Aug. Week 1, 2013
” Counterclockwise ”
” カウンタークロックワイズ ”



” Counterclockwise / カウンタークロックワイズ ” は、オレゴン州在住の女性ジャーナリスト、ローレン・ケスラー著の 極めてユニークなアンチエイジング・ブック。
タイトルの ” カウンタークロックワイズ ” とは「時計と反対回り」と言う意味で、同じタイトルのアンチ・エイジング・ブックは 他にも数冊存在しているけれど、同書はアンチ・エイジングのレクチャー本ではなく、 世の中に溢れるアンチ・エイジングのセオリーやサイエンスの最先端を 著者がリサーチし、それを自らを実験台に検証した体験談を 1冊に纏めたものなのだった。

ローレン・ケスラーは、同書の中で自らの年齢をあえて明かしていないけれど、 同書のプロローグは 彼女が 政府機関以外に対しては、自分の本当の年齢を 明かさないポリシーにしているという説明から始まっているのだった。
というのは 彼女曰く、 世の中の規制概念で ”オールド” と言えば 病気がち、セックスレス、退屈、弱々しい というイメージ。 これに対して ”ヤング” と言えば ヘルシー、セクシー、クリエイティブ、冒険的 というもの。 したがって、彼女は ”オールド”より ”ヤング” のカテゴリーに属したいという気持から 年齢を明かさないようにしているとのことだけれど、 彼女が意味する ”若さ” は 25歳の男性とデートをする とか、 ヒップスターのように装ってクラビングをしようというものではないのは 言うまでもないこと。
彼女が 追求する ”若さ” とは、年齢を重ねても ”オールド”というネガティブ・イメージに捉われることなく、 身体の内側も外側も若々しく、ポジティブでありたいというものなのだった。




そのために、ローレン・ケスラーはまずラスヴェガスで行なわれた ”アンチ・エイジング”のビジネス・コンベンションに出かけて、 その世界の最先端をリサーチするところから始まり、 そこで得た知識や 自らのリサーチを駆使して、ありとあらゆる分野から アンチ・エイジングに対して 取り組むという極めてユニークな ” カウンタークロックワイズ ”プロジェクトに 取り組んでいるのだった。

かく言う私も アンチ・エイジングというと、 様々なプロダクトやダイエットに 直ぐに飛びついてしまうタイプであるけれど、 ローレン・ケスラーが行なったプロジェクトは、そんな私の取り組みなど 足元にも及ばないような 深く広範囲に至るもの。
自分の肉体年齢をチェックするために、テオメアの長さ(DNAを保護するキャップで老化と共に短くなるもの)や筋肉、 血管の検査、心拍数のリカバリー・データを きちんとした専門医療機関から入手し、 その中には自費で行なうと数十万円の費用が掛るようなテストが含まれているのだった。 でもメジャーなメディアに多数執筆するジャーナリストである彼女は、それを著書のリサーチということで、無料で行なってもらっている上に、 各分野の最先端の研究を行なう人々に 直接インタビューをして情報を得ているのはとてもラッキーな部分。
そして、彼女はダイエットからエクササイズ、レーザー・トリートメントから催眠術による精神的な若返りまで、 本当に多岐に渡るアンチ・エイジングに自ら トライしているけれど、 楽で 手っ取り早い方法を模索しようとする度に、その副作用や問題点を発見して、 「若さは決して楽をしていては手に入らないこと」を繰り返し 悟らされる結果になっているのだった。





ローレン・ケスラーがリサーチを通じて学んだことの一部をピックアップしてみると 以下のようなもの。






同書の中でローレン・ケスラーは、どんなに若返りの努力をしていても76歳で他界する人が居る一方で、 全く体調に気を配らなくても、「自分は長生きだ」と信じて 90歳近くまで生きた彼女の父親を例に挙げて、 長生きには「長生きをしよう」という気持ちが少なからず影響することを述べているけれど、 これは私が以前メディアで読んで、自分に言い聞かせてきたことと全く同じ。
その内容は、ある調査機関が100歳以上まで生きている人々の食事やライフスタイル、 長生きの秘訣を聞き取り調査してデータに纏めたところ、運動をしている人も居れば、していない人も居て、 喫煙者も居れば、ヴェジタリアンや肉食も居て、ライフスタイルや食生活については皆バラバラ。 でもたった1つ共通していたのが、全員が若い頃から「自分は長生きする」と決めていたということなのだった。

私も、何度もコラムの中に書いているように125歳以上まで五体五感満足に長生きすることを 人生の目標に掲げているけれど、昨今感じるのは 自分1人でこのプロジェクトに取り組むよりも 仲間が居てくれた方が 長生きが楽しめるということ。 なので、仲の良い友達を中心に 「最低でも100歳以上生きる」ように ”勧誘”しているけれど、 ローレン・ケスラーの本を読んでから 若い世代とのコネクションや、一緒に長生きしてくれる友達の存在が、 自分の長生きに如何に大切かを益々痛感するようになったのだった。

日本の沖縄と並んで 長寿で知られるアブハジア共和国の言語には、 「年寄り」という言葉が無いとのことで、その代わりに「長生き」という言葉を使うそうであるけれど、 長く生きていることが意味するのは、経験の豊富さや、長く生きながらえる丈夫さ。 そんなエイジングをネガティブ扱いしないカルチャーの中で、若さに引け目を感じない心理が根付いていることも アブハジアが長寿国である要因の1つ。
それに代表される ”精神面の若さを保つ” ということは、 食生活やエクササイズ同様に、長生きのために とても大切だと思うのだった。





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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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