Aug. Week 3, 2015
” The Man From U.N.C.L.E. Style ”
ザ・マン・フロム・アンクル・スタイル


アメリカで先週金曜日、8月14日に封切られたのが、「The Man From U.N.C.L.E./ザ・マン・フロム・アンクル(邦題:コードネーム・アンクル)」。
この映画は、アメリカでは映画と同名、日本では「ナポレオン・ソロ」というネーミングの60年代の人気TV番組を ガイ・リッチー監督が映画化したもの。 日本では11月に公開予定の同映画であるけれど、アメリカでは公開以前から 大きなバズを呼んでいたのがそのファッション。

同作品の舞台は東西冷戦時代の60年代。メイン・キャラクターは、CIAエージェントのナポレオン・ソロと、 ソビエトKGBの超エリート・エージェント、イリヤ・クリヤキン。前者は「マン・オブ・スティール」でスーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルが、 後者は 「ソーシャル・ネットワーク」で 双子のウィンクルヴォス兄弟を演じたアーミー・ハマーがそれぞれ演じているけれど、 文句無しにルックスが良いこの2人が着こなすファッションが メンズウェアの世界で注目を集め始めたのは今年春のこと。
特に、ナポレオン・ソロ役のヘンリー・カヴィルが着用する レトロ・モダンな3ピース・スーツは、男性ファッショニスタにインスピレーションを与えているスタイル。
ハリウッドからは、時折メンズウェアに多大な影響を与える映画が生まれるけれど、 「ザ・マン・フロム・アンクル」は、リチャード・ギアを一躍有名にした「アメリカン・ジゴロ」、ロバート・レッドフォードが主演を務めた「華麗なるギャッツビー」、 ダニエル・クレイグがトム・フォードのアウトフィットを着こなしている007シリーズ等と並んで、 メンズ・ファッション・ムービーの殿堂入りに値する作品と言われているのだった。

同作品のコスチュームを担当したのは、 映画「リンカーン」でオスカーのコスチューム部門にノミネートされたことがある イギリス人コスチューム・デザイナーの ジョアナ・ジョンストン。 彼女はそれ以外にも、「セイヴィング・プライベート・ライアン」、「ラブ・アクチュアリー」等のコスチュームを担当しているのだった。








でも、映画が封切られた途端に評判になったのは、その女性キャストのファッション。
女性のメイン・キャラクターは、ストーリーの鍵を握る 失踪したドイツ人科学者の娘、ガビー役を演じるアリシア・ヴィキャンデルと、 イタリア貴族の悪女、ヴィクトリアを演じる エリザベス・デビッキ。 コスチューム・デザイナーの ジョアナ・ジョンストンが2人のスタイルをクリエイトするに当たって、 インスピレーション・ソースにしたのは、60年代に実在した2人のスターモデル。
アリシア・ヴィキャンデル扮するガビーのインスピレーションになったのは、アリシアにそっくりのモデル、ジョアン・シンプソン(写真上右側のモノクロ写真)。 映画の中で、アリシアはオリジナルのクレージュのヴィンテージを着用しているけれど、全体的に彼女のスタイルはクレージュやマリー・クワントといった モッズ系のファッション。

一方のエリザベス・デビッキ扮するヴィクトリアのインスピレーションになったのは、やはり60年代に活躍したモデルで、 デザイナーのエルサ・スキャパレリの孫に当たるメリサ・べレンソン(写真上、一番左)。 長身のエリザベス・デビッキが ヴィクトリア役で着用しているのは、ゴージャスでグラマラスな60年代ファッション。
私はレオナルド・ディカプリオ主演の「華麗なるギャッツビー」を見てエリザベス・デビッキが好きになったけれど、 彼女は、アメリカでは同作品の中で唯一高く評価されていたキャラクター。 今のハリウッドで、この若さでこのグラマラスなファッションが着こなせる存在は、そうそう居ないように思うのだった。






私が過去にファッションを目当てに見た映画には、1990年代のアリシア・シルバーストーンの出世作「クルーレス」があるけれど、 同作品も当時ファッション業界で大旋風を巻き起こし、昨今ではイギー・アゼリアのNo.1ヒット「ファンシー」のミュージック・ビデオが そのパロディで製作されていたけれど、早いもので 今年は「クルーレス」の封切から20周年目。
映画がポップカルチャーの歴史の中で 生き残って行くためには、ファッションだけでなく 映画そのものに魅力やエンターテイメント性が無ければならないけれど、残念ながら「ザ・マン・フロム・アンクル」については 多くの批評家が 「ストーリー展開や台詞の物足りなさを キャストのルックスやカリスマ性、ファッションでごまかしている」と 評している作品。 でも、これまでガイ・リッチー監督作品を評価したことがなかった私にとっては、同作品は彼の作品の中で、 最もグッドルッキングでエンターテイメント性が高いと思うのだった。

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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