May Week 3, 2018
”Hamptons' Roses"
”ロゼ人気でこの夏益々加熱するハンプトンズ・ロゼ対決"


私はかつてワインを集めていたほどワイン好きを自負しているけれど、 それでもあまり好きではないのがロゼ・ワイン。 ロゼのシャンパンはこよなく愛しているけれど、 ワインのロゼというと、どうしても”ピクニック・ワイン”というワンランク下の扱いをしてしまう傾向があるのだった。
でもアメリカではここ数年、夏のワインと言えばロゼ。 その売り上げも250%以上伸びているとのことで、 ワインやグルメ系のメディアではなく インテリアやファッション誌等でプロモートされて、 シリアスなワイン・ラバーよりも カジュアルにワインを楽しむ人々に対してマーケティングを行ったのがその勝因。 今ではブーミング・マーケットを狙って 様々なロゼ・ワインが登場しているけれど、 そのロゼ市場でウケが良いのが ニューヨーク郊外のリゾート・エリア、”ハンプトン”のキーワードなのだった。







近年私も 夏のバーベキューの際には、相手がよほどのワイン好きでない限りは ロゼ・ワインを持参することが多くなったけれど、 その際に私が頻繁に選ぶのが写真上のウォルファー・エステートのロゼ。 理由は受け取る側がボトルを見ただけで大喜びしてくれるため。
ウォルファー・エステートは、サウスハンプトンのサガポナックの夏の観光名所として知られるヴィンヤードで、 一般の人々の間でもその存在が知られるようになったのが 写真上、上段左の” サマー・イン・ザ・ボトル” が 様々なメディアで取り上げられたため。 カラフルなボトル・デザインはヴィンテージによって若干変わっているけれど、”最もインスタグラマブル”と言われるのがこのロゼ・ワイン。 シャルドネとゲヴェルツトラミネールをブレンドしたホワイト・ワインも同じデザインで毎年リリースしているのだった。
ウォルファー・エステートの最大の魅力はファッショナブルなボトル・デザインで、 別ラインのワインや、サイダー等、他のプロダクトもロンドンのデザイン会社に依頼して、 独特のスタイリッシュさに仕上げている点。
” サマー・イン・ザ・ボトル”とは別に、新たに発売された2017年の フィンカ・ウォルファー・ロゼ(写真上、上段右)も、 ラベルを読まなくてもウォルファー・エステートのロゼと分る独特のデザインになっているのだった。




ハンプトンズよりもさらにロングアイランドの先端に近い場所にあるモントークは、 昨年レディ・ガガもサマー・ハウスを購入するなど、ここ数年ハンプトンズよりも若くヒップな層が 夏を過ごすことで知られるエリア。
そこに位置するモントーク・ワインカンパニーとフォトグラファーのマイケル・ドゥウェックがパートナーシップで2017年にリリースされたのが ”モントーク・サマー・ロゼ”。マイケル・ドゥウェックは大のワイン好きで知られるフォトグラファー。 色褪せたポラロイド写真をイメージしたラベルはマイケル・ドゥウェック自身のアイデアで、 若い世代へのアピールをコンセプトにしながらもノスタルジーを感じさせるシンプルなもの。 ラベルに書かれている”ディッチ・プレ―ンズ・ビーチ”は彼がこの写真を撮影したロケーション。
モントーク・ワイン・カンパニーがマイケル・ドゥウェックと組んだ理由は、 彼が1975年にモントークにあったアンディ・ウォーホールのサマー・ハウスで行われた パーティーをローリング・ストーン誌のために撮影して有名になったフォトグラファーであるため。
このワインもインスタグラマブルなボトルが話題になって、それまでファッションやデザイン・メディアとは無縁だった モントーク・ワインカンパニーにパブリシティをもたらしているのだった。





でも今のところ2018年に最もバズをクリエイトしているのが、今年ジョン・ボンジョビ(55歳)がリリースしたロゼ・ワイン、 ”ダイヴィング・イントゥ・ハンプトン・ウォーター”。 このロゼは 名前こそはハンプトンであるものの 生産はフランスのラングドックで、ワインメーカーは かつてラグビーのフランス代表選手でもあり、フランスではセレブリティ的存在のワインメーカー、ジェラール・ベルトラン(写真上段右、中央)。
一方のジョン・ボンジョビは、 毎年自分のワインをリリースするほどの ワイン好きで知られるセレブリティ。 これまで彼が手掛けてきたのは もっぱら濃厚なレッド・ワインであったけれど、 ロゼのビジネスは 彼の23歳になる息子で、フットボールの名門 ノートルダム大学でクォーターバックを務めたこともある ジェシー(写真上段右、一番右)のアイデアで、彼が父親をパートナーにスタートしたもの。
合法的にお酒を飲めるようになって2年しか経過していない彼が ジェラール・ベルトランと組めてしまうのは、 ジョン・ボンジョビ自身がワイン愛好家として 長年ベルトラン・ファミリーと付き合ってきたため。 またジョン・ボンジョビ自身もアリーナ・フットボールのチームを買収するなど スポーツ好きであったことから、 親子でジェラール・ベルトランとは 気が合う要素が沢山あったことも伝えられているのだった。
このロゼについては25ドルでジェラール・ベルトランが手掛けたワインが飲めるのに加えて、 ジョン・ボンジョビのネームバリューとそのプロモーションが功を奏して、夏本番を待たずして 完売のストアが相次いでいることが伝えられているのだった。



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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