Apr. Week 4, 2014
” Highend Casual Shoes ”
” ハイエンド・カジュアル・シューズ ”



2014年の春夏シーズンの足元は、ヒールよりフラット。
かつては一日中、ハイヒールを履き続けても平気だった私も、昨今では昼間はフラット、もしくは 5〜6センチほどのローヒールを履くケースが増えてきたので、 フラット・シューズのトレンドは 以前ほどは厭わないところ。
でも、かつてはフラット・シューズがトレンドと言えば、グラディエーター・サンダルや、バレエ・フラットなど、 ファッションの香りがするものが流行っていたけれど、 昨今メイン・ストリームになっているのは、昨年から火がついているバーケンストックや スニーカー、そしてエスパドリーユといった 極めてカジュアルなフットウェア。
それでも、こうしたアイテムを一流デザイナー・ブランドが手がけると、 そのお値段は唖然とするほど高額になるのだった。









写真上は、この春夏シーズンに登場しているバーケンストックのラインナップであるけれど、 このコラムのトップ中央で紹介しているジバンシーのフラワー・プリントのバーケンストックは、ありとあらゆるファッション・メディアや ファッション・ブログで紹介されている今シーズンの目玉フットウェアの1つ。 そのお値段はバーケンストックとは思えない795ドル。

また、数年前にウェッジ・スニーカーがトレンド・アイテムになって以来、 デザイナー・ブランドが高額なレースアップ・スニーカーを製作してきたのは周知の事実であるけれど、 今シーズンは同じスニーカーでも、目玉になっているのがスリッポン。 子供が履いている運動靴と変わらないデザインが 多数見られる同カテゴリーだけに どうしてこれがこのお値段?と思うものも少なくないけれど、 マテリアルに関してはスウェードやレザー、時にパイソンなど、比較的上質なものが用いられているのだった。
ちなみにスリッポンはパンツ・ルックではなく、ミニスカートやホット・パンツと合わせる方が 今シーズンらしいコーディネート。










でも製作原価を考えた場合、最も「ボッタクリ!」と思えるのはやはりエスパドリーユ。
今シーズンのフラット・シューズの中でも、一番人気になると見込まれているエスパドリーユであるけれど、 3年ほど前、こんなに流行っていない時には 30ドルほどで購入できていたのが同フットウェア。 ところが今シーズンは、一流デザイナー・ラインだと最低でも その10倍のお値段。
トリー・バーチのような若干ブランドの格が下がるデザイナーでも 150〜200ドルというお値段。 編み上げた藁底にゴムを貼り付けただけの靴底というエスパドリーユの特徴を考慮すると、 これはあり得ないお値段であるけれど、 履き易い上に、この春夏のトレンドということもあって、 飛ぶように売れ始めていることがレポートされているのだった。







でも原価とお値段のバランスさえ考えなかったら、クリスチャン・ルブタン、ドルチェ&ガッバーナ、ヴァレンティノのシューズが400ドル台、 ジバンシーのシューズが700ドル台というのは、かなりのバーゲン。 秋冬シーズンにジバンシーのロング・ブーツを購入しようと思ったら2500ドル以上。 クリスチャン・ルブタンにしても多くのシューズが1000ドルを超える価格帯。
でも世の中はどんどん服装がカジュアルになってきているので、1000ドルを出して ルブタンのハイヒール・サンダルを購入したところで、「ヒールの履き心地が悪い上に、履いていく所もない」 と考える女性は少なくないのが実情。
逆にエスパドリーユやバーケンストックであったら 手頃なお値段な上に、 「履き心地が良く、毎日のように愛用できて、しかも周囲がブランド物だと気づいてくれるので、 ちょっと良い気分!」になる訳で、女性たちが気軽に購入に及ぶ理由は十分に理解できるのだった。

私の見地から言えば、この購買傾向は シャネルのバックや靴、服等には手が届かないアメリカ人女性たちでも、 サングラスだけはシャネルを買うのに似ていると思うのだった。 すなわち、サングラスとしては決して安くはないけれど、シャネルというブランドの商品としては 比較的誰にでも手が届く上に、 毎日の生活の中で頻繁に使えて、大きくロゴが入っているので、誰にでも気づいてもらえるのがサングラス。
なので私が観察する限り、ニューヨークではシャネルのサングラスをしている女性は、 服装に非常に大きな開きがあって、その経済状態やテイストもピンキリであると思われるのだった。

さて バーケンストック、スリッポン、エスパドリーユの中で、私が高額を支払ってでも購入する可能性が高いのは バーケンストック。 スリッポンは 形が私の脚に似合わないので購入意思はゼロ。エスパドリーユは経験上、 ひと夏で履き潰すタイプのフットウェアなので、あまり高額を投資する価値がないように思うのだった。
その点バーケンストックは、丈夫で 履き易く、靴底も厚い上に、 パンツルック、ヨガウェア、マキシ・ドレスなど、様々なカテゴリーの服とコーディネートし易いという利点もあるのだった。




執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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