May Week 4, 2015
” Therapeutic Crafts for Adults ”
大人のためのセラピー・クラフト


昨今のアメリカで、大きく売上げを伸ばしているのが 大人のためのカラーリング・ブック。
カラーリングとは塗り絵のことで、大人用の複雑な模様や、より絵画的なカラーリングの本が 昨今 どんどん出版されているというのだった。 では何故 大人が塗り絵に勤しむのかと言えば、その理由はセラピー効果があるため。

先週のこのコーナーで紹介したアート・イベントでも、来場者が参加するDIY(Do It Yourself)がトレンドになっていることを お伝えしたけれど、ハイテク・ガジェットに囲まれて テクノ・ストレスがつのる現代人にとって、 暫しそんな日常のややこしい問題を忘れて、色を塗ったり、紙を切ったり、貼ったりという作業は、 心に栄養を与えてくれるもの。
加えて、そうしたセラピューティックな時間を持つことによって、逆に仕事の集中力が増したり、 良く眠れるようになったりと、その精神面の効果は意外にも高いという。
中には、クラフトに夢中になって 週末にワークショップに通ったり、 ソーシャル・メディアで その作品を公開するようになる人も多いけれど、 私自身もクラフトが好きなので、そんな状況はとても良く理解できるのだった。






セラピューティック・クラフトに大切なのは、簡単に出来て、その製作工程を理解するのがストレスにならないこと。 したがって製作マニュアルをしっかり読まないと出来ないようなものや、読んでも分からないものはNG。
かく言う私は、写真上、上段のジェムストーン・ソープの製作に興味を示したけれど、 そのマニュアルの複雑な工程を読んで、あっさりギブアップしてしまったのだった。
要するに 頭脳をフル回転させなければならないプロジェクトや、難解な工程を幾つもクリアしなければならないものは、 セラピー効果が乏しいどころか、ストレスの要因。
なので、写真上、下段のように、見ただけで誰にでも簡単に理解出来るプロジェクトが理想的と言えるのだった。

またセラピューティック・クラフトに不向きなもう1つの要素は、力仕事や、扱いが難しい用具の使用が含まれていること。 これらは 考えただけでもストレスになるので、やはりセラピー効果はゼロと言えるのだった。






それ以外に、セラピューティック・クラフトで大切な点はローテクであること。というのはテクノ・ストレスから逃れるのが大切であるため。
そして、製作時間が掛かり過ぎず、比較的直ぐに仕上がって、達成感が得られることも大切なポイント。 製作工程がシンプルな作業の繰り返しであることも重要な要素なのだった。

写真上、上段は ペーパー・プラントとぺーパー・リースであるけれど、 いずれもカラー・ペーパーを葉っぱや花びらの形にカット して、それをどんどんレイヤーにして、植物の形をクリエイトしていくというもの。 出来上がった植物同士の組み合わせを替えたり、デコレートするオブジェを替えることによって、違う作品がクリエイトできるので、 繰り返しリピートして作る人も多いといわれるもの。

写真上、中段、下段は、デコパージュによるホーム・デコ・グッズ。デコパージュとはペーパーやファブリックをグルーで貼り付けて、 コーティングで仕上るクラフト・テクニック、異なる素材のコラージュも楽しめるもの。
写真上のフラワーポット(植木鉢)のように、シンプルなデコパージュであれば、比較的短時間で出来る上に、 仕上がったポットは 家のインテリアのアクセントになるけれど、 このように作品に実用性がある場合、その達成感が高まる分、 セラピー効果がさらに大きくなる利点があるのだった。





私が個人的にトライ してみたら楽しそうだと思うのは、写真上のコンフェッティ(紙吹雪)ボール。
このテクニックも、デコパージュの一部と見なされるようであるけれど、市販のカラフルな紙吹雪を買ってきて、 それを膨らませた風船に何レイヤーもグルーで貼り付け続けて、完全に固まったところで、風船を割って、形を整えて出来上がりというシンプルな行程。 でもグルーが乾くまでには9時間ほどを要するとのことなのだった。

セラピューティック・クラフトは、 前述のように複雑な工程や、力仕事が絡まない限りは、誰もが何かしらのポジティブな体験が出来て、 時に渋々始めた人でも 夢中になってしまう魅力があるもの。
逆に複雑な工程や力仕事が絡む作業といって、私がまず頭に浮かべるのがIKEAの家具の組み立てであるけれど、 これが 多くの人々にとって如何にストレスの原因になっているかは ネット上の書き込みを見るまでも無く、容易に想像が付くこと。
ちなみに そのIKEAには、”The Divorce Maker / ザ・ディヴォース・メーカー(離婚の仕掛け人)”と呼ばれる悪名高き キッチン・キャビネットがあるけれど、 その組み立て説明書は何と32ページ、ネジの数だけでも169個という複雑さ。 これを組み立てていると、どんなカップルでもフラストレーションが溜まって、喧嘩になり、最後には離婚まで考えるという、 夫婦間のストレスの起爆剤のような家具なのだった。


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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