Aug. Week 3, 2011
” Rose Champagne, High, Low & Medium ”
” ロゼ・シャンパン、ハイ、ロー&ミディアム ”



私は、子供の頃から炭酸飲料が嫌いな上に 飲めなくて、コカコーラなどは 生涯に飲んだ量の合計が コップ1杯に満たないほどであるけれど、 何故かお酒の中で最も好きなのがシャンパン。
アルコールが入って、お値段がアップするだけで、どうしてこんなにリアクションが変わるのか、自分でも全く理解が出来ないけれど、 とにかく 「シャンパンほど好きなものはない!」 というくらいに シャンパンが大好きなのだった。

中でも、ロゼのシャンパンは 頭に思い描いただけでもワクワクしてしまうけれど、 アメリカでは、リセッションの前の2006年、2007年に、シャンパンの売り上げが平行線を辿っていたにも関わらず、 20%台の伸びを見せていたのが、ロゼ・シャンパンの売り上げ。
同じブランドのシャンパンでも、ロゼは通常のシャンパンよりもお値段が高くなるのは周知の事実。 それでも多くの人々が喜んで 高い価格を支払う理由は、その美しいカラーであると言われているのだった。
そもそもロゼ・シャンパンは、黒葡萄の果皮で色づけしてから、果皮を取り出すセニエ方式 、もしくはボトル内での二次発酵前に赤ワインを加えるという手法によって、 美しいピンク色に変わるけれど、私がロゼのシャンパンを好む理由も、見た目にキレイだから。 そもそも、飲んだり、食べたりして身体の中に入るものは、少しでも美味しくて、美しいものが良いというのが 私の考え。 なので、同じロゼでも、ロゼのワインは、色こそは似ているものの、味が美味しいとは思えないので、 全く魅力を感じないのだった。

特に今年に入ってから、私のロゼ・シャンパンの消費量は増えていて、 それというのも、私同様シャンパン好きな友達が家にやってきて、食事をするケースが増えたため。
なので、通常ならホワイト・ワインを飲むオケージョンがシャンパンになり、メインが肉の時は、 アペタイザーとデザートの時にシャンパンを飲んで、肉を食べる時だけカベルネ等のレッド・ワインを飲むというのが パターン化してしまったのだった。
最初のうちは、アメリカで大体40ドル前後のモエ・エ・シャンドンやヴーヴ・クリコのロゼを時々飲んでいたけれど、 ごくごくカジュアルな食事には 勿体無いように思えてきたので、プロセッコやスプマンテ(どちらもイタリア版のシャンパン)を トライし始めたけれど、そんな際に目に留まったのが、写真上一番左のシャンドンのスパークリング・ワイン。
シャンドンは、モエ・エ・シャンドンがナパで生産しているスパークリング・ワイン。なのでシャンパンではないけれど、 以前ナパのヴィンヤード巡りをした際に、ガイドを務めてくださった超ワイン通の小林真奈美さんが、 「シャンドンのロゼは美味しいですよ」と言っていたのをふと思い出して、1本買ってみることにしたのだった。
チェックしてみると、シャンドンのロゼは、ワイン・スペクテーター、ワイン・アドヴォケートで、87〜88ポイントの レーティングを獲得しており、40〜50ドル代の多くのシャンパンよりも高い評価を得ているのだった。
私は、シャンドンのロゼを税込みで17ドルで購入したけれど、実際に味わってみると、「このお値段でこの味だったら悪くない!」 というのが正直な感想。私のシャンパン好きな友人も、非常に気に入ってくれたので、 もっと安い店を見つけて、ケースで購入して 10%オフになったので、税込みで1本14ドルという激安価格で シャンドンのロゼを味わい続けることになったのだった。
さらに調べてみると、シャンドンのロゼは、フォーブス誌が選んだ、10ベスト・ロゼ・シャンパンの中に 200ドル、400ドルといった高額シャンパンと並んで選ばれており、様々なレビューがベスト・バリューであると 指摘していたけれど、私もこの意見には全く同感なのだった。

私が個人的に 実践している安いシャンパンやスパークリング・ワイン、プロセッコなどを美味しく味わう方法は、 ボトルとシャンパン・グラスを 味わう直前の20〜30分ほどの間、冷凍庫に入れてキーンと冷やしておくこと。
人間の味覚は、温度によって非常に変わるもので、味が一番露骨に感じられるのが室温。 塩辛い料理が最も塩辛く感じられるのが、室温。甘さも然り。 なので、シャンパンを冷蔵庫の温度以上に冷やすのは、テイストの粗をカモフラージュする手段。
さらにリーデルのように、繊細で薄いシャンパン・グラスで味わうことも、大切なポイント。 人によっては、「シャンパンは泡の感触が舌や唇を鈍化させるので、グラスは特に選ぶ必要が無い」 と考えるようだけれど、私に言わせればこれは大きな間違い。 リーデルで飲むのと、ウォーターフォードの分厚いグラスのフルート(シャンパン・グラス)で飲むのでは、 シャンパンのバブルの口当たりまで異なると思うのだった。




私が気に入って、揃えているリーデルのシリーズは、ヴィノム・エクストリームで、写真上はそのヴィノムのシャンパン・グラス。
ヴィノムはそもそも、ニューワールドと呼ばれる カリフォルニアやオーストラリア等のワインを美味しく味わうためにデザインされたシリーズで、 比較的若いワインを飲むために、グラスが大きめにデザインされているのが特徴。 グラスが大きいと、それだけワインが空気に触れる面積が増える分、グラスの中でどんどん味が良くなって行く というコンセプトであるけれど、 逆に古いボルドー・ワインなどをこのグラスで味わったら、空気に触れすぎて、よほど早く飲まない限りは直ぐに味が衰えてしまうのだった。
シャンパン・グラスは、通常は容量が小さいものが多いけれど、ヴィノム・エクストリームは、レストラン・ポーションより 多めに注いで、4杯が 750mlのシャンパン・ボトル1本分。 なので、しょっちゅうシャンパンを注ぐ必要が無い分、食事や会話に集中出来るのだった。

ところで、日頃のカジュアル・シャンパンを激安のシャンドン・ロゼで賄っている分、ちょっと贅沢したくなった場合に、 私が好むのが、写真上、真ん中のルイナール・ロゼ。日本では9000円以上するシャンパンだけれど、 ワインでもバーゲン・ハンティングを好む私は、税込みで約70ドルで購入しているのだった。
このルイナールは、40ドル台のモエやヴーヴ・クリコとは比べ物にならないくらい バブルが滑らかでクリーミー。フルーティーさに深みがあって、 柔らかなスパイシーさが感じられる、エレガントな味わい。 私が知る限り、ロゼ・シャンパンを好む人は ルイナール・ロゼを好むケースが非常に多いので、ロゼ通に好まれる味のように思うのだった。
ちなみに、私が個人的には最もエンジョイ出来るのが、このプライス・レンジのロゼ・シャンパン。 長く続いたリセッションから明け切っていないアメリカに暮らしているだけに、これ以上価格がアップしてしまうと、 本当にそんなシャンパンを飲むオケージョンなのか?と自問自答しているうちに疲れてしまうのだった。

そんなこともあって、ずっと私のワイン・リフリジレーター(ワイン用の冷蔵庫)の中で何年も眠ったままになっているのが、 写真上一番右のドン・ぺリニヨンのロゼ。
そもそも、クリスタルよりも、クリュッグよりも、何故かドンペリを好む私が、 箱付きの1986年のヴィンテージをインターネットを通じてオークションで落札したのは、既に5年ほど前のこと。 当時、税込みで225ドルで落札した際には、「誕生日にでも空けよう」などと思っていたけれど、 年を重ねるにつれて、あまりフェスティブに祝う気になれなくなってくるのが 誕生日というもの。
そうする間に、このドンペリ・ロゼのアメリカ国内における市場平均価格は、670ドルになってしまったのだった。
こうなってくると、「飲むより売った方が賢明」というのが、アメリカ史上最悪のリセッションを経験した私の考え。
ロゼのシャンパンが大好きな私でも、 「このドンペリを売ったお金が、マノーロやルブタンのシューズに変わってくれた方が嬉しい!」 というのが、 偽らざる本音なのである。





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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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