Dec. Week 3, 2014
”Holiday Market in NYC”
ホリデイ・マーケット in NYC


ホリデイ・シーズンのニューヨークで、イルミネーションと同時に名物になっているのが、 ホリデイ・マーケット。
これはサンクスギヴィング・デイが終わった頃から、毎年ニューヨークの様々なエリアで 行われている、いわゆる露天市。 かつては出店している店の数が限られて、その店も小ぢんまりして、 商品のバラエティも限られていたけれど、今ではマーケットの規模がどんどん大きくなって、 出店する店がどんどんグレードアップ。 魅力のある商品が店先に並ぶようになって、どんどんエンターテイメント性を増しているのだった。









中でも、今年最も賑わっていると同時に、大規模になっているのがユニオンスクエアのマーケット。(写真上)
ここは、全店を簡単に見て回るだけで1時間以上を要するほどの出店数。 アクセサリー、ホリデイ・オーナメント、アパレル系のショップから始まって、インテリア・グッズ、キッチン・グッズ、 アート、ステーショナリー、アイデア小物、スキンケアなど、ありとあらゆるバラエティの商品が揃っていて、 場所柄、最も客足を集めているマーケットでもあるのだった。
もちろん、フードの屋台も出ているけれど、ホリデイ・マーケットの名物ドリンクになっているのは、 アメリカ人がこの季節に好んで飲むホット・アップル・サイダー。 サイダーと言っても炭酸が入っているわけではなくて、絞りたてのりんごジュースを温めたような味わい。
ニューヨークではエッグノックよりもホット・アップル・サイダーの方が、ホリデイのノスタルジーを感じさせるドリンクになっていて、 私もこの季節になると、1度は味わうのがホット・アップル・サイダーなのだった。

マーケットで売られている品物の多くは、旅行者のお土産に適していたり、アメリカで ”ストッキング・スタッファー”と呼ばれる、 暖炉や窓辺に吊った靴下の中に入れて贈る、小さめのギフトに適したもの。 アメリカでは大きなギフトは クリスマス・ツリーの下に置いて、小さめのギフトは 家族それぞれの名前が書かれた靴下の中に入れておくのが習慣。 どちらもクリスマスの朝に、家族が揃ってプレゼント開けるというのが伝統になっているのだった。









マンハッタン内で それ以外の有名なホリデイ・マーケットと言えば、まずブライアント・パーク。(写真上、上2段)
5番街の市立図書館の裏側にある同パークは、夏は屋外での映画上映が行われるけれど、 冬になるとスケート・リンクがオープンして、大きなクリスマス・ツリーが点灯されて ホリデイ名所の1つとなる場所。 そのスケート・リンクを取り囲むようにして、オープンするのがブライアント・パークのホリデイ・マーケットで、 ここは毎年、温室のようなグラスハウスが店舗になって、最も見場が良い店構えではあるけれど、 いかにも露天市という感じの雑多な感じがなくて、平日であれば比較的ゆったり歩けるのだった。
このマーケットのアトラクションは、何と言ってもスケート・リンクで、スケートに訪れた人々が、お土産を買ったり、 スナックを購入しているのがこのマーケット。

最も歴史があるホリデイ・マーケットと言えるのは、グランド・セントラル・ステーション内のマーケット (写真上、下2段)で、ここはスタートしてから40年以上が経過する名物マーケット。
平日は75万人が利用するマンハッタンのど真ん中のメガ・ステーションとあって、 同マーケットへの出店はかなり高額。 それだけに、かなりエスタブリッシュされた小売店が目立っていて、マーケットそのもののオペレーションもかなりしっかりしている印象なのだった。

これ以外にも、コロンバス・サークルやブルックリンでもホリデイ・マーケットがオープンして賑わいを見せているけれど、 今年、変わったところでは、デザイナーのドナ・キャランがホリデイ・ギフトを集めたポップアップ・ショップをオープンしていたりするのだった。





かくいう私は目下、ライフスタイルを無駄無く、シンプルにするために 家の中の物を減らしている真っ最中。 したがって、ホリデイ・マーケットで小物やインテリア・グッズなどを購入している場合ではないのだった。
それでも 「買っておいても良いかな」と思ったのは、写真上のモロッカン・テーブルウェアや、モザイクのキャンドル・スタンドやランタン。 特にテーブルウェアは、あまりにカラーと模様が美しいので、てっきり飾り皿かと思ったら、 料理をサーブしてOKとのこと。 お皿は大きさから、深さまで様々なバラエティが揃っていて、安価なインテリア・ショップで売られているお皿とさほど変わらないお値段。 なので、マーケットがクローズする前に 時間を見つけて買いに行こうと思っているのだった。

私は買う物が無くても、こうしたホリデイ・マーケットを見て回るのは好きで、 その理由は お店や商品をチェックしたいからではなく、楽しそうにショッピングをしている人々を見るのが好きなため。
私自身は、今や殆どの買い物をオンラインで済ませてしまうし、マーケットに出店している殆どのショップも、 ウェブサイトで商品を販売しているけれど、ホリデイ・シーズンのイルミネーションで飾られたマーケットの中で、 わざと不思議なニット帽をトライして大笑いしていたり、異なる模様の小物を手に取って どちらを買うか、真剣に迷っている人などを見ていると、 何となく心が和んで、ホリデイ・スピリッツを感じてしまうもの。
その意味で、ホリデイ・マーケットは私にとってはホリデイ・シーズンの醍醐味の1つになっているのだった。


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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