Aug. Week 4, 2017
”GOT Season 7 Fever”
”ゲーム・オブ・スローンズ” シーズン7 メガ・フィーバー


今週日曜にシーズン7のファイナル・エピソードを迎えるのが、 毎週アメリカの3000万人がチャンネルを合わせる、もしくはストリーミング他で視聴する「ゲーム・オブ・スローンズ」。
同番組が放映される日曜午後9時直前に自宅ビルのエレベーターに乗ると、番組を見るために外出先から戻ってきた住人と乗り合わせることになるのが常で、 何故、同番組のファンが HBOオンデマンドや午後11時からの再放送ではなく、この時間に番組を観たがるかと言えば、 毎週番組が終わった途端にソーシャル・メディア上でバズが巻き起こるので、 エピソードの結末が分かってしまうのに加えて、常にエンディングがショッキングであったり、番組後半に壮絶なシーンが盛り込まれるケースが多いので、 遅い時間に見ると、そのまま興奮して眠れなくなってしまうことがあるため。
でも日曜のうちに観ておかないと、翌日オフィスやジムで誰もが話題にしているのが前日の「ゲーム・オブ・スローンズ」のエピソード。 なので話題についていけないだけでなく、エピソードの結末が分かってしまうという二重苦を味わうことになるけれど、 それほどまでに多くのアメリカ人が夢中になって観ているのがこの番組。

「ゲーム・オブ・スローンズ」の人気は、7月16日からスタートしたシーズン7で空前の盛り上がりを見せており、 毎週のように視聴率の記録を塗り替えているけれど、ニューヨークには毎週ウォッチ・パーティーを行うバーがあるほど。 今週末のシーズン・フィナーレに際しても、多く人々がウォッチ・パーティーを企画していることが伝えられ、 インターネット上には、「ゲーム・オブ・スローンズ」ウォッチ・パーティー・メニューのレシピが掲載される一方で、 ベーカリーは特別デザインのケーキをオファーするフィーバーぶり。
もちろんセレブリティのファンも多く、ジェイZ&ビヨンセ、ジェニファー・ローレンス、デヴィッド・ベッカム、マドンナ等、 数えきれないセレブリティに加えて、オバマ前大統領も同番組の大ファンとして知られ、 大統領任期中にはHBOからシーズン4の全エピソードを先に支給されていたことが伝えられているのだった。









シーズン7の放映期間中には、ワシントンDCに「ゲーム・オブ・スローンズ」のポップアップ・バー(写真上)がオープンしていたけれど、 前述のオバマ大統領に限らず、ワシントンの政界にも多いのが 「ゲーム・オブ・スローンズ」のファン。 トランプ政権の広報部長を11日で辞任したアンソニー・スカラムッチも、インタビューで「ゲーム・オブ・スローンズ」を引用したコメントをしていたほどで、 実際、昨今のメディアでは同番組を観ていないと理解できないジョークや、引用が非常に増えているのだった。

また「ゲーム・オブ・スローンズ」は、さまざまなトレンドも生み出していて シーズン7の放映中には、 同番組のコスチューム・デザイナーが IKEAのシープ・スキン・ラグを衣装に使っているとコメントしたことから、 突如ラグの売り上げが世界中でアップ。加えて着用法の問い合わせが殺到したことから、IKEA側も開き直ってラグの着用のインストラクションを公開したほど(写真下、上段)。
さらにファンの間で過去数年トレンディングになってきたのが、人気キャラクターやその家紋のタトゥーをすることで、 全米のタトゥー・サロンが絵柄のサンプル・ブックにフィーチャーしているのが同番組のモチーフ。
加えてエミリア・クラーク扮するドラゴンの母、デナーリスが身に着けているジュエリーが、ロンドンのジュエラーによって製品化されている他、 ドラゴンのピアスやメダリオンは大人気。クラフトサイトのEtsyでベストセラー・ジュエリーになっていたほど。
「ゲーム・オブ・スローンズ」はペットのトレンドにも影響を与えていて、スターク家で飼っていた狼役を演じていた(?)のが シベリアン・ハスキー。そのため過去数年のペット市場でシベリアン・ハスキーの人気が急上昇したけれど、 同時に飼うのが難しいために、ドッグ・シェルターに返す人々も多いことが伝えられるのだった。











私も今週日曜はシーズン7のファイナル・エピソードのウォッチ・パーティーに出掛ける予定だけれど、 私の場合、日曜夜は毎週コラムを書いている関係で「ゲーム・オブ・スローンズ」を真剣に見始めたのはシーズン6から。 でも前後関係がはっきりしない部分があったので、夏休みを利用して1日1シーズン/10エピソードを観るビンジ・ウォッチングをして、 やっと全容をしっかり把握したのは数週間前のこと。
「ゲーム・オブ・スローンズ」はヴァイオレントなシーンやヌード・シーンが多いので、食わず嫌いをしている人が少なくないけれど、 私にとっては人間の野心や権力争い、陰謀、忠誠心、友情、良心、コンプレックス等、とにかく人間の様々な側面について 非常に学ぶことが多かったのがこの番組。 また同番組のファンと どのキャラクターが好きか、どのエピソードが印象に残っているか等を話していると、その人の人間観が分かるのも非常に興味深い点なのだった。
ストーリーについては、日本語のウィキピディア で簡単な説明がされているけれど、 シーズン1を観終わる頃には、誰もが夢中になってしまうのが同番組。多くの同番組のファン同様、私も「ゲーム・オブ・スローンズ」が今まで観たTVドラマの中では ダントツでベストだと思うのだった。


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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