラム・クラブは、 ロブスター・ロールをウリにしていたけれど、同店のマヨネーズ和えのロブスター・ロールは何と39ドル。
これに対してルークス・ロブスターのお値段は1つ17ドルと、マンハッタン内で食べられる ハイ・クォリティのロブスター・ロールとしては、恐らく最も安価と言えるもの。
このお値段と、マヨネーズを殆ど用いないヘルシーな美味しさだからこそ、何度でも戻って行って食べたく なってしまうし、何度食べても、何時食べても、文句なしに美味しいのがルークスのロブスター・ロールなのである。


Luke's Lobster
242 E. 81st Street
TEL:212-249-4241






FaviruteOfTheWeek FaviruteOfTheWeek FaviruteOfTheWeek

 


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

PAGE TOP