Sep. Week 5, 2017
”The Most Expensive I LOVE NY Tshirt”
”最も高額なI LOVE NY Tシャツ & スローバック”
世の中のドレス・コードがどんどんカジュアルになる一方で、どんどん高額になっていくのがカジュアル。
特にミレニアル世代は600ドルのパンプスは買わなくても 650ドルのグッチのスニーカーを買い、
ドレスに400ドルを支払うのを渋ったかと思えば、探し当ててまで480ドルのジーンズを買ったりするのだった。
もちろんカジュアルの方がパンプスやドレスよりも着用する回数が遥かに多いのに加えて、
若い世代でも高収入を上げているIT企業やデザイン、メディア、広告業界は通勤着もカジュアル。
このため昨今では高額カジュアルを着用している方がリッチに見えて、スーツやタイを着用しているとメーシーズの紳士服の販売員のように見られてしまう傾向さえあるのだった。
そんな高額カジュアルには、ただ穴が開いていたり、破けているだけに見えるTシャツやジーンズも少なく無いけれど、
それに400ドル、600ドルといったお値段がついているのは全く珍しくないこと。
そんな中、私が500ドル、600ドルを支払っても仕方ないと思えるのが ここにご紹介するフィリップ・プレインのTシャツ。
写真上は、そのフィリップ・プレインの最も高額なI LOVE NY Tシャツであるけれど、表裏にプリントがあしらわれているだけでなく、
フロントの真っ赤なバラのスカルには ぎっしりとクリスタルがあしらわれているというラグジュアリーなディテール(写真下)。
ファッション・ウィークの期間中にも、モデルを中心にフィリップ・プレインのTシャツを着用するパーティー・ゴーワーが
かなり多く目撃されていたのだった。
フィリップ・プレインはスイス出身のデザイナーで、いかにもダウンタウンのファッショニスタが好みそうなラグジュアリー・ストリート・ファッションを手掛けながらも、
彼自身はアッパー・イーストサイドの住人。
スカルのモチーフを使ったアパレルが非常に多いとあって、そのモチーフがTシャツにも反映されているけれど、それと同時に
”I LOVE NY”のメッセージをアパレルに盛り込まれることも多く、このページの一番上で紹介した真っ赤なバラのTシャツは税込みで約600ドル。
写真上、上段のTシャツで約400ドルという高額ぶり。
写真上、下段は、9月に行われた2018年春のランウェイ・ショーにフィーチャーされたユニセックスTシャツで、一足先にフィリップ・プレインのウェブ・サイトで紹介されて大人気となっているもの。
フィリップ・プレインはメンズも手掛けていて、写真下上段右側のTシャツは、精巧なデジタル・プリントとは言え 税込み何と1450ドル。
また彼はフロイド・メイウェザーのお気に入りでもあり、彼の50連勝記録のTシャツ(写真下、上段左側)も手掛けただけでなく、彼のトレーニング・ウェアもデザイン。
フィリップ・プレインは、言ってみればストリート・ファッションのジャンニ・ヴェルサーチのような存在で、まだまだ知る人ぞ知るブランドでありながら、値段に糸目をつけないクリエーションをするので、
メイウェザーのようなビリオネアやマルチ・ミリオネアにファンが非常に多いのだった。
なので彼のTシャツを着ているだけでも 分かる人は一目置いてくれるけれど、私が気に入ったのは写真下、下段のシークィンで
スカルをあしらった税込みで約460ドルのTシャツ。この価格は アメリカでは平均的なダイアン・フォン・ファーステンバーグのドレスのお値段と同等。
そう指摘されながら 巧妙にあしらわれたシークィンをチェックすると、「だったら、フィリップ・プレインのTシャツの方が特別な感じがする」というリアクションを示す人が少なく無いのが実情。
私自身は10年近く着用しているフーディーもあるだけに、自分が納得する限りはカジュアルに投資をするのは決して悪い事ではないと思っていて、
フォーマルに投資するよりも確実に元が取れると思うのだった。
さて、ここからはスローバックで、まずは9月2週目のこのコーナーにご紹介したオールバーズが、
今週ソーホーのプリンス・ストリートにショップをオープンしたので、早速その噂のスニーカーをチェックしてきたけれど、
その軽さ、履き心地の良さ、通気性は期待した以上。
メディアでは「足に枕を与えてあげたような感触」とまで言われているけれど、私が半信半疑だったのは メリノウールという素材がどうしてスニーカーになりえるのか?ということ。
でもオールバーズのメリノウールは、人間の髪の毛の20%の太さという極細のファイバーで織り上げられたもので、従来のメリノウールの概念を覆えすもの。
洗濯機でも洗えてしまうのがこのスニーカーで、インナーソールが心地好い上に、真夏に素足で履いて、長時間歩いてもスタン・スミスのように蒸れることがないのも大きな魅力。
ソーホーのストアの奥にはトレッドミル(ランニングマシン)のようなマシンがあって、実際に何分も歩いて履き心地がチェックできるようになっているのだった。
同店のオープンに際して、写真上右側下のインディゴ・デニムのようなカラーがエクスクルーシブのリミテッド・エディションとして発売されていたけれど、
私のピックはやはりオール・ホワイトのもの。あまりに快適なので、気温が下がってもノーソックスで履き続けてしまいそうなのだった。
もう1つのスローバックは先週のこのコーナーでご紹介したハナキュアのマスク。
私は1回目のトリートメントの後に先週のコラムを書いたけれど、驚いたのはトリートメントの翌日、その次の日と、
時間が経過しても肌が改善し続けたこと。通常のマスクのように、トリートメントの直後だけ肌の調子が良くなるという状況とは異なっていたのだった。
加えて初めてマスクをした時の私の顔には、2週間前から私を悩ませていた原因不明のアクネのような出来物が2つあって、アクネよりも
根が深くて悪質なので、手をこまねいていたのだった。ところがマスクの直後からそれらが改善され始めて、4日後にはかさぶたのような分厚くなった皮膚がシャワーの中でポロリと剥けて
出来物ごと落ちてしまったのだった。
2週間以上 居座った出来物なので、さすがに未だ色素沈着は残っているけれど、皮膚が平らになって出来物自体が無くなってくれただけで私は万々歳。
調べてみると、ハナキュアは写真上のように かなり悪質なアクネの改善にも効果があるとのことなのだった。
いずれにして時間の経過と共に更なる効果を実感させられてしまったので、ハナキュアを使い続ける決心をしたのだった。
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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に
ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。