Aug Week 5, 2012
” Les Twin-Sets de Chanel ”
” レ・ツイン・セッツ・デュ・シャネル ”



来週木曜日、9月6日にアメリカ各都市で行なわれるのが、今年で4回目を迎えるファッションズ・ナイトアウト。
2008年のリセッション以来、ファッションの売り上げが大きく下がったことを受けて、ヴォーグ誌が中心になってスタートしたこのイベントであるけれど、 各リテーラーが商業的にどの程度のサクセスを収めているかは別として、2011年からはオンライン・ショップも加わり、 規模に関しては 年々確実に大きくなっているのだった。
また、売り上げの一部をチャリティに寄付する小売店も多く、チャリティが絡むとなると 得られるのがセレブリティのサポート。 今回のファッションズ・ナイトアウトでは、ジャスティン・ビーバー、テイラー・スウィフト、アッシャーなど、 様々なセレブリティがCMや雑誌広告に出演して、同イベントをプロモートしているのだった。

でも、シリアスなショッパーにとっては、ファッションズ・ナイトアウトは、日頃とは異なる客層が、 パーソナル・アピアランスを行なうセレブリティ見たさに ストアやブティックに押し寄せたりするので、 逆にショッピングがし難い日。 なので、わざわざこの日を避けてショッピングをする人も少なくないけれど、 ファッションズ・ナイトアウトの一番の魅力と言えるのは、一流デザイナーやブランドが、 同イベントのために手掛けるリミテッド・エディションのプロダクト。
シューズの世界では昨年はマノーロ・ブラーニックが、今年はクリスチャン・ルブタンが ファッションズ・ナイトアウトのために、リミテッド・エディションのシューズを手掛けているけれど、 今年のファッション・ナイトアウトのために シャネル・ビューティーが手掛けたのが、 ここに御紹介する ”レ・ツイン・セッツ・デュ・シャネル”。

シャネルといえば 毎シーズン、ネール・カラーのトレンド・セッターとなって、そのシーズンのリミテッド・エディションのカラーが 直ぐに完売することで知られるけれど、 2012年秋のビューティー・ラインには、2つのリミテッド・エディションのラインがあって、その1つが アジサイのようなパール入りの淡いブルーの ネールをメインにフィーチャーした ”ブルー・イリュージョン・デュ・シャネル”。 このラインはアイシャドウやアイライナー、ブラッシュ、リップスティックなどを揃えた、トータルなメイクアップ・コレクションだけれど、 特にネール、”スカイ・ライン”の美しさは絶品。
そしてもう1つのリミテッド・エディションがファッションズ・ナイトアウトに合わせてデビューする ”レ・ツイン・セッツ・デュ・シャネル” なのだった。




”レ・ツイン・セッツ・デュ・シャネル”は、シャネルのリップスティックの中で 最も評価が高い ルージュ・アリュールとネール・エナメルが セットで それぞれ3色展開されており、 カラー・ラインナップは写真上の通り。
左は、グレーがかったコーラルの ”Delicatesse / デリカテス”、中央はシックなポピー・ピンクの ”Infidele / インフィデール”、 右はディープ・プラム・カラーの ”Provocation / プロヴォケーション”。
シャネルがファッションズ・ナイトアウトに発売する リミテッド・エディションは、これまでネールのみだったけれど、今回は初めてリップスティックが加わったコレクション。 ”レ・ツイン・セッツ・デュ・シャネル” とネーミングされているものの、セット売りではなく、ネールとリップは別販売になっているのだった。

毎年、あっという間に完売するリミテッド・エディションのシリーズなだけに、シャネルのブティックでは2週間前から 予約を取り始めており、ファッションズ・ナイトアウトの当日を待たずして、既に売り切れが見込まれているアイテムさえあるのだった。 ブティックのビューティー・スペシャリストによれば、既に予約注文を入れているシャネル・フリークは、ネールを全色買い揃える人々、リップとネールのセットでオーダーする人に分かれているとのことだけれど、3色の中で最も売れていると同時に、私も売り切れる前に慌てて予約オーダーを入れてしまったのが、 ディープ・プラム色の”プロヴォケーション”。





私が特に気に入ったのが、”プロヴォケーション”のリップスティック。
というのも2012年の秋冬シーズンのランウェイで、モデルがこぞってつけていたのが プラムのリップスティックで、 ありとあらゆるメディアの秋のメーク特集に登場しているのも、プラムのリップスティック。
したがって、この秋のビューティー・トレンドの目玉と言えるのが、プラムのリップであるけれど、 事実、”プロヴォケーション”は ビューティー・エディターの間でも、ビューティー・ブロガーの間でも既に大評判のカラー。

8月3週目のこのコーナーでも書いた通り、この秋 私は フェドーラに挑戦したいと思っていて、 それに合わせて、マットでディープなプラム・レッドのリップスティックを探していたこともあり、 このシャネルの ”プロヴォケーション” を一目見て、惚れこんでしまったのだった。
リップスティック本体は、かなり紫がかったディープなカラーであるけれど、実際につけてみると、 赤すぎず、紫すぎず、黒すぎず、深いプラムがエレガント かつマットに発色して、 日ごろと同じメークをしていても、いきなり今年の秋っぽい雰囲気に仕上がるのだった。






ところで、シャネルがファッションズ・ナイトアウトに合わせてリミテッド・エディションを製作したのはこれが3度目で、 過去のリミテッド・エディションは、写真上、上段が2011年に発売された”レ・ジーン・ドゥ・シャネル”、 下段が2010年の”レ・カーキ・ドゥ・シャネル”。
”レ・ジーン・ドゥ・シャネル”はハンド・モデルがつけている ”ブルー・ボーイ”が一番人気のカラー。 ”レ・カーキ・ドゥ・シャネル”は、写真左側の ”カーキ・ブラン” が真っ先に完売したのだった。

過去2回のリミテッド・エディションに比べると ”レ・ツイン・セッツ・デュ・シャネル”は、 リップとコンビになっているせいか、意外性の無いカラー・ラインナップ。
でもここ数年、シャネルが 本来のネール・カラーの常識を覆すようなカラー・ラインナップを発売しては、流行らせたお陰で、 今では、オフィスで かつてはタブーだったようなネール・カラーを抵抗なくつけられるようになってきた というのが女性の意見。 一方、男性も若い世代を中心に、女性の奇抜なネール・カラーやネール・アートに対して、どんどんオープン・マインドになってきたことが指摘されるのだった。

それだけでなく、今や男性のグルーミング・トレンドの1つになっているのがカラーのペディキュア。
男性がマニキュア、ペディキュアをしても、誰も驚かない時代になって久しいけれど、 これまで男性のネール・カラーと言えば透明か、爪のカラーに溶け込むような淡いヌード・カラーと相場が決まっていたのだった。 ところが、今や男性のぺディキュアで人気急上昇中のカラーはブラック。
クリスティアーノ・ロナウドが2年前の夏にニューヨークのホテルのルーフトップ・プールサイドで、 ブラックのペディキュアでスナップされた時は、極めて評判が悪かったけれど、 今では、グルーミングにお金を使えるリッチで、ファッション・コンシャスな男性、それもれっきとしたビジネスマンが ブラックのペディキュアを好むようになってきているのだった。




ふと考えると、今やマノーロ・ブラーニック、クリスチャン・ルブタン、ジミー・チューといった女性のトップ・シューズ・ブランドが 全てメンズ・シューズを手掛ける時代。 加えて、男性も女性同様、カジュアル、フォーマルを問わず、シューズを素足で履くようになっているから、 男性がペディキュアに凝り始めても不思議ではないというもの。

ちなみにシャネルは、2012年の初秋のコレクションで、”Vertigo / ヴァーティゴ”(写真上)という グレープがかった深いチャコール・グレーのネールを手掛けていて、 同色は若い世代の女性を中心に、既に人気になっているけれど、 この”ヴァーティゴ”は、この秋の 男性のぺディキュア・カラーとしても 注目を浴びているのだった。





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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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