July Week 1, 2016
”Bacon Cheddar Shack Burger”
ベーコン・チェダー・シャック・バーガー


マクドナルドやバーガー・キングといったファスト・フードの大手のバーガーを20年近く食べていない私が、 1年に1度は食べるのがシェイク・シャックのシャック・バーガー。
その理由は味が美味しいこともあるけれど、バーガーのパティを老舗ブッチャーのパット・ルフリータが担当しているため。 日頃は挽肉を買わない、食べない私でも 信頼して味わうのがシェイク・シャックのバーガー。 シェイク・シャックの挽肉のブレンドで一躍評価を高めたパット・ルフリータは、今やニューヨークでハンバーガーが評判のレストランのパティを ほぼ100%手掛けていて、パティだけで1日8万食以上を卸売りするメガ・ビジネスに成長。 昨今ではシティ・フィールドやペン・ステーションのフード・コート、”ペンジー”に肉料理のキオスクを出店するサクセスぶりを見せているのだった、

話をシェイク・シャックに戻すと、同店のメニューに6月3日から加わったのが ここにご紹介するベーコン・チェダー・シャック・バーガー。
そのネーミングの通り、オール・ナチュラルのベーコンとエイジド・チェダー・チーズを溶かしたソースを挟んだ クラシックなチーズ・バーガー。 もっと詳しく説明すると、ニーマン・ランチから取り寄せたダブル・スモーク・ベーコンと、3年エイジングをさせたウィスコンシン・チェダーとアメリカン・チーズのブレンドを 溶かしたソースがアンガス・ビーフのパティと共にバンズに挟まれたもので、お値段は6ドル89セント。
シャック・バーガーのようにトマトやレタスが挟まっていない分、やや甘いバンズを用いて味のコントラストを演出したもので、 シンプルに美味しいと言えるバーガーなのだった。




このベーコン・チェダー・シャック・バーガーは、シェイク・シャックが今年に入ってからメニューに加えた2つ目のバーガーで、 1つ目は、昨年5月にブルックリンのシェイクシャックのみで発売されたチキン・シャック(写真上右)。 昨年からニューヨークは ちょっとしたチキン・サンドウィッチ・ブームになっており、 そのブームの一端を担っていたのがこのチキン・シャック。
それが全米のシェイク・シャックのメニューのレギュラーに加わったのは今年1月のこと。

実はその背景には、シェイク・シャックが 昨年マンハッタンにオープンした チキン・サンドウィッチ専門のファスト・フード・チェーン、 ”Chick-fil-A / チックフィレ”に人気を奪われているという状況があって、現在マンハッタンに2軒出店しているチックフィレは、 今やシェイク・シャックを凌ぐ大人気ぶり。 このチェーンのオーナーは、人種差別主義者な上に LGBTも嫌う熱烈な共和党支持者で、 ニューヨーカーが最も嫌うビジネス・オーナーの1人。 にもかかわらず、「ニューヨーカーが行列せずにはいられないほど 美味しい」とのことで、 それ以外にも、モモフク系列の”Fuku / フク”のチキン・サンドが人気を博しているだけに、 シェイク・シャックは チキン・サンドの分野では やや苦戦を強いられている状況なのだった。



ところで、シェイク・シャックのファンの多くが ベーコン・チェダー・シャック・バーガーを味わって 思い出したのが、 2014年に行われた シェイクシャック10周年のイベント、”デケード・オブ・シャック”の ブレスリン・バーガー。(写真上)
このイベントは、月曜から金曜までの5日間、5人の著名シェフが それぞれシェイク・シャックのためにクリエイトした スペシャル・バーガーを 日替わりで、1日1000個限定販売する企画。 これには ミシュランで3つ星を獲得するフレンチ・レストラン、”ダニエル”を経営する ダニエル・ブリューや、 同じくミシュラン3つ星、NYタイムズで4つ星を獲得している”イレブン・マディソン・パーク”のセレブ・シェフ、ダニエル・ハム、 ”モモフク・コー”でミシュラン2つ星を獲得しているデヴィッド・チャンらが参加していたけれど、 中でも人気が高かったのが、”スポッテッド・ピッグ”、”ブレスリン”の2軒で それぞれミシュラン1つ星を獲得している エイプリル・ブルームフィールドの ”ザ・ブレスリン・バーガー”。
イベントの最終日に販売されたこのバーガーは、ブレスリン・ビーフ・ブレンドのパティに、アップルウッド・スモーク・ベーコンをふんだんに乗せて、 ティックラー・チェダー・チーズをメルトさせたもの。
ベーコン・チェダー・シャック・バーガーは、まさにこのブレスリン・バーガーの”再来”、もしくは”焼き直し”と言えるけれど、 昨今GMO(遺伝子組み換え)を心配してトマトを食べなくなった私としては、トマト無しのこのバーガーは嬉しいメニュー。
色彩的には、トマト&レタス、黄色いアメリカン・チーズが挟まったシャック・バーガーの方が食欲をそそるけれど、 これからはベーコン・チェダー・シャック派に切り替えようと思っているのだった。


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。



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