June Week 5, 2012
” No.7 Sub Broccoli ”
” ナンバー・セブン・サブ ブロッコリー ”



6月2週目のこのセクションで 拡張再オープンしたプラザ・フード・ホールを取り上げたけれど、 先日、再びここを訪れた私が 久々に味わったのが No.7 Sub / ナンバー・セブン・サブの ブロッコリー・サンドウィッチ。
ナンバー・セブン・サブは、2010年にスタートしたサンドウィッチ・ショップで、スタート時点ではブルックリンのフォート・グリーンで、 No.7というレストランとして経営されていたとのこと。その後、ミッドタウンのエース・ホテル内にNo.7サブというネーミングでサンドウィッチ・ショップが オープン。次いで、ブルックリンのグリーン・ポイントにもイートイン・スペースがある店舗がオープンし、 この春にはザ・プラザのフード・ホールに新しいスポットが登場したという躍進ぶりなのだった。

私が前回ナンバー・セブン・サブを訪れたのは、エース・ホテル内の店舗。 ここはテイクアウト専門で、イートイン・スペースが無いため、友人と近くのマディソン・スクエア・パークに行って、ピクニック気分で 同店のサンドウィッチを味わったのを憶えているのだった。 この時、友人に薦められるままに、半信半疑でオーダーしたのがブロッコリー・サンドウィッチ。
何故、半信半疑だったかと言えば、私はヴェジタリアン・サンドウィッチには興味が無いためで、 「サンドウィッチを食べるのならば、動物性たんぱく質が挟まっていて欲しい」というのが私の考え。 でもナンバー・セブン・サブはヴェジタリアンが多い ジェネレーションYに人気のサンドウィッチ・ショップという前評判を聞いていたのに加えて、 同サンドウィッチは、ナンバー・セブン・サブで一番人気のメニューとのことなので、 興味半分でオーダーしてみたのだった。




ブロッコリー・サンドウィッチは、厳密に言えばヴェジタリアン・サンドウィッチではなくて、 その中味は、ブロッコリー、ライチのスパイシーなピックルス、パイン・ナッツ(松の実)をローストしたもの、マヨネーズ、シャロットのソテー に加えて、イタリア版のフェタ・チーズとも言える リコッタ・サラタ(よくサラダのトッピングに用いられる、クセの無い 真っ白なチーズ) が挟まっているのだった。
中味の説明を読んだところでは、ちっとも美味しそうに感じられないのがこのサンドウィッチであるけれど、 食べてみると、その美味しさにビックリで、 ブロッコリは歯ごたえを残してローストされているので、何とも言えないコリコリした食感。 ライチは中国製のチリペッパーやごま油、生姜、ガーリック、葱、ヴィネガーなどに漬けて ピックルスにしているため、アジアっぽいスパイシーさで、事前に中味を知らなければ、 ライチだとは思わないで食べてしまいそうな味。
ここに微妙な味わいを加えているのが、香ばしいパインナッツで、マヨネーズは控えめ。 リコッタ・サラタは、ライチとブロッコリの異なる味と食感の繋ぎになる役割を果たしていて、 これが焼きたてのサブマリン・ロールに挟まれて、絶妙のハーモニーを奏でているのだった。

これがあまりに美味しかったので、また食べたいと思いながら、早1年以上。
でもプラザ・フード・ホールの中に、ナンバー・セブン・サブがオープンしてくれたお陰で、 またこれを味わう機会を得たのだった。




ところで、プラザ・フード・ホール内のナンバー・セブン・サブには、 プラザ・エクスクルーシブのサンドウィッチである、「ナンバー・セブン・クラブ」なるものが存在していて、 これは、ターキー、カナディアン・ベーコン、ハラペーニョ・マヨネーズ、BBQポテト・チップス、ピコ・デ・レタスという中味。 肉が挟まっているとあって、こちらの方が私の好みかも・・・と思ったけれど、 カウンターのスタッフに ナンバー・セブン・クラブとブロッコリーとでは どちらが美味しいか?と尋ねたところ、 瞬時に「ブロッコリー」という答えが返ってきたので、やはりブロッコリー・サンドウィッチをオーダーすることにしたのだった。

久々に味わった同サンドウィッチは、以前同様に美味しかったけれど、 裏話を聞けば、当初このサンドウィッチの中味は、サラダとしてデザインされたメニューであったとのこと。 でもそのサラダがあまりに美味しかったために、ロールに挟んでみたら、人気No.1のサンドウィッチになってしまったというのが ブロッコリー・サンドウィッチ誕生の秘話。

ナンバー・セブン・サンドウィッチのメニューは、ブロッコリー・サンドウィッチに限らず、 全てシェフのテイラー・コードによってクリエイトされており、 彼は、ティーンエイジャーの頃から大の料理好き。 でも彼は 特にブロッコリーが好きだったという訳では無くて、ブロッコリーが必ずと言って良いほど 家の冷蔵庫に入っていたため、 ティーンエイジャーの頃から 頻繁に夜食として ブロッコリーのサンドウィッチを作っていたという。
なので、彼がナンバー・セブン・サブをオープンするにあたって、ブロッコリーのサンドウィッチをメニューに加えるようとは考えてはいたものの、 まさかサラダとしてクリエイトしたブロッコリーが人気No.1のサンドウィッチになるとは思って居なかったとのことなのだった。






ナンバー・セブン・サブは、ロケーションによってメニューが若干異なっていて、このブロッコリー・サンドウィッチが味わえるのは、 プラザとエース・ホテル内の店舗のみ。 ブルックリンのグリーン・ポイントの店舗では少なくとも現時点では、ブロッコリーがメニューに加わっていないのだった。
とは言っても、頻繁にマイナー・チェンジが見られるがナンバー・セブン・サブのメニューで、 私は、写真上のゴマをまぶしてフライにした半熟卵とカナディアン・ベーコンのソテーを挟んだサンドウィッチが食べてみたかったけれど、 これは期間限定の特別メニューだったようで、残念ながら味わえず終いなのだった。

材料が分かっているなら、サンドウィッチくらい自分で作れる・・・と思う人も居るかもしれないけれど、 ちょっとしたトリックで他には出せない味をクリエイトしているのが、同店のサンドウィッチ。 もちろんサンドウィッチの中味も豆腐を用いたり、バクチョイやカリフラワーを用いたり、非常にユニークであるけれど、 それを非常に美味しく仕上げる フルーツのピックルスや、自家製マヨネーズなどの 隠し味が魅力になっているのがナンバー・セブン・サブ。

これまでニューヨークの有名なサンドウィッチといえば、カッツ・デリのコーンド・ビーフやパストラミ・サンドウィッチのように、 薄いパンにこれでもか!で、ミートが積み上げられていて、それをマスタードのみをつけて味わうようなものや、 数年前にブームになったキューバン・サンドウィッチ、ヴェトナミーズ・サンドウィッチのように、各国の料理やカルチャーを反映したものが 多かったけれど、そんな中にあってナンバー・セブン・サブは極めてユニークな存在。
お値段は、ブロッコリー・サンドウィッチを始めとして、その殆どが約10ドル。 でもボリュームがあるのに加えて、細かいところに手が掛っているので、このお値段は適正価格と言えると思うのだった。


No.7 Sub at The Plaza Food Hall
5th Ave & Central Park South New York, NY 10019

No.7 Sub at Ace Hotel
1188 Broadway at 29th St. New York, NY 10001






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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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