July Week 5, 2015
” Adidas Stan Smith ”
ファッショニスタの ”It”スニーカー、アディダス・スタン・スミス


既にファッションの世界では、2016年春のコレクション・シーズンを迎えているけれど、 昨今デイタイムにはヒールを履かなくなってきたファッション・ブロガーやファッショニスタの間で、 ”It”シューズになっているのがホワイト・スニーカー。
アウトフィットはダークなカラーを着用しても、足元は真っ白なスニーカーというスタイルは、 故イブ・サンローランがタキシードに真っ白なスニーカーをコーディネートして以来、 ファッション界でシックなスタイルになったと言われるけれど、 ファッショニスタに人気のホワイト・スニーカーの中でも 群を抜いて支持を集めているのが、アディダスのスタン・スミスなのだった。

スタン・スミスは1973年に発売されたスニーカー、というよりテニス・シューズで、 史上最高の売上げを誇るテニス・シューズの1足。
アディダスに自らの名前のついたシューズを作らせた アメリカ人テニス・プレーヤー、スタン・スミスは現在68歳。USオープンとウィンブルドンを制したこともある 70年代のワールド・ランキングNo.1プレーヤー。
発売と当時に大ヒットとなったアディダスのスタン・スミスは、 70年代にはデヴィッド・ボウイやジョン・レノンといったセレブリティが愛用することで知られていたのだった。






そのスタン・スミスは、発売から約40年後の 2012年に一度は生産が中止されたモデル。
ところが、その途端に以前のモデルがEベイなどで高額で取引されるようになり、 ファッション業界を中心にラブ・コールが高まった結果、2014年1月に再発売の運びとなったシューズ。
アディダス側も、ファッション業界におけるスタン・スミスのニーズを熟知していただけに、 再発売に際しては、リミテッド・エディションのスタン・スミスを ファッション業界の重鎮やモデル達に配り、 そのブームを大きく煽ったのは有名なマーケティング裏話。
とは言っても、そんな無料のエディションを配布しなくても ファッション関係者の間では、 カルト・ステータスを獲得していたのがスタン・スミス。 マーク・ジェイコブスは、2004年のファッション・ショーのエンディングや、2006年のTV出演の際に スタン・スミスを着用。現在セリーヌのデザイナーを務めるフィービー・フィロも、 2010年(写真上、上段、一番左)と2014年のランウェイ・ショーのエンディングでやはりスタン・スミスを履いて登場しているけれど、 この2010年のフィービー・フィロのスタイルは、多くのファッション関係者にとって スタン・スミスを履くコーディネートの基本であり、お手本になっているのだった。




2014年のシューズ・オブ・ジ・イヤーにに選ばれた スタン・スミスには100種類以上のリミテッド・エディションが存在するけれど、 最も高額なのは、現在クリスチャン・ディオールのデザイナーを務める、ラフ・シモンズが手がけた リミテッド・エディションで、メンズ・スニーカーが課税前で455ドル、ウーマンズが350ドルという高額ぶり。
その他、バーニーズ・ニューヨークや、パリのコレットなどがそれぞれにリミテッド・エディションを手がけたり、 アディダスのブランド・アンバサダーである、ファーレル・ウィリアムスやリタ・オラなども リミテッド・エディションを市場に送り出しているのだった。

でもファッション業界で最も大きな支持を得ていると同時に、セレブリティが最も着用しているのが オリジナルの真っ白なレザー・スニーカーに、グリーンのヒールパッチと、タンの部分にグリーンのロゴをフィーチャーしたスタイルで、 そのお値段は75ドル。
ケイト・モス、カニエ・ウエスト、デヴィッド・ベッカム、ケイティ・ホルムズ、ファーギー、ジェームス・フランコ、 ケンドール・ジェナ、ジジ・ハジッド、ジェイZ、グウェン・ステファニ等、 数え切れないほどのセレブリティが愛用するスタン・スミスは、 シンプルなフォルムで、タイムレスかつプレッピーなスタイル。 様々なアウトフィットにコーディネート出来ると評判で、 時代を超えた大人気も納得の、不思議な魅力があるシューズなのだった。




アディダスのウェブサイトでは、スタン・スミスを100ドルでカスタムオーダーすることが出来るようになっていて、 現時点で私がオーダーを考えているのが、このページのトップの写真のヒール・パッチをゴールドにしたスタイル。 未だオーダーをしていない理由は、タンの部分のロゴをグリーンにして、いかにもスタン・スミスという感じにするか、 それともロゴをホワイトにして目立たせないようにするかで悩んでいるためなのだった。
ちなみに、どうしてヒールパッチをゴールドにしたかと言えば、実は同シューズを 幸運を呼び込むためのラッキー・チャームとしてオーダーするため。
アディダスのサイトでカスタムメイドにすると、インナーソール(内底)にフィーチャーする文字を20字以内で指定することが出来るけれど、 そこに願い事やスローガンをフィーチャーすると、それを呼び込めると言われているのだった。 私の友人は、「Believe Be Strong (信じること、強くなること)」とか、 「Billion Dollar IPO(10億ドルの株式公開)」といった文字を入れていて、 ここに何の指定もしなければ、"adidas" のロゴが入ったインナーソールで仕上がってくるのだった。
靴底の文字で本当に幸せが呼び込めるかどうかは定かではないけれど、 ちょうどこれからの季節に着用する 真っ白いレザー・スニーカーが欲しかったところので、 私には願ったり叶ったりなのだった。

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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