July Week 3, 2014
” Blue Hill Yogurt ”
” ブルーヒル・ヨーグルト ”


私は仕事柄、変わった食べ物が売り出されると直ぐにトライするようにしているけれど、 先週から今週に掛けて、ほぼ毎日のように食べていたのが、ここにご紹介するブルーヒル・ヨーグルト。
ブルー・ヒルとは、ニューヨーク郊外のウエスト・チェスター郡、ストーン・バーンズにあるレストラン。 自家農園で栽培した、オーガニックの新鮮な野菜を使ったキュジーヌで知られる同店は、 郊外のレストランにも関わらず、常に予約で一杯の大人気ぶり。
往々にして同店の予約が取れない人、わざわざウエスト・チェスターまで足を運んでいる時間が無い人が訪れるのが、 ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジある ブルーヒルの支店レストランなのだった。

今や、ニューヨーク市内の多くのレストランが、地元のオーガニック農園と契約して、 新鮮な野菜を用いたメニューを売りにするようになってきたけれど、 ブルー・ヒルは それをオープン以来 実践している 先駆け的存在。
同レストランのシェフであり、オーナーでもあるダン・バーバーは、素材への厳しいこだわりで知られているだけに、 ブルーヒルが野菜フレーバーのヨーグルトを発売したというニュースを聞いた私は、 早速 興味津々でトライすることにしたのだった。





ブルーヒル・ヨーグルトのフレーバーは、スウィート・ポテト、トマト、パースニップ(蕪)、キャロット、ビーツ、そして バターナッツ・スクワッシュの6種類。
このうち私がトライしたのは、写真一番上で撮影されている通りのスウィート・ポテト、キャロット、ビーツ、バターナッツ・スクワッシュの4つ。 実は最も興味があったのがトマトのフレーバーであったけれど、取扱店を4軒回っても、 トマトとパースニップはどうしても見つからなかったのだった。

ヨーグルト自体は、ブルーヒル・ファームのグラスフェッド、すなわち牧草を与えられて育った牛のミルクを用いて作られたオールナチュラル。 牛が牧草を食べて育つというのは、 一昔前までは当たり前のコンセプトであったけれど、今ではとうもろこしを餌にするコーンフェッドが殆ど。
これは 牛をより早く太らせて、食肉が沢山取れる大きな身体に育てる目的に加えて、とうもろこしが 牧草より安いというメリットもあるけれど、 さらに安価な食肉業者は、牛が劣悪なコンディションの飼育でも病気にならないようにと その餌に抗生物質をたっぷり混ぜるので、 その肉を食べ続けたり、その牛のミルクを飲み続けた人間に 抗生物質が効かなくなった という問題は、もう何年も前から指摘されているもの。
また牛は、本来 コーンを食べるようには生まれついていないので、コーンを餌に育てられた牛は、どうしてもヘルシーに育たないのは自然の成り行き。 したがって、食肉もミルクやヨーグルトも ”グラスフェッド”というのは、非常に大切なコンセプトになっているのだった。

そのナチュラルなヨーグルトにミックスされたフレーバーは、前述のようにトマト、スウィート・ポテト、キャロット、ビーツなど、 いずれも野菜本来に甘味があるラインナップ。 なので、ヨーグルトも当然甘いのかと思ってトライした私は、一口食べた途端に頭に描いていた味とあまりに違うのでギョッとしてしまったのだった。
よくよく調べてみると、ブルーヒル・ヨーグルトは「The First Savory Yogurts / ザ・ファースト・セイヴォリー・ヨーグルト」として 売り出されたもの。セイヴォリーとは、塩味が効いた料理のことで、”セイヴォリー・ディッシュ”と言えば、通常アペタイザーやメイン・コースなどを意味し、 デザート以外の料理を指す言葉。 したがって、通常のヨーグルトがクッキーだとしたら、ブルーヒル・ヨーグルトはソルト・クラッカーのような存在。
ふと考えてみると、確かに”セイヴォリー・ヨーグルト” というものは、数え切れないほどのブランドやフレーバーが並ぶ ヨーグルトのセクションに、これまで全く見当たらなかったカテゴリーなのだった。





私が最初にトライしたブルーヒル・ヨーグルトのフレーバーは、バターナッツ・スクワッシュであったけれど、これを一口食べた私の正直な印象は、 以前自分で作って失敗したパンプキン&ヨーグルト・ディップに似ているというもの。
そもそもバターナッツ・スクワッシュの味は、パンプキンに通じるものがあるけれど、 どうしてその時に作ったディップが失敗だったかと言えば、何かをディップして食べるには あまりに味にインパクトが無かったため。
でも、”セイヴォリー・ヨーグルト”というコンセプトを頭が理解してきた途端に、だんだんと意味を成すようになってきたのが このブルーヒル・ヨーグルトのテイスト。 甘さよりも、控えめな塩味で野菜の風味を引き出し、ヨーグルト特有の酸味を抑えた味わいは、 ヨーグルトで薄めた野菜のテリーヌのようでもあり、 違う野菜のフレーバーをトライする度に、「これまで食べた事が無いヨーグルト!」 という思いを味わうエンターテイメント性も 大きな魅力になっていたのだった。

そんな ブルーヒル・ヨーグルトの最大の問題点は、ヨーグルトとしてはお値段が高すぎること。 ストアによって、取り扱い価格もまちまちで、最も高額で売られていたのは ソーホーのディーン&デルカ。お値段は4ドル25セント。 それ以外のストアでは 3ドル99セントで売られているケースが殆どであったけれど、唯一、グランド・セントラル駅内のマレー・チーズだけは 2ドル99セントで販売していたのだった。

カロリーは、100〜120カロリーで、さすがに甘くないヨーグルトとして売り出されているだけあって 砂糖の量は8〜10グラムで、フルーツ入りのヨーグルトの半分程度。 その代わり 多いのが塩分で、通常のヨーグルトの塩分が100mg前後なのに対して、ブルーヒル・ヨーグルトの塩分の量は、 その2倍以上である250〜280mgになっているのだった。




ブルーヒル・ヨーグルトはそのまま食べるだけでなく、グルメ・フードやスムージーを作るためにもデザインされているプロダクト。
ブルーヒル・ヨーグルトのウェブサイトでは、そんなレシピの数々が 作り方のデモンストレーション・ビデオと共に公開されているけれど、 そのラインナップは、トマト・ヨーグルトを用いたサラダやスープ、バターナッツ・スクワッシュ・ヨーグルトを用いた パンナコッタ、キャロット・ヨーグルトを使ったマフィンやコールスロー、そしてスウィート・ポテト・ヨーグルトを使ったチーズケーキに加えて、 ビーツ・ヨーグルトのスムージーやビーツ・サラダ、パースニップ・ヨーグルトのディップなど、 簡単でヘルシー、かつグルメなレシピが並んでいるのだった。

今のところ私は、手の込んだことは全くせずに、キュウリやセロリなどをディップするか、そのまま食べるケースが殆どであるけれど、 ドレッシングについては もう直ぐ試そうと思っているレシピ。 特に私はロースト・ビーツ・サラダが 得意のサラダ・レパートリーの1つなので、ビーツ・ヨーグルトを使って そのクリーミー・バージョンを作るのを今から楽しみにしている状態。
もちろんヨーグルトを料理に使うというのは、全く新しいアイデアではないけれど、 ブルーヒル・ヨーグルトの場合、既に野菜のヨーグルト・ソースのように仕上られているだけに、 普通のヨーグルトよりずっと簡単に料理に使えるという魅力があるのだった。

Website: http://bluehillyogurt.com




執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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