Aug Week 3, 2016
” Skincare Booster ”
この秋のスキンケア・トレンド・アイテム ”ブースター”
スキンケアというカテゴリーは 滅多にトレンドが生まれないものであるけれど、
この秋、スキンケア業界で久々かつ、最大のトレンドと言われているのが ”Booster / ブースター”。
ブースターとは その名の通り、特定の効果を高めるためのプロダクトで、手持ちのモイスチャーライザーや
セラムにミックスして使用するようにデザインされたプロダクト。
したがってブースター自体は 1つの完結したプロダクトでは無く、言ってみればスパイスのような存在。
必要な時に 必要な用途のものを 通常愛用しているスキンケア・プロダクトに加えることにより、
より強力なアンチエイジング効果や肌のツヤ感をもたらすのがブースターなのだった。
何故ブースターが画期的なスキンケア・トレンドと捉えられているかと言えば、
日頃のスキンケア・ルーティーンを変えることなく、必要な栄養分やケミカルだけを加えることが出来るため。
例えば、毛穴が目立ってきたと思えば ナイアシン(ビタミンB3)を多分に含むブースターを通常使用しているモイスチャライザーや
セラムに加えるだけ。
また小じわが気になってきた場合にはレティノール入りのブースターをモイスチャライザーやセラムに加えるだけで、
スキンケアのルーティーンを一切変える必要が無いのだった。
そもそも、肌というものはどんなに乾燥していてもその細胞レベルまで浸透できるプロダクトの量には限度があるもの。
したがって、モイスチャーライジング、アンチエイジング、ホワイトニングなど、様々な効果をもたらすプロダクトをどんどんアプライしても
実際には肌の表面に止まるだけで、浸透していかないのが実情。
でも従来のスキンケア・プロダクトは、より多くの効果を謳うことにより 消費者にアピールするようにデザインされているので、
用途が異なる通常のスキンケア・プロダクトを重ねてアプライする場合、起こりがちなのが オーバー・モイスチャライジング状態。
どんなスキンケア・プロダクトにも含まれている保湿成分だけが過剰になって、肝心のアンチエイジング効果やホワイトニング効果などをもたらす成分が
肌の内側に浸透しないという問題が起こりがち。
その点ブースターは、謳われている用途以外の成分は殆ど含まれていないため、不必要なオーバードースを防ぎながら
確実に成分を肌に浸透させることが出来るという利点があるのだった。
さらに言えば、ブースターは、前述のように用途を絞った付属品的プロダクトであるだけに 通常のスキンケアより安価なのも大きな魅力。
余分なモイスチャライジング効果等が含まれていない分、コストがカットされるため
ブースターの平均的な価格は20〜60ドル程度。
通常のスキンケア・プロダクトを用途別に買い足すよりも遥かに割安になっているのだった。
ところで私は仕事柄、いろいろなプロダクトのサンプルをトライし過ぎて、
時に何がどう効いているのかが分からなくなることがあるけれど、それというのもスキンケア・プロダクトは
使用を止めても通常 約3週間ほど効力が持続するので、新しいプロダクトにスウィッチした直後と1ヵ月後では、
使用感が異なる場合も少なくないのだった。
でもブースターの場合、通常使用しているプロダクトに加えるだけなので
その良し悪しがジャッジし易いのは大きな利点。
また、同じスキンケア・ルーティーンを続けながら、用途が異なるブースターを使い分けることによって、
その日の肌のコンディションを反映したスキンケアが出来るというのも魅力になっているのだった。
私は昨今は 季節柄、湿度が高いとあって、昼はモイスチャライザーを使用せずにセラムだけであるけれど、
外でエクササイズやスポーツをすると、どうしても日に焼けるので もっぱら日中にブースターで補給しているのがヴィタミンC。
でも秋になって日差しが弱まってきたら、それをホワイトニング効果のものに変えようと思っているところなのだった。
執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に
ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。