Aug Week 1, 2014
” Gotham Archery ”
” ゴサム・アーチェリー ”


かつて ”I don't do borough (マンハッタン外には出ないことを意味する スラング的言い回し)”と言っていた私が、 昨今、足を伸ばすようになったのがブルックリン。
でも出かけるようになったのは、もっぱら仕事関連の用事のためで、 今も 日本からやって来る旅行者のようにエキサイトして出かける訳ではないのが 私にとってのブルックリン。 というのは、当たり前と言えば 当たり前であるけれど、 マンハッタンに比べて交通の便が悪く、 道と方角が分かり難いので、方向感覚が良いことを自負している私でさえ迷うのがブルックリン。 なので出掛けて 戻ってくるだけで、物凄く時間が掛かってしまうのだった。
加えて、マンハッタンに比べると 高層ビルが劇的に少ないので、特に今の季節は、歩いているだけで とにかく陽に焼けるのがブルックリン。 さらに、週末でも 誰も人が歩いていない道が多いため、マンハッタンの人がひしめく状況に慣れていると、時折 心配になるのが 「ここで何かが起こったら、一体誰が助けてくれるんだろう?」ということ。
でも昨今のブルックリンには、 優秀なベーカリーや、セレブリティも通うレストラン等が どんどん登場しているだけに、 一度出かけたら、出来るだけ そういったホット・スポットをチェックするように心掛けているのだった。

そんな私が、今週、ブルックリンでの用事を済ませてから出かけたのがゴサム・アーチェリー。 集中力散漫な私は、「集中力をアップさせるスポーツ」と言われるアーチェリーには 以前から興味があったけれど、 そのアーチェリーが気軽にトライできるスポットとして、ブルックリンに新たにオープンしたのがここにご紹介するゴサム・アーチェリー。
ゴサム・アーチェリーは、以前このコラムで取り上げた アーティストのべス・カトルマンに教えてもらった お気に入りのベーカリー、ビアン・キュイから数ブロックのところに位置していたので、早速出かけてみたけれど、同スポットのロケーションは 例によって 人が全く歩いていない 倉庫街のようなエリア(写真下、上段左)。
本当にこんなところに アーチェリー・クラブがあるのだろうか?と半信半疑で歩いているうちに 見つけはしたものの、 私が訪れた時は、通常天気が良い日はオープンにしているシャッター(写真下、上段右)が閉まっていたので、一度は気づかずに通り過ぎてしまったのだった。





アーチェリーは、映画「ハンガー・ゲームス」やディズニーのアニメ映画「ブレイブ」などの影響で、 昨今、若年層と女性のプレーヤーを増やしているスポーツ。
汗をかくような激しいスポーツでない上に、どんな服装でも、どんなシューズでも出来るので、普段着で フラリと立ち寄れるのが アーチェリーのクラブ。 私は全くのビギナーであったけれど、今はボウ(弓)もアロー(矢)も進化しているので、初心者でも驚くほど簡単にトライできるのだった。

ゴサム・アーチェリーは、何もない倉庫のような設備に、ターゲットを貼り付けたパーテーションが置かれているだけの極めてシンプルな作り。 ターゲットは、ビギナーが約8m程度の距離からスタート。レベルがアップすると、ターゲットまでの距離も長くなるので、 上級者は 施設内の最も奥のターゲットを狙うことになるのだった。
もちろんボウとアローはレンタルが出来て、私がとったビギナー・クラスは 1時間27ドルの料金に そのレンタル料が含まれているのだった、

いざクラスが始まって、まず説明されたのが、アーチェリーが如何に安全なスポーツかということで、ボーリングよりも怪我の確率が少ないとのこと。 唯一危険があるとすれば、人が射った矢を受けてしまうことだけれど、それを防ぐために、ターゲットから矢を抜き取る作業は、 クラブ内の アーチャー(=アーチェリー・プレーヤー)全員が同時に行うのがルール。 インストラクターの指示なしに、ターゲットに歩み寄ることは硬く禁じられているのだった。

アーチェリーは極めてシンプルなスポーツである上に、細かい身体の癖などが影響するので、 クラスでは、ごく簡単に 基本的なルールやフォームのレクチャーがあるだけで、 あとはひたすら、ターゲットに向かって矢を射るのがプログラム。
その間、インストラクターが歩き回って、細かなアドバイスをしてくれるので、 回を重ねるごとに、どんどんターゲットを的確に捉えるようになっていくけれど、 そうなるまでには、矢の羽側のスリットに、弓の弦を挟み込むという単純な作業にも 手間取ってしまうもの。なので 映画「ハンガー・ゲームス」のジェニファー・ローレンスは、 あんなに早く矢を射れるようになるまでに、随分練習を重ねたのでは?と思ってしまったのだった。

アーチェリーの弓は、大きく分けて2つの種類があって、初心者に向いているのは車輪のようなリングが付いたコンパウンドと呼ばれるスタイル。
これは、ある一定のところまで弓を引くと、そこから先は車輪のパワーで弓の弦が引っ張られるので、 力を入れなくても、弓を引いた状態でホールド出来るのだった。






インストラクターによれば、矢を射る時は急いでもダメ、的に狙いを定める時間が長すぎてもダメとのこと。 私が回を重ねる度に学んだのは、矢を引いてから狙いを定めるのではなく、矢を引く瞬間から狙いを定めるようにした方が、 ターゲットを的確に捉えられるということなのだった。

上達してきたと思っても、ちょっと集中力が緩むと、途端に射った矢がターゲットに弾かれて、跳ね返ってくることもあるし、 矢がターゲットを深く捉えられず、ターゲットにぶら下がったように刺さることもしばしば。 アーチェリーによって集中力が増すかは別として、集中して取り組まざるを得ないのがアーチェリーというスポーツなのだった。
結局 私はこの日、2時間近く ターゲットに向って矢を射っていたけれど、ターゲットのど真ん中、英語で”ブルズ・アイ”と 呼ばれるエリアをクリーン・ヒットする爽快感はヤミツキになるもの。
でも1時間半を過ぎたくらいから、徐々に疲れてきたのが左手。 私はてっきり 矢を引っぱる右手の方が疲れるかと思っていたけれど、矢よりも ずっと重たい弓をホールドしている左手の方が 疲労するようなのだった。

前述のように どんな服装でも出来るアーチェリーであるけれど、アローを入れておく サックは 腰から吊るさなければならないので、 ベルトがある服装で出かけるのがベター。 また 時折、矢を放った後の弓の弦が 左手の内側に跳ね返ってくることがあるので、左手の内側には必ずプロテクターを付けることになっているのだった。 でも時計は外さなくてもOKとのこと。

私は、ウィークデイに出かけたので、ゆったりとアーチェリー初体験が楽しめたけれど、 週末はやはり混み合うとのこと。スタッフはとても親切で、インストラクターも 非常に的確な指示をしてくれるので、 ビギナーは、ゴサム・アーチェリーに来て学ぶのが良いと思うのだった。

Gotham Archery
480 Baltic St. (Between Nevins St & Bond St)
Brooklyn, NY 11217
ウェブサイト: got-archery.com



Will New York 宿泊施設滞在



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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