July Week 1, 2012
” Faux Florals From Horchow ”
” フォー・フローラル・フロム・ホーショー ”



世の中には、使っている電器機器が壊れやすい人というのが存在するというけれど、 私はまさにそのタイプ。
特定のブランドを使わないと、直ぐに壊れたり、動かなくなってしまうので、TVやコンピューターはソニーしか買わないし、 プリンターはヒューレット・パッカード。キッチン・ガジェットはクイジナートと決めているのだった。

また世の中には、生きた植物と共存できない人というのも存在しているそうだけれど、 私はそれにも当てはまるのだった。
ニューヨークに来て最初に購入した鉢植えは、元気が無くなって来たので、心配して水を与え過ぎたら、 鉢植えを入れていたバスケットから虫が湧いて来て、鉢植えもどんどん衰えていく一方なので、 バスケットごと捨ててしまったのだった。
以来、メンテナンスが簡単と言われる鉢植えを2回ほど買ったけれど、直ぐに捨てる羽目になってしまい、 次に私がトライしたのは蘭の鉢植え。 既に花が咲き始めた小さな蘭の鉢を購入して、育てようとしたけれど、 最後のつぼみの2つが開く前に枯れてしまったのには 本当に落ち込んでしまったのだった。

でも私は蘭の花が大好きなので、アパートを引っ越した際に友達がプレゼントしてくれた、ハウス・ウォーミング・ギフトの 蘭の鉢も含めて、過去に4回も蘭を育てようと努力して、全て失敗に終わっているのだった。
一番最後にトライした際には、鉢植えを近所のフローリストに持って行って、植え替えもきちんとして、 何度もコンディションをチェックしてもらい、肥料から 水の量まで、専門家のアドバイス通りにしたけれど、 結局、蘭は半死半生の状態になってしまったのだった。
そこで、フラストレーションが溜まった私は、 フローリストに蘭の鉢を持って行って、何が悪いのかを尋ねたところ、 そのフローリストの男性は下らない世間話ばかりして、蘭を構ってくれる気配は全く無し。 「仕事に戻らなければならないから・・・」といって、彼を急かそうとしたところ、 「それが君の問題だ。君には蘭を育てる時間が無いから、欄が育たないんだ」と 言われてしまったのだった。
当時の私は納得するよりも、そういわれたのが何となく悔しくて、必死にその蘭の鉢を甦らせようとしたけれど、 やはりその努力も無駄に終わって、その時に 自分がいかに植物と相性が悪いかを完全に悟ることになったのだった。





そもそも、私はカットフラワーを買ってきても、一週間持つことなどまず無いタイプ。 水を替える度に、水切りをして、ちゃんとメンテナンスをしても、2日、3日程度で 花がしなびたようになってしまうのは珍しくないこと。 なので、花が長持ちすると宝くじに当たったような気分だったけれど、花がしおれてしまうと、何となく気分も しおれてしまう思いを味わうことになったのだった。
私がそうまでして、花や鉢植えと格闘していたのは、風水の影響もあって、風水では植物を置いてそのエリアのパワーを高めるのは よく用いられるテクニック。 実際に部屋の中に花があるというのは、きれいに咲いていてくれるうちは、眺めていてとても気分が良いもの。 なので一時は、すぐに枯れてしまうケースが多くても、花を部屋に飾り続けた時期があったけれど、 さほど高い花を買っていなくても、結構な出費になることに気付いたのだった。

そこで私が買ってみることにしたのが、ホーショー・コレクションのフォー・フローラル。
ホーショーは、ニーマン・マーカスの通販部門が経営するインテリア・デコレーションの専門のカタログ&ウェブサイトで、 他では見つからない珍しいスタイルのファニチャーや、エキゾティックなインテリア・グッズが探せることで知られるのだった。
またホーショーは、本物と見紛うようなフォー・フローラル、すなわちシルク・フラワーのフローラル・デコレーションが見つかることでも知られていて、 シルク・フラワーの著名デザイナーのコレクションを豊富に取り扱っているのだった。
ホーショーのフローラル・デコレーションが本物に見えてしまうのは、フラワーにリアリティがあるだけでなく、 花瓶に水が入っているような細工が施されていることで、しかも、非常に趣味が良いアレンジがされているので、 部屋のインテリアをグレードアップしてくれるのだった。





私が最初に購入したのは、玄関エリアに置くフローラル・デコレーションだったけれど、 それが気に入って、リヴィングに3つ、ベッドルームに1つ合計5つのフォー・フローラルを、 ホーショーから購入したのだった。その内訳は、アマリリスの鉢植えが2つ、バラのアレンジが1つ、バラとアジサイのアレンジが1つ、 そしてピオニーのアレンジが1つで、ずっと部屋に置いて眺めるだけに、自分の好きな花とカラーを選んだのだった。
フォー・フローラルのお値段は 250〜350ドルと、決して手ごろとは言えないお値段。 でもフレッシュ・フラワーを買い続けことを思ったら、直ぐにもとが取れる上に、 花が枯れてしまって 気分がしおれてしまうことも無いし、 何と言っても、水の取替えや水切りといったメンテナンスが要らないので、 時間を全く取られずに、フラワー・デコレーションを楽しめるのは大きな利点。

既に購入して8年近く経過するフォー・フローラルもあるけれど、シルク・フラワーは変色や色落ちすることは全くなく、 購入時のクォリティを保っているのだった。
これが、安いフェイク・フラワーだと、埃が溜まって直ぐに汚れてしまったり、 色が褪せてきて、だんだん見苦しくなってくるもの。
私はバスルームにもフローラル・デコレーションを置いているけれど、 バスルームのフラワーはそんなにお金をかける必要が無いと判断して、他から購入したところ、 既に3回も買い換えていて、それを思ったらホーショーのフォー・フラワーの方が、長期展望で比較した場合、ベター・ヴァリューと言えるのだった。

ホーショーのフォー・フラワーの唯一の問題と言えるのは、住宅のサイズが大きいアメリカ用に出来ていて、 小さいサイズのフラワー・アレンジが見つからないこと。 写真では、さほど大きく見えないフラワー・デコレーションでも、巨大な箱に入って届けられて、 中を明けてみたら、予想していたサイズよりも30〜50%程度大きかったというのは、私が購入の度に経験してきたこと。
したがって、サイズを念入にチェックして、頭に思い描くだけでなく、実際にスリー・ディメンションの立体として、置こうと思っているスペースに 収まるかをチェックする必要があるのだった。
中には高さ1メートルのアレンジもあるし、ホーショーの写真ではテーブルの上にさりげなく収まっているフラワーが、 高さにして60〜70cmの物体であるともしばしば。 でも、フラワーの茎の針金を折り曲げることによって、フラワー・デコレーションを一回り小さく見せることは可能なので、 私は、そうやって置く場所のサイズに合わせて 自分でアレンジして飾っているのだった。

ところで、私の友人の離婚した母親は、パーク・アベニューのテラス付きの広いアパートに暮らしていて、 以前、インテリア誌が内装を手掛けたデザイナーの特集をするために、撮影に来たことがあると話していたけれど、 その際に、アパートの全室に飾ったフラワー・アレンジの総額は何と2000ドル(約16万円)以上。
その友人の母親は、毎月のフラワー・アレンジメントと、テラスの植え込みの手入れのために フローリスト兼ガーデナーを 雇っているそうで、こうしたリッチ・ピープルの私邸のフローリストの仕事を何軒も手掛けると、 フローリストという、あまり大金に縁が無さそうな仕事でも、ミリオネアになれてしまうケースもあるのだった。
こうしたリッチ・ピープルは自宅でパーティーをすることも多く、パーティーのテーマに合わせた花をアレンジしたり、 庭やテラスにイルミネーションやランタンを飾るようなデコレーションでも、結構な収入が得られるとのこと。

前述のように花や植物は、風水のパワーを高めるといわれるだけに、こうしたリッチ・ピープルが 常に美しいフラワー・アレンジで部屋をデコレートして、益々リッチになってしまうのは、 現在のアメリカの経済の状態を反映していると言えるけれど、 風水の世界では、今回紹介したフォー・フローラルのような、シルク・フラワーも 生花と同じようにパワーがあると見なされるもの。
大切なのはそのフラワーがフェイクでもリアルでも、眺めて心地好く感じられることだそうで、 その意味でも、ホーショーのフォー・フローラルは 私にとって生花に全く劣らない魅力があると言えるのだった。





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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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