Aug. Week 1, 2015
” Superiority Burger ”
肉食もヤミツキのヴェジー・バーガー、
”スペリオリティ・バーガー”



この夏、ニューヨークで最もホットなハンバーガー・ジョイントがここに御紹介するスペリオリティ・バーガー。
スペリオリティ・バーガーは、イタリアン・セレブリティ・シェフ、マリオ・バターリが手がけるミシュラン・スター・レストラン、 デル・ポストのペストリー・シェフとして知られた Brooks Headley / ブルックス・ヘッドレー(写真下、下段右側)がオープンしたばかりの バーガー・ジョイント。 ブルックス・ヘッドレーは、レストラン業界のオスカーと言われるジェームス・ビアード・アウォードを 受賞したこともある敏腕シェフ。
その彼が昨年夏にポップアップ・ショップで売り出し、連日大行列が出来たのがヴェジー・バーガー。 この時の長蛇の行列ぶりが メディアで大きく取り上げられ、ソーシャル・メディア上でも話題になっていた際には、 私もそのバーガーに興味を持ったけれど、 ヴェジタリアンでもないのに、ヴェジー・バーガーのために1時間も行列する気にはなれず、 トライしなかったのを覚えているのだった。

とは言っても、ブルックス・ヘッドレーがクリエイトしたヴェジー・バーガーは、 その深みのある味とヴェジタリアン・パティとは思えないテクスチャーで、 肉食の人でもヤミツキになると評判のバーガー。
パティには、ブラック。ビーン、レンティル、チック・ピーに加えて、キノア等の穀類もミックスされていて、 ビーフ・バーガーのような 食欲をそそるアロマは無くても、チキンやターキーのバーガーに 匹敵するほどのリッチでスモーキーなフレーバーが味わえると言われるもの。 これに独特のスパイスが加わった ヘルシーでグルメなバーガーは、その味の秘密を盗もうという 世界中の食品業界関係者の注目を集めていることがメディアで報じられているのだった。





スペリオリティ・バーガーがオープンしたのは、ヴィーガン・レストランとしてニューヨーカーに絶大な支持を集めている ダート・キャンディのオリジナル・ロケーション。 そのダート・キャンディは、この春に より大きな店舗に移転しているけれど、 同エリアはグルテン・フリー・ベーカリーや、ヴィーガン・レストランが多いので、 スペリオリティ・バーガーのオープンには最適と言えるスポット。
店内は、カウンターの奥にキッチンがあり、10人も来店客が訪れたら一杯になってしまう程度の 小規模なもの。 またバーガーは作り置きをしないメイド・トゥ・オーダーで、オーダーをしてから出来上がりまで4〜5分ほどの待ち時間があるので、 同店の営業時間中は 店舗の外まで行列が出来ているのが常。

スペリオリティ・バーガーはその大人気のバーガーに加えて、ヴェジタリアン・ラップ、サラダを含む 僅か5アイテムのレギュラー・メニューに加えて、ソルべ&ジェラートのデザート、そして2アイテム程度の デイリー・スペシャルのみという シンプルなメニュー。 6ドルのバーガーは、直径8cmほどの小さなサイズなので 多くの人々がバーガーに加えて、ラップやサラダをオーダーする傾向にあるのだった。





私は、今週に入って初めてその噂のバーガーをトライしたけれど、ハンバーガーというよりは、 野菜のつくねを挟んだサンドウィッチという印象。 ハンバーガーだと思うと物足りないけれど、ヴェジタリアン・サンドウィッチだと思って食べると美味しい上に、 食後に 胃や消化器官への負担が全く感じられない 身体に優しいバーガー。
私はその味以上に、”腹持ちが良い割りに 胃に優しい” という部分を気に入ってしまったのだった。

とは言ってもバーガーだけでは、あまりに量が少ないので スペシャル・メニューの湯葉バーガーを一緒にオーダーしたけれど、 私が味として気に入ったのはむしろこちら。(写真上、下段左) フィラデルフィア名物のフィリーズ・サンドウィッチ(細切りのステーキをピーマン、タマネギと炒めて、チーズと一緒に挟んだサンドウィッチ)に インスピレーションを得たというこのサンドウィッチは、湯葉が細切りステーキのテクスチャーを演出していて、 肉を使っていないとは思えないほどソースに深みがあって、食べ終わった後に舌の上がヒリヒリするほどスパイシー。 同店のスタッフもお薦めのアイテムなのだった。

スペリオリティ・バーガーの営業日は火曜日と水曜日を除く週5日。 営業時間は午後6時〜10時というディナー・タイムの4時間のみ。すなわち1週間に20時間しかオープンしていないのが同店。
ところで、スペリオリティ・バーガーのシェフ、ブルックス・ヘッドレーは 当然ヴェジタリアンかと思ったら、 ”元ヴェジタリアン” とのこと。 それを聞いて、何となく同店のヴェジー・バーガーや湯葉バーガーの味わい深さの理由が納得できたような気がするのだった。

Superiority Burger 430 East 9th Street

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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