Aug. Week 4, 2011
” Ralph Lauren US Open 2011 Official Outfit ”
” ラルフ・ローレン US オープン2001 オフィシャル・アウトフィット ”



今週末のアメリカは、レイバーデイ・ウィークエンド。
レイバー・デイは、9月の第1週目の月曜日で、アメリカでは夏の終わりを意味するホリデイ。
ニューヨークで、夏の終わりを意味する2つのイベントと言えば、まず今週月曜からスタートしたテニスのUSオープン。 もう1つが レイバー・デイを最終日に、約2週間のスケジュールで行なわれるバーニーズ・ウェアハウス・セール。
でもバーニーズのウェアハウス・セールは、グッチからやってきた同社の現社長がディスカウントが嫌いとあって、 かつてのような、一流ブランドを小売価格の90%オフにするような 超ディスカウントが無くなってきただけでなく、 例年、割り引き率が大幅にアップするはずの最終日でさえ、ストアで売られていた割引率と大差がなくなってしまったのが実情。
これを受けて、前回のウェアハウス・セールの直後には、ニューヨーク・ポスト紙が 長年、ニューヨークの名物だった バーニーズ・ウェアハウス・セールが、ただのストア・セールになってしまったと批判し、 「いかにも多額のディスカウントをしているように装ったフェイク・セールをしていると、そのうちニューヨーカーが足を運ばなくなるだろう」と 厳しい指摘をしていたのだった。
実際のところ 今年のウェアハウス・セールは、ハリケーンの騒ぎなども手伝って、あまり客足が芳しくないと言われているけれど、 それと同時に、さほど商品の内容も良くないことが伝えられているのだった。

なので、だんだんとニューヨークの夏の終わりのイベントの意味合いが薄れつつあるバーニーズ・ウェアハウス・セールであるけれど、 逆に、どんどん観客数を増やすと同時に規模が大きくなっているのがテニスのUSオープン。
今年も、開催前に販売されたチケットの97%が売れてしまうという好調なチケット売り上げで、 大会を主催するUSTAが昨年に比べてチケット価格を3%しか上げていないにも関わらず、リセール業者、すなわち ダフ屋がオファーしているチケット価格は、昨年より38%もアップしているとのこと。
また、テニスのUSオープンは スーパーボール並みにオフィシャル・グッズが充実していることでも知られていて、 今年は過去最多のアイテムが、USオープンが行なわれているビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センターのショップや、 USオープンのウェブサイトで販売されているのだった。




私は、こうしたスポーツ・イベントのグッズは滅多に買うことは無いけれど、例外なのが ラルフ・ローレンがクリエイトしているUSオープン・オフィシャル・アイテム。
ラルフ・ローレンは、USオリンピック・チームのユニフォームも手掛けているけれど、テニスの世界では ウィンブルドン、そしてUSオープンのオフィシャル・アウトフィッターを務めていて、 ライン・ジャッジからボール・パーソンまで、テニスの世界で最も大きな2大会のコート上のスタッフは、全てラルフ・ローレンがクリエイトした アウトフィットを着用しているのだった。

ウィンブルドンは、さすがに最も伝統あるテニス・トーナメントな上に、プレーヤーもホワイトのウェアしか着用が許されないなど、 規律が厳しいトーナメント。なので、ラルフ・ローレンのオフィシャル・アウトフィットも、例年、 ウィンブルドンのクラブ・カラーであるパープルとグリーンを使ったものになっているけれど、 USオープンは ドレス・コードが最も自由で、多くのプレーヤーがデイ・セッションとナイト・セッションで異なるウェアを 着用する 最もファッション性が高いトーナメント。
なので、オフィシャル・アウトフィットにも さほど難しい制限が無いようで、今年はオレンジ、グリーンといったネオン・カラーとネイビーを 組み合わせた、例年よりずっと派手なライナップになっているのだった。

今年、ボールパーソンが着用しているのが写真上のネイビーのポロシャツ。
USオープンでは、毎年ボール・パーソンだけでも270人を雇っているので、その全員のアウトフィットに加えてジャッジのウェアを 加えただけでも、かなり数のウェアをラルフ・ローレンが提供していることになるけれど、 コート上でこのアウトフィットを着用して走り回るボール・パーソンは、非常に大変な仕事。
まずテニスというスポーツを理解していなければならない上に、瞬発力があって、早く走れなければならないし、機転が効かなければ出来ない役割。 試合では、一度に6つのボールを使用しているけれど、そのうちの1つは 当然のことながらプレーヤーが打ち合っているボール。 残りの5つのうち、1つは 時に サーバーのポケットの中にあるけれど、ボール・パーソンは常に全てのボールが何処にあるか、 もっと具体的には、どのボール・パーソンが持っているかを把握して、試合の合間にサーバー側のボール・パーソンにパスしなければならないので、 試合の展開もフォローしていなければ 務まらないのだった。
またUSオープンの場合、他のトーナメントとは異なり、客席に飛んだボールは 観客にプレゼントということになっているので、 それも時にボールパーソンには混乱の原因になるとのこと。ボールは最初の7ゲームが終わった時点で全てニュー・ボールにチェンジ。その後は 9ゲームごとにニュー・ボールに取り替えることになるので、このルールも頭に入れていなければならないこと。
ちなみに最初だけ7ゲームでボールを取り替えるのは、ボールが試合前のウォームアップに使われているためなのだった。




これほど大変な仕事にも関わらず、毎年USオープンのボール・パーソンには、600人以上が応募するとのことで、 今年採用された年齢層は下はティーンエイジャーから、最年長は何と60歳以上。 時給はわずか7.75ドルであるけれど、プロのプレーを間近で見られるエキサイトメントも手伝って、 その多くが 毎年のようにボール・パーソンのリピーターになると言われているのだった。

私は、ボール・パーソンにはなりたくないこともあって、彼らと同じウェアには興味は無くて、 過去のUSオープンで実際に購入して、愛用しているのは ランニングの時に被っているキャップや、 テニス・コートに出掛ける時にウォーター・ボトルや、ボールを入れて持っていくトートバッグ。
加えて、フィットしたシルエットのロング・スリーブのTシャツは、秋冬のテニスやランニング、ヨガのクラスにも役立ってくれるアイテム。 今年は、カラー・コントラストが鮮やかな分、例年よりもファッショナブルなアイテムが多いように思うのだった。




ラルフ・ローレンのオフィシャル・アウトフィットは、USオープンのコートの中で2番目に大きい ルイ・アームストロング・スタジアム内のショップとラルフ・ローレンのウェブサイトで販売されているけれど、 今年、初めて同ブランドのラインナップに加わっているアイテムがテニス・シューズ。(写真上)
ラルフ・ローレンがテニス・シューズを手掛けるのはあまりピンと来ないけれど、 これはニュー・バウンスとのコラボレーションで生まれたもので、カラー切り替えのあるアウター・ソールなど、 デザインはラルフ・ローレンでも、テニス・シューズとしての機能はニュー・バウンスのもの。
トップ・ファッション・デザイナーの中では、ステラ・マッカートニーがアディダスのラインの中で、 テニス・ウェア&シューズを手掛けているけれど、私の意見ではステラ・マッカートニーのテニス・ウェアやシューズは、 実際にテニスをプレーする人が好む、もしくは愛用するとは思えないものが多いだけに、あまり評価していないのが正直なところ。
でもラルフ・ローレンについては、アウトフィットにしても、初登場のシューズにしても、テニスというスポーツを理解している人が デザインに深く携わっているのが感じられるので、ファッション性だけでなく、プロダクトの機能的な部分でも評価できるものが多いと思うのだった。

US オープンの時期になると、ナイキからもUSオープン関連のラインが登場するけれど、 ナイキはオフィシャル・アウトフィッターではないので、USオープンのロゴは使わず、今年は ” NYC 2011” というネーミングのラインにしているのだった。
ラルフ・ローレン同様に、USオープンのオフィシャル・スポンサーになっているのは、試合に使うボールを提供しているウィルソン。 ウィルソンが手掛けているのは、ボール以外に、ラケットやラケット・バッグ、リスト・バンド、タオルといった アパレル以外のテニス関連グッズ。
実は、毎年USオープンで、非常に良く売れているのがタオル。それは何故かと言えば ナイト・セッションが メイン・イベントのUSオープンでは、季節柄、夜になるとスタジアムが冷え込んでくるため。 なので、薄着の観客の中には、タオルを購入してそれを毛布替わりにして 観戦している人々が多く、 タオルは寒さしのぎ兼、USオープン土産のアイテムになっているのだった。

USオープン人気が高まっていることから分かる通り、ニューヨークでも年々増えているのがテニス人口。
ニューヨーク市には270以上の市営のパブリック・コートがあるけれど、年々そのコートが取り難くなっているのは USオープンのチケットと同様で、プレーをしたくても、コートが取れないと嘆くプレーヤーが多いことは、 NYタイムズの記事にもなっていたこと。
テニスをしない人にとっては、「ニューヨークって、そんなにテニス・コートがあるの?」という数であるけれど、 いざプレーをしようと思うと、本当に足りないのがテニス・コートなのである。





FaviruteOfTheWeek FaviruteOfTheWeek FaviruteOfTheWeek

 


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

PAGE TOP