May Week 1, 2013
” Kalustyan's ”
” カルスティヤンズ ”



長くマンハッタンに住んでいるにも関わらず、私が一度も行った事が無かったのが、今回フィーチャーするカルスティヤンズ。
同店はニューヨークのベスト・スパイス・ショップに 必ず選ばれる老舗で、 ミドル・イースタン(中東)とインドのスパイスを中心に、 多種のドライ・ビーンやナッツ、チャツネ、ハニー、お茶等を 圧倒するラインナップで揃えているストア。 「同店で探せないスパイスは無い」と言われるほどの品揃えなので、ニューヨーク中のシェフが頻繁に立ち寄ることでも知られていて、 スパイシーなテイストを好む料理好きであれば、一度は訪れていると言われるほどの有名店なのだった。
にも関わらず、私が一度も同店に足を運んだことが無かったのはそのロケーション。 同店が位置するのは、レキシントン・アヴェニューの28丁目と29丁目の間。 英語で「Middle of Nowhere / ミドル・オブ・ノーウェア」という言葉があるけれど、私にとって同店のロケーションはまさにそれ。 ソーホーやローワー・イーストサイド、ウェスト・ヴィレッジよりも距離的には自宅に近いけれど、 同店の近辺には全く用事が無いだけでなく、通りかかることさえ無いので、その存在は知っていても、 わざわざ出掛けようと思わずに過ごしてきたのだった。

その理由の1つは、本当に探しているスパイスがある場合、同店のウェブサイトからオーダーできることが1つ。 とは言っても 同店のウェブサイトは、取り扱いアイテムが まるで電話帳のように 列挙されているだけの作りで、 よほど熱心に探していない限り、その膨大なラインナップに目を通して、オーダーをする気にはなれないのだった。
もう1つの理由は、同店が高めの価格設定で知られること。 1箇所で 探しているものが全て揃うスパイス・ショップではあるものの、高めのお値段を支払うことになるのは、 多くのレビューアーが指摘している問題点なのだった。
なので、これまで ずっと同店を訪れないまま 時間が過ぎてしまったけれど、つい最近になって遂に同店に足を踏み入れる機会に恵まれたのだった。

カルスティヤンズは、これほどの有名店でなかったら、わざわざ中に入ろうとは思わないような全くパッとしない外観のショップ。 パッとしないのは、店の中に入ってからも然り。店内はスパイスの香りで満ちていて、飾り気の無い 大きめの中東グロサリー・ストアといった印象。 特に探している物が無い人にとっては、同店はそのウェブサイトと同様で、商品がカテゴリー別に、 とにかく沢山並んでいるだけという作りなのだった。






でも商品の豊富さは、他のストアが足元にも及ばないほど。 最もラインナップが豊富なのは前述のように 珍しい種類のお茶と、 中東とインドのスパイス、それに混じって日本の柚子こしょうや 韓国産の唐辛子などもあって、 更にコーヒーのセクションには ダイエットのセクションでサプリメントとしてご紹介している グリーン・コーヒー・ビーンが売られていたのはかなり画期的。
ハーブやチャツネも1つ1つ見ていたらキリが無いほどに多種類が揃っているけれど、 唯一 ジャムに関しては、ホールフーズや、フェアウェイといった大型食材店の方が充実しているという印象なのだった。

同店では、食材以外にもタジーン鍋や、スパイス用のボール等のキッチン・グッズも売られているけれど、 知る人ぞ知る 同店のアトラクションになっているのが 2階にあるデリ。 ここは、ファラフェル(チック・ピー/ヒヨコマメをすり潰して作ったコロッケのようなフード)のサンドウィッチが有名で、 一流レストランのシェフも同店にスパイスを買いに来た時に、テイクアウトすると言われるもの。
したがって 味はお墨付きであるけれど、ファンシーさのかけらも無いデリなので、それなりの覚悟で出かけないと、 食欲をそそられるセッティングという訳ではないのだった。
デリセクション以外にも、同店では1階のレジのカウンターで バクラバなど中東のデザート(写真上、下段右)を販売しているけれど、 この手のデザートは 日本人の味覚には 強烈なほどに甘いものが多いので、こちらについては 興味本位で購入するのは あまりお薦め出来ないのだった。




結局、今回私が同店で買ってきたのは写真上の4点。
写真上、左側はヒマラヤン・ピンク・ソルトとハワイアン・ブラック・ラヴァ・シーソルト。 実は私は 塩にはとても拘っていて、それというのも塩は身体に最も吸収される食材であるため。 目下、自宅では用途別にヒマラヤン・ソルト、フルール・デ・ソル、コーシャ・ソルトを使い分けているけれど、 カルスティヤンズは 塩のラインナップがとても豊富で、思わず買ってしまったのがこの2つ。

ヒマラヤン・ピンク・ソルトは、日頃から使っているヒマラヤン・ソルトのピンク・バージョンであるけれど、 シャンパンがロゼの方が高額なのと同様、ヒマラヤン・ソルトもピンクの方が遥かに高額。約85gで ほぼ5ドルというお値段は、 塩としては ボッタクリと言えるもの。
ちなみに塩のピンクの色は、豊富に含まれるミネラルから きているとのことなのだった。

一方のハワイアン・ブラック・ラヴァ・シーソルトは デトックス効果の高い活性炭が含まれた、トレース・ミネラルが豊富な塩。
野菜料理、そしてステーキに擦り込むにも最適であるけれど、私はライム・ジュースを振りかけたお刺身に このソルトを一振りして、ドライな ホワイト・ワインと一緒に味わうのを好んでいるのだった。
ちなみに 塩の味をジャッジする際には、そのまま舐めてみるのに加えて、キュウリに振りかけて食べてみるのが私のやり方。 美味しい塩だと、たかだかキュウリが とっても美味しく感じられるけれど、その点ではどちらのソルトも大合格と言えるのだった。

写真上右側はカルスティヤンズのハウス・ブランドのマンゴー・チャツネと、ハラペーニョ・ホット・ソース。
マンゴー・チャツネには スウィート、マイルド、ホットの3種類があったけれど、スパイシーを好む私は 迷わずホットを選択。 インドで生産されている このチャツネの味は かなり甘くて、ジワジワとスパイシーさが舌に伝わってくる感じ。 ラベルの用途にはハンバーガーに使うことがサジェストされていたけれど、私は挽肉を食べない主義なので、 タコスや、白身魚のグリルと一緒に味わう予定にしているのだった。

ハラペーニョ・ホット・ソースは、つい最近、友達とメキシカン・レストランに行った際に、ワカモレに添えられて出てきたけれど、 私はこれに 直接チップスをディップして食べてしまうほど好きなソース。
ワカモレや ドレッシング、ディップにミックス出来るのはもちろん、シェビーチェに振りかけたり等、用途は本当に沢山あって、 特にこれからの温かい季節は、このホット・ソースと合う料理が増えてくるのだった。

カルスティヤンズは前述のように、私にとって全く縁が無いロケーションにあるので、頻繁に通うことは無いと思うし、 たとえ有名店でも旅行者が 限られた時間内にわざわざ足を運ぶ価値があるという訳ではないスポット。
でも、マンハッタンに住む料理好きであれば、訪れる価値があるのは紛れもない事実。 特にお茶やスパイスに興味がある人だったら、軽く30〜40分が 潰れてしまうショップなのだった。

Kalustyan's
123 Lexington Ave New York, NY 10016 (Bet 28th & 29th St.)
Tel: 212-685-3451
Website:www.kalustyans.com/






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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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