Sep. Week 2, 2015
” Gabriel Kreuther ”
久々の完璧フレンチ・レストラン、”ガブリエル・クルーター”


ふと気付くと、1年以上も出掛けていなかったのがフォーマルなフレンチ・レストラン。
カジュアルなビストロには 何度も出掛けるけれど、フォーマルなフレンチは 高い割には 料理がさほどイノヴェイティブでなかったり、サービスがフォーマル過ぎる一方で、 客層が退屈なので、何となく行かなくなってしまって久しい状況が続いていたのだった。

でも、久々にフレンチ・レストランに行ってみようかと思ったのは、8月にNYポスト紙に掲載された ガブリエル・クルーターのレビューを読んだのがきっかけ。 未だオープンして間もない同店に、4つ星中3つ星半の評価を与えていたのがこのレビューで、 これを読んでから、直ぐにアクセスしたのが同店のウェブサイト
そしてそのウェブサイトの写真を見た途端に、その1週間後にNY入りする予定になっていた グルメなお友達とのディナーのために、 同店に予約を入れることになったのだった。









ガブリエル・クルーターはアルザス出身のミシュラン・スター・シェフで、 レストラン業界ではかなり知られた存在。
その彼がレストランをオープンしたのは、ミッドタウンのブライアント・パークの向かいにあるグレース・ビルディングの1階。 店内はとても広々していて、左手がバー&ラウンジ・エリア、右手がダイニング・エリア。 奥にキッチンが見渡せるウィンドウが設けられているダイニング・エリアは、 何本ものウッド・コラムで仕切られていて、テーブルとテーブルの間隔がかなりゆったりした空間。 インテリアは何とも表現し難いテイストに仕上がっていて、写真によって 安っぽくみえたり、スタイリッシュに見えたりするスペースに仕上がっているのだった。

でも高額フレンチとあって、カトラリーからワイン・グラスまで、全てが同店のためのカスタムメイド。
メニューは、シェフのテイスティング・メニュー(185ドル)か、デザート1品を含む4コースのプリフィックス(98ドル)のどちらかであるけれど、 私と友人が味わったのは後者のプリフィックス。
4コースとは言え、まずはアルザス名物のパン、クグロフが出てきて、アミューズ・ブーシェが2品、その後も コース料理が出てくる度に、 異なるパンが出てきたのに加えて、デザートの前にはパレット・クリーナー(口直し)のソルべ、 デザートの後に、チョコレートやマカロンが出てきたので、12コースくらいを味わったような印象。
さらに、帰り際にはお土産のミニチュア・サイズのクグロフを持たせてくれるのが同店なのだった。









私と友人がオーダーしたのは、ファースト・コースがブラックトリュフが入ったフォアグラのテリーヌとランゴスティンのタルタル。 後者は、ランゴスティンが歯ごたえのある甘エビみたいに 甘味があって、心地好い食感。上に乗っているアーモンド風味の 薄いパイ・ペストリーに繊細さと完璧さを追求するシェフの持ち味が感じられたお料理。
セカンド・コースは、アメリカン・キャビアをトッピングしたスタージェンとサワークラウトのタルトと、 スウィートブレッド&ブラックトリュフのダンプリング。後者は美味しかったけれど、前者はサワークラウトが酸っぱくて、 キャビアの味があまり感じられないのが唯一残念だった部分。
メインは 鶉(うずら)とフォアグラの2人前のディッシュを友人とシェアしたけれど、肉への火の通りが絶妙で、すごく美味しかったのがこの1皿。
デザートは ”ファンタジー”というネーミングの尖ったチョコレートの一皿と ”エティリアル”と言うネーミングの繊細なフルーツ・フレーバーのディッシュを オーダーしたけれど、この頃には すっかりお腹が一杯になっていたのだった。

私が同店で お料理同様に気に入ったのは、ワイン・リスト。ハーフ・ボトルをかなりのバラエティで揃えていて、 友人とはアミューズ・ブーシェをグラスのシャンパンで味わい。最初の2コースをアルザスのホワイト・ワインのハーフ・ボトル、 メインの鶉料理をシャトーヌフ・デュ・パプのレッド・ワインのハーフ・ボトルで味わったのだった。
加えてソムリエと話している間に、ソムリエが味見させてくれたのが 彼女がお気に入りのフランスのリージョン、アルボアのワイン (上の写真のワイングラスの隣のボトル)。アルボアはユニークなワインが多いリージョンだそうで、 実際このワインも、レッドとホワイトの中間のような 面白い味わいが楽しめたのだった。

私は昨年このコーナーに書いた”エステラ”のように、 自分で料理する時のインスピレーションを与えてくれるようなレストランがとても好きであるけれど、 ガブリエル・クルーターのように自分では絶対に出来ない料理を食べさせてくれるレストランというのも お金を払う価値があると思っていて、 個人的に一番避けたいのが「不味くはないけれど、美味しい訳でもない」高カロリー&高脂肪の料理を食べることと、 「そこそこに美味しいけれど、何て事も無い」レストランに大金を払うこと。
ガブリエル・クルーターについては、サービスからお料理まで、全て満足がいく素晴らしさだったけれど、 プリフィックスのお値段が98ドルと思って安心していたら、受け取った請求書は タックスとチップを含めて1人約250ドル。 とは言っても、このレベルのフレンチやマルチ・コースのプリフィックス・メニューを出すレストランの中では、これは良心的なお値段。
アルコールさえ控えれば、もっと安価に食事が出来るけれど、 フランス料理の醍醐味は やはり美味しいワインと共に味わうこと。 加えてガブリエル・クルーターは、そう何度も足を運ぶタイプのレストランではないだけに、 ソムリエと話し合って 好みのワインをお料理とペアリングして、満足感を得ることに力を注いだ方が 遥かに楽しめると思うのだった。

Will New York 宿泊施設滞在


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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