June Week 1, 2013
” Mason Jars ”
” メイソン・ジャー ”



2週間前のこのコーナーで、お伝えしたように 昨今、私が毎日 飲んでいるのがグリーン・スムージー。 そして その結果、愛用にするようになったのが、今回フィーチャーするメイソン・ジャーなのだった。
私だけでなく、スムージーを毎日のように飲む人の間では、メイソン・ジャーを愛用するケースが多いけれど、 理由は作ったスムージーを飲んだり、冷蔵庫で保存するのにメイソン・ジャーほど便利なものは無いため。 スムージーは、ブレンダーで1500〜2000ml分を作って、1日500ml〜1000mlずつ飲むのが一般的で、 最も一般的なメイソン・ジャーの容量は500ml。したがって メイソン・ジャーにスムージーを注ぐだけで、 500mlずつスムージーを分けられるので、あとは蓋を閉めて冷蔵庫に入れるだけ。ジャーは冷蔵庫の扉のポケットにマッチするサイズなのはもちろん、 重ねて収納することも出来るので、場所を取らず 非常に便利なのだった。
加えて、飲む時は ジャーからストレートに味わうだけとあって、 スムージー愛好家にとって メイソン・ジャーは欠かせない ”ライフセイバー” 。

私は、最初のうちは スムージーをグラスで飲んでいたけれど、500mlのキャパシティのグラスというのは意外に少ないもの。 私の手持ちのグラスで 500mlのキャパシティがあったのは、リーデルのワイン・グラスのみ。
そこで、暫くはリーデルのステム無しのワイン・グラスに スムージーを注いで飲んでいたけれど、さすがにリーデルのグラスは ワインを美味しく味わうための超薄いガラス。なのでスムージーを注ぐ度に「水圧でグラスが割れそう・・・」という感じがしていたけれど、 それが実際に起こってしまったのだった。
とは言っても、グラスが割れたのはスムージーの水圧のためではなくて、スムージーにチア・シードを入れてスプーンで かき混ぜていたところ、スプーンがグラスの側面に当たったことから、直径2cmほどの穴が開いてしまい、 当然のことながら その穴からスムージーが 殆どこぼれ出てしまったのだった。
ふと思い出すと、私は以前にも リーデルの空のワイン・グラスに氷を入れて割ってしまったことがあるけれど、 いずれにしても それがきっかけで、私もメイソン・ジャーでスムージーを味わうようになったのだった。








メイソン・ジャーは、フィラデルフィアのブリキ職人、ジョン・ランディス・メイソンが1958年に発明して 特許を取得したもので、 メイソン・ジャーのネーミングは言うまでもなく、彼のラストネームから来ているもの。
現在、アメリカで販売されているメイソン・ジャーのメジャーなブランドは ”Ball / ボール”、もしくは ”Kerr / カー” であるけれど、 これはどちらもニューヨークにあるジャーデン・コーポレーションの傘下ブランド。 でも、お隣カナダでは 同じジャーデン・コーポレーションのもう1つのブランド、”Bernardin / ベルナダン”が一般に流通しているのだった。

前述のように メイソン・ジャーで最も一般的なのは、16オンス(500ml)のものだけれど、サイズは1カップの容量から、1ガロンまであって、 時代によってデザインや規格が異なることから、アンティーク物や、既に生産されていない珍しいサイズやシェイプのジャーを集めるコレクター は非常に多いのだった。

メイソン・ジャーは 分厚い丈夫な ガラス・ボトルなので、かなり乱暴に扱っても割れないだけでなく、オーブンに入れても高温に耐えるため、 底の浅いメイソン・ジャーは 個人サイズのフルーツ・パイやフルーツ・クリスプを焼くためにも使われるもの。
また、カットした野菜をレイヤーに詰めて、ランチ用のサラダとしてオフィスに持っていく人も多いのだった。 その他にも ケーキとクリームをレイヤーに詰めることによって、”ストロベリー・ショートケーキ・ジャー”、”レッド・ヴェルヴェット・ケーキ・ジャー” を作ったり、ブラウニーとヴァニラ・アイスクリーム、キャラメル・ソースをレイヤーにしたパフェなど、 デザートのサーヴィングや持ち歩きにも用いられるのがメイソン・ジャー。
またパーティーのお土産として見られるのが、 ”クッキー・レシピ・ジャー”。メイソン・ジャーにクッキーのドライな材料だけをレイヤーに詰めて、 受取った人が自宅でミルクやバター等を加えるだけで、チョコレート・チップ・クッキーやオートミール&レーズン・クッキーが焼けるように工夫されているのだった。

でも本来のメイソン・ジャーの用途は、英語で言う ”Cannning / キャンニング”。直訳すれば ”缶詰め” にすることだけれど、 実際には”瓶詰め”。すなわちジャムやピックルスなど、フードを常温で保存するためのジャーとして長年、アメリカの家庭で愛用されてきたのがメイソン・ジャー。
かく言う私も、最近はオーガニック・フルーツで砂糖を使わないフルーツ・ソースを作ったり、オニオン・マーマレードを作ったり、 カリフラワーやオクラのピックルスを作ったりしているけれど、正式なキャンニングをするためには ボトル内のバクテリアを取り去るキットや、 ボトルを密封するためのキットが必要。 でも、これをきちんとやって自家製のピックルスやジャムを瓶詰めにすると、1年近く、もしくはそれ以上、常温で保存できるだけでなく、ヘルシーな非常食にも なってくれるのだった。








メイソン・ジャーのフード以外の用途として多いのは、まず花瓶や鉢植えとして使うこと。
メイソン・ジャーに活けるのに適しているのはバラのような華やかな花より、マーガレットなどの カントリー・フラワーや、ポピー、鈴蘭といった華奢なフラワー。 茎の長ささえバランスよくカットすれば、ただジャーに入れただけで 不思議に絵になるのだった。

それと同時に、多い用途は物の収納とキャンドル・ホルダー。
物の収納については、砂糖や小麦粉などの食材入れから、化粧品やペン、手芸道具を収納したり、 コインを入れて貯金箱代わりにするなど、様々なサイズのジャーが様々な物の収納に使われているのだった。
キャンドル・ホルダーの用途については、中に砂や塩を入れてキャンドルを安定させたり、水を入れてキャンドルを浮かせる場合も多いけれど、 メイソン・ジャーでエキゾティックなランタンを作るのも非常に一般的な例。 特にこれからの季節、屋外のバーベキュー・ディナーのテーブル・セッティングに 大活躍してくれるのが メイソン・ジャーのキャンドル・ホルダーやランタンなのだった。








アメリカでは、長きに渡ってメイソン・ジャーを使ったクラフト・ワークが行なわれてきているけれど、 ここ数年は ソーシャル・メディア上で そのアイデアがシェアされていることもあって、 そのクリエイティブさに 益々拍車がかかっているのが実情。
アメリカ人というと、日本人に比べて不器用というイメージがあるけれど、メイソン・ジャーを使った クリエーションを見ていると、そのアイデアや完成度に驚くことは非常に多いのだった。

昨今では、メイソン・ジャーをありとあらゆるところに使った ウェディングなども行なわれていて、 これはテーブル上のキャンドル・ホルダーから、ランタン、花瓶、その他のデコレーションが全てメイソン・ジャーで賄われ、 料理の一部までメイソン・ジャーでサーブされるというもの。
費用が掛らないだけでなく、エコ・コンシャス、しかもアイデアに溢れたメイソン・ジャーの用途が ゲストを楽しませるとあって、かなりの人気を博しているようなのだった。

私もこのコラムのための写真を集めながら、メイソン・ジャーの可能性に驚いてしまったけれど、 今後自分でやってみたいと思ったのは、マットなスプレー・ペイントでメイソン・ジャーに色を付けること。
そんなメイソン・ジャーは500mlのサイズを1ダース買っても15ドル程度のお値段。
このお値段だからこそ メイソン・ジャーは、サラベスのジャムや ファーマーズ・マーケットのオーガニック・サワークラウト等の容器に用いられているけれど、 メイソン・ジャーの便利さに気付いてからというもの、これまで食べ終わったら捨てていたジャーの商品ラベルを剥がして、リサイクルするようになったのだった。 こうすれば フードの代金にジャーのお金が含まれているとは言え、タダ同然。
私の場合、スムージーの容器として使う他は、フレッシュ・ハーブを保存する際に、 ハーブの花瓶代わりに使うケースが最も多いのだった。





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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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