Dec. Week 1, 2014
”Jungle Bird & Lost Spirits Rum”
ジャングル・バード&ロスト・スピリッツ・ラム


私がバーやラウンジに日本人の友達と出かける度に、よく訊かれるのが 「いつもカクテルは何をオーダーするの?」という質問。
実は私は、 カクテルは高カロリーなので 飲まないようにしていて、もっぱら飲むのはワインかシャンパン。 カクテルはシロップやジュースなどの糖分が沢山入っているので、そのカロリーは360〜500カロリー。 ものによっては800カロリーという、スターバックスのフラッパチーノか?、 シェイクシャックのバーガーか? という高カロリーぶり。したがって甘くて口当たりが良いものほど要注意なのだった。

でもワインがメニューに無いバーや、どう考えてもろくなワインが出てこないようなバーでは、 私もさすがにカクテルをオーダーするけれど、アメリカ人の友達というのは 往々にして オーダーするカクテルのレパートリーを いくつか持っているもの。
高額なバーや、本格的なバーであれば、多種多様なリカーやフルーツジュースを揃えているので、 ファンシーなカクテルをオーダーする傾向にあるけれど、安価で、パッとしないバーは、 ファンシーなカクテルの名前を言っても バーテンダーが理解しないことさえあるので、 そんな時は どんなバーにでもあるお酒を使ったドリンクをオーダーする傾向にあるのだった。
またスタイリッシュなバーでも、カジュアルなバーでもドリンク・メニューをあえて持たない店も少なくないので、 日ごろからオーダーするカクテルやドリンクを決めておく方が、ナイトライフ・サヴィーだと思ってもらえるのだった。

カクテルをオーダーする場合、ニューヨークという土地柄を考えたオーダーをすることも ある程度は大切。
例えば、少し前に日本からやってきた知人は、まず「せっかくマンハッタンに来ているから…」といって、 ”マンハッタン”をオーダーしたまでは良かったけれど、 それが苦手のウィスキー・ベースのカクテルとは知らずにオーダーしたので、一口飲んでウンザリ。
次に”ダイキリ”と言ってバーテンダーに断られ、その次に”キール・ロワイヤル”、もしくは”キール”といってまた断られ やっと受けてもらえたオーダーがウォッカ・マティーニ。 ところが 「ウォッカは何にする?」とバーテンダーに訊かれたその知人は、全くウォッカのブランドが頭に浮かばず、 頭を抱えてしまったので、私が横から「グレーグース」をサジェストしたような状態なのだった。

私は、ニューヨークでダイキリというカクテルは見たことが無くて、パリではアペリティフとして今も人気の、”キール・ロワイヤル”、”キール”も ニューヨークでは かなりオールド・ファッションな印象で、オーダーしている人は見たことが無いのだった。
また、ニューヨークではジンやウォッカ、テキーラなどのブランドにこだわる人が多い上に、 そのブランドによってドリンクのお値段が大きく変わるので、自分がオーダーしたいプライスレンジのお酒のブランドを知っておくことも大切。

ついでに言えば、リッチな人がドリンクを払ってくれる場合に備えて、高額レンジのブランドやラインの知識を得ておくと、 リッチでお酒が好きな人というのは、「一流のお酒の味が分かる」という人には 高額リカーを喜んで振る舞う傾向があるので、 自分では絶対に払いたくない お値段のドリンクが味わえたりするのだった。







私はお酒が好きだし、かなり強い方でもあるけれど、それでも2日酔いにならないために 気をつけるのは お酒の種類をミックスしないこと。
なので、私の場合は ワインとシャンパンを飲み続けることになるけれど、食後酒のカルバドスやグラッパはミックスしても悪酔いしないお酒。 でもそれ以外のお酒は、ジンでも、ウォッカでも、スコッチでも、ワインとミックスすると悪酔いする傾向があるのだった。
そんな私が唯一ワインとミックスして、悪酔いしないのがラム。 このため、私はワインを飲んだ後のカクテルはラム・ベースをオーダーすることが多くて、私が好むのは断然 ダーク・ラム。 これにパイナップル&ライム・ジュースをミックスしたカクテルを好んでいて、いつもバーテンダーには これを言って、適当なカクテルを作ってもらうのだった。

つい最近バーに行った際にも、ダーク・ラム+パイナップル&ライム・ジュースのリクエストをバーテンダーにしたところ、 若い女性バーテンダーが作ってくれたのが、それにカンパリとシンプル・シロップを加えた”ジャングル・バード”というカクテル。
私は今まで 散々同様のリクエストをしてきたけれど、”ジャングル・バード”という名前を聞いたのは初めて。 味わってみると、黒砂糖のような甘みがライム・ジュースと絶妙にマッチした 飲みやすくて、とても美味しいカクテルで、 すっかりこれを気に入ってしまったのだった。
聞けば、このカクテルは昨今、様々なバーでオーダー出来るほどポピュラーとのこと。 なので早速 翌日グーグルしてみたのだった。 すると、シカゴやマイアミでも ジャングル・バードは昨今、人気のカクテルとして浮上していて、 特にシカゴでは 大人気のバー、アヴィアリーがその一風変わったバージョン(写真上、上段右)をサーブして、 それが目下、シカゴのベスト・カクテルになっているというのだった。







ジャングル・バードは、クアラルンプールのヒルトン・ホテルで1978年に生まれたものだそうで、 これに用いられるのは スミス&クロスのような トラディショナルなジャマイカン・ダーク・ラム。
でも私が出掛けたバーで使われていたのが、写真上のラベルのロスト・スピリッツ・ラム。 カリフォルニアで生産されているラムであるけれど、 ネイビー・スタイルと言われる強さ。 このネイビー・スタイル、もしくはネイビー・ストレングスとは、海軍の軍人が毎晩飲んでいるような強いお酒という意味であるけれど、 カクテルなので、その強さは さほど感じず済むのが実際のところ。

私が黒砂糖のような甘みと思ったのは ラムに含まれるモラセスで、これは 砂糖を精製するときに出る廃糖蜜。しかもグレードAなので上級のモラセス。 これにシェリーを加え、アメリカン・オークの樽で眠らせたというのがロスト・スピリッツのラム。
このラムの深い甘味が、前述のようにライム・ジュースとマッチする一方で、カンパリの苦味を心地よく緩和させて、 とてもバランスの良いカクテルに仕上がっていたのだった。

なので、私がこれから出かけるマイアミでも、ラウンジに出かけたら ジャングル・バードをオーダーしようと思っているけれど、 私が日ごろ カジュアルなバーでオーダーするドリンクは至ってシンプルで、 ウォッカ・トニックか、ウォッカ・マティーニ。 そしてそれを飲んでいるうちに、友人がオーダーしたカクテルで美味しいものがあれば、2杯目にそれをトライするのが常。
以前 このコーナーで紹介したザ・ノーマッド・バーのように、有名なミクソロジストが居て、 オリジナル・カクテルが売りのバーに出掛けた場合は カクテル・メニューから選んでオーダーするけれど、 俗に ”デザイナーズ・カクテル”と呼ばれる こうしたドリンクは、とにかく高額。 しかも少量しかグラスに入っていないけれど、高カロリー。
したがって、私は ”散財した上に 太る” というダブル・ワミー(2つ悪いことが重なること)を防ぐためにも、やはりワインをオーダーしてしまうのだった。


Will New York 宿泊施設滞在



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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