Nov Week 1, 2012
” Truffle Oil, Salt & Butter ”
”トリュフ・オイル、ソルト & バター ”



私がこの季節になると、むしょうに 行きたくなるレストランが アッパー・イーストサイド、レキシントン・アベニューにある Sette Mezzo/セッテ・メッツォ。
ここでは メニューには載せていないものの、ホワイト・トリュフのパスタが この季節の名物になっていて、 それがヤミツキになるような抜群の美味しさ。 でもヤミツキになれない理由は そのお値段の高さで、メニューに載せていない理由もお値段が高すぎるため。
では、どうしてそんなに同パスタが高額かといえば、クリーム・ソースにイタリアから直輸入の高額ホワイト・トリュフが入っているだけでなく、 テーブルに運ばれてきた段階で、さらにトッピングとして トリュフを目の前で たっぷりグレーディングして振りかけてくれる贅沢さのためで、 トリュフのフレーバーが存分に味わえる 絶品パスタなのだった。

同店は アッパー・イーストサイドのリッチな住人が常連客とあって、200ドル以上の高額パスタを出しているにも関わらず、 クレジット・カードを受け付けず、キャッシュ・オンリー。 でも私は このパスタを、ヴィール・ミラネーゼのカツレツと、同店の名物デザートであるチーズ・ケーキと共に味わうのが大好きで、 トリュフの季節になると 銀行でキャッシュを引き出してから、 ウキウキして出掛けていたのだった。

ところがある時 気付いたのが、私はそれまで 以前のボーイフレンドを含む、7人の異なるディナー・コンパニオンとセッテ・メッツォに出かけていたけれど、 後にその全員と ことごとく絶縁状態になっているということ。 なので、それに気付いてからは、友達を同店へのディナーに誘えなくなってしまい、以来、同店には一度も足を運んでいないのだった。
見方を変えれば、絶縁したい人とディナーをするのに最適な場所ということになるけれど、 食事を美味しく味わうには、ディナー・コンパニオンは重要な要素。 特にそれが、高額の絶品パスタとなれば、絶縁したいような相手とは 決して一緒に味わいたくないのだった。




セッテ・メッツォに行けなくなってからというもの、様々なレストランでホワイト・トリュフのパスタを試したけれど、 未だに満足するようなディッシュにめぐり会えたことがなく、 高い割に全然美味しくなかったのが、パリのミシュラン3つ星、ル・ムーリスで味わったホワイト・トリュフのリゾット。
そんな失望が続いたある時、 自分で作ったクリーム・ソースのパスタに、ホワイト・トリュフ・オイルを掛けたものが 思いのほか 美味しかったことから、友達を失うリスクを冒してまでセッテ・メッツォに行くは諦めて、 自分でホワイト・トリュフのパスタを作ることにしたのだった。

ホワイト・トリュフのオリーブ・オイルは、食材としてはかなり高額なもの。 写真一番上のオイルは、60mlボトルがウィリアム・ソノマで約80ドルで販売されていたけれど、それが今週に入って50ドル台に ディスカウントされていたので、早速オーダーしてしまったのだった。
ホワイト・トリュフのオイルは、ボトルを開けたての時点では、ちょっとガソリンっぽい香りがすることがあって、 個人的には、ボトルを開けて少し時間が経ってからの方が好み。一度にそれほど沢山使うものではないので、 60mlボトルは かなり使いでがあるのだった。




パスタを美味しく作る方法として 私が実践しているのは、 ホワイト・トリュフ・バターをソースに使って、 食べる寸前にトリュフ・オイルを振り掛けるというもの。 ホワイト・トリュフ・バターは、写真上左のダルタニャンのものが最も流通しているけれど、グルメストアで大体7〜8ドル程度。 オイルに比べるとずっと安価で、パスタ・ソースにトリュフの風味とバターのリッチさを加えてくれるのだった。
バターとオイルを一緒に使って、トリュフのフレーバーをレイヤーにすると、非常に味わい深くなるけれど、 この時大切なのは、パスタのシェイプ。フィットチーネのような平たいパスタを使った方が、 パスタの表面積が広い分、貴重なホワイト・トリュフ・オイルやバターを使ったソースの味が、しっかりパスタに絡んでくれるのだった。

バターは、パスタ・ソースだけでなく、リブアイ・ステーキの上にのせると、普通のバターよりも ステーキの味わいが 遥かにアップ。 また、私がホワイト・トリュフ・バターをのせるのを 特に好んでいるのが、 写真下左のヴィール・チョップ。ステーキもヴィールも、焼きあがって 食べる直前に肉の上に ホワイト・トリュフ・バターをのせるのが 一番効果的な味わい方なのだった。

オイルとバター以外で、トリュフの味わいが楽しめるのは、 写真上右のトリュフ・ソルト。 こちらは写真上の3.5オンス(約99g)入りのボトルが 約30ドル。ソルトもオイル同様、見た目よりもずっと使いでがあるのだった。





トリュフ・ソルトは、同じトリュフでも ブラック・トリュフを使っているので、ホワイト・トリュフのオイルやバターとはミックスしないで、 普通のバターと一緒に使うことが多いもの。
このトリュフ・ソルトのインストラクションには、スクランブル・エッグやベイクド・ポテト、バター・ポップコーンに振りかけるように書いてあるけれど、 スクランブル・エッグは 確かにこのソルトで 抜群に美味しくなるのは事実。また、スクランブルだけでなく、ハーフ・ボイルド(半熟)の卵に振りかけても美味。

それ以外に私がトライしたのはグリルしたコーンに振りかけること。 というのは、私はポップコーンがあまり好きではないためで、でもポップコーンに合うのならば、コーンにも合うだろうと思って試してみたら、 案の定、あまりに美味しくて、あっという間にコーンを1本平らげてしまったのだった。 コーンは表面にブラシで溶かしバターを塗って、それからトリュフ・ソルトを振りかけるのが美味しい食べ方。

他には 写真上、下段右のような ピッツァ・ビアンカやフラット・ブレッドに振りかけても美味しいのがトリュフ・ソルト。 もちろん、ピッツァ・ビアンカにはホワイト・トリュフのオイルをかけても、ホワイト・トリュフのバターを塗っても美味しいけれど、 個人的には ホワイト・トリュフの味わいを存分に楽しむには、やはりクリーム・ソースのパスタが一番だと思うのだった。
もちろん、本物のトリュフが使えれば それに越したことは無いけれど、 トリュフは季節が限られている上に、超高額の食材。 その点、オイルやバター、ソルトであれば、それよりはるかに安価で、一年中 何時でも、思い立った時に トリュフの風味が料理に加えられるという点で、 自分で料理をする人には 非常に有り難い食材だと思うのだった。

とは言っても 世の中には、信じられないことに 「トリュフの味があまり好きではない」という人も居るのが実情。 したがって、ゲストの料理に トリュフの食材を使う際には、 トリュフが好きな人だけ 振りかけたり、塗ったり出来るようにサーブする方が、食材を無駄にせずに済むので、 ホストにとってもゲストにとってもベターと言えるのだった。





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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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