Oct. Week 1, 2014
” Ignacio Mattos / Estela ”
イグナシオ・マットス / エステラ


私が今年の春 オープンしたばかりのレストラン、エステラを訪れたのは9月初旬の頃。
Cube New Yorkで 不動産コラムを書いて下さっている松村京子さんと、コラムのミーティングをしようと訪れたのが同店。 私はいつも、スケジュールをびっしり入れすぎて、夕方過ぎの待ち合わせには10分遅れになることが多く、 この日も例によって遅れを謝るために京子さんに アイフォンからメールを送ったところ、 さすがにいつもプロフェッショナルな京子さんは既にエステラに到着していて、 あまりにレストランが混み合っているのに驚いていたのだった。
実はエステラは、1日に受け付ける予約が僅かで、残りのテーブルはウォークイン、すなわち ふらりと立ち寄って、待ち時間があるかもしれないけれど、待っていればテーブルが取れるというシステム。 でも、テーブル待ちのお客が多そうだったので、メールで「他の場所にします?」 と京子さんに尋ねたところ、「店内のお客が食べているお料理が あまりに美味しそうなので、 たとえ待たされても ここでOK」 という連絡をもらったのだった。
エステラは、オープン当初は地味なデビューであったけれど、口コミで評判が広まり、 某フード誌が選んだ「2014年にオープンした全米のレストラン」の第3位に選ばれた店。 見た目の派手さや飾り気は無いものの、レストラン自体は居心地が良くて、 料理は独創的でありながらも、純粋に美味しく、 何時でも、そして いくらでも食べたくなる味わい。
客層はソーホー&ノーホーのファッショナブルで トレンディなクラウドに加えて、 ヒップスター系、アーティスト系、ファイナンス系など、ありとあらゆるニューヨーカーが集まっているという印象。 旅行者は殆ど居ない感じで、そんな客層の良さもアピールして、同店の人気はどんどん高まっていったのだった。







私が京子さんとエステラで初めて食べたディッシュは、エアルーム・トマトとイチジクのサラダ。 隣のテーブルの人がオーダーしていたのが美味しそうだったので、私達もオーダーしてみたけれど、 なんとトマトとイチジクの上に振りかけられていたのが、粉々に砕いた桜海老。 海老の甘さとドレッシングの塩味が絶妙で、そんなシンプルなサラダを食べただけで、私はエステラのシェフに惚れ込んでしまったのだった。

そこで、家に戻って同店のシェフについてグーグルしたところ、 そのシェフ、イグナシオ・マットスは、独立の直前までは私のお気に入りのイタリアン・レストラン、イル・ブッコで5年間シェフを 努めていたということを知ったのだった。
でもエステラでの彼のクッキングは、前述の桜海老や柚子など、本来の彼の好みであるアジアのフレーバーが 随所に取り入れられたイタリアン。 決して奇抜ではなく、誰が食べてもお世辞無しに美味しいのがエステラの料理で、 オバマ大統領が国連総会出席のためにニューヨーク入りした際には、 ディナーで訪れたというエピソードもあるのだった。
私は正直なところ、オバマ支持者とは言いがたいけれど、 今のニューヨークにやってきて、エステラでディナーをするというのは そのコーディネーションをした人物がかなりの食通であるといえるのだった。。








エステラのシェフ、イグナシオ・マットスは、前述の通り以前はイル・ブッコでシェフを務めていた人物で、 その時代に、レストラン界のオスカーと言われる、ジェームス・ビアード・アウォードにノミネートされたほどの手腕の持ち主。
そんな彼が 以前ストーンバーンのブルー・ヒルのソムリエであったトーマス・カーターとの パートナーシップでスタートしたのがエステラ。 したがって、ワインリストも、コンパクトながらも美味しいラインナップが揃っていて、 行く度に、お料理だけでなくワインも楽しめるのが同店。
食する人々をエキサイトさせる、どこか懐かしくて、斬新な料理をクリエイトしたいと語るイグナシオ・マットスの シグニチャーと言われるディッシュは、イカ墨のリゾット、ビーフ・タルタル、ムール貝を乗せたトースト、 リコッタチーズのダンプリング等、いずれも他では絶対に味わったことが無い素晴らしいフレーバーの料理ばかり。 特に生の肉を食べているとは思えないビーフのタルタル、極薄にスライスされたマッシュルームに覆われたリコッタ・チーズのダンプリング、 そして、ブラッタ・チーズを乗せたトーストとグリーン・サルサは私のお気に入りで、 本当にどうしてこんなにシンプルな食材を用いただけで、こんなに美味しい料理になるのか、 全く不思議に思えるのだった。 私は仕事柄、新しいレストランをどんどんトライしなければならないので、 同じレストランを何度も訪れることは殆どないけれど、 エステラについては、メニューを片っ端からトライしてみたくて、過去1ヶ月の間に3回も訪れている状態。 少し前から、同店ではブランチもやっているので、ブランチ・メニューも是非トライしたいと思っているけれど、 そのブランチの人気アイテムとなっているのが、半熟の目玉焼きをデニッシュに挟んで、パンチェッタ、アヴォカドを加えたのサンドウィッチになっているのだった。

エステラは昨今、益々の人気でテーブルの待ち時間も益々長くなっているけれど、 同店を訪れるコツは、 出来れば予約を入れること。
予約が取れなかった場合には、少人数で出掛けること。 そして、メートルディーに対してフレンドリーにすること。 時間帯は午後6時頃と9時以降が比較的、待たずにテーブルにつけるのだった。

私はこれまで、イレブン・マディソン・パークのダニエル・ハムがニューヨークのNo.1シェフだと思ってきたけれど、 イグナシオ・マットスの料理を味わってからは、彼が今のニューヨークのNo.1シェフだと思い初めているほど、 彼に惚れ込んでいる状態。
なので、これからもまだまだ同店をリピートして訪れると思うのだった。

Estela
47 Houston Street
ウェブサイト:http://estelanyc.com



Will New York 宿泊施設滞在



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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