Real Real-Estate Story in Brooklyn, NY
by Keiko Matsumura


ブルックリンを舞台にした不動産の実話コラム by 松村 京子

Vo.4 Dec. 2014



今回は実話コラムではなく、 オープンハウスの心得を理解して頂く目的で、 一般の方達のオープンハウスに対する誤った先入観や思い込み、以下7点についてご説明します。


1. 不動産を買う予定が無かったら、オープンハウスに出掛けても仕方がない



不動産を買う意思があっても、無くてもオープンハウスに出かけてみることは、 時に将来設計に変化をもたらすきっかけになります。
特に女性は、「不動産なんて、自分には買えない」、「結婚したら、その不動産はどうするの?」等と考えて、 不動産とは縁が無いと考えがち。 でもオープンハウスに出かけて、ブローカーと話しているうちに、 「この程度の頭金と、月々の支払いで不動産が買えるの?」という話になることが非常に多いのが実情。
その時には購入に及ばなくても、「これだけお金を貯めたら、アパートの頭金になる」ということが分かっているだけで、 その後のお金の使い方が変わってくるはず。 不動産というのは 上手く購入すれば、結婚や移転の際には、売ったり、貸したりで利益が得られるものなので、 自分の将来設計にマイナスになる心配は無いといえます。
ニューヨークには安い物件なんて無いと考える人は多いけれど、私がクライアントにいつも言うのは 「安いものから、高いものまで、何でもアリ!」ということ。 そんな掘り出し物にめぐり合うためには、オープンハウスに頻繁に出かけて、物件の相場や 不動産価値を理解して、 自分のライフスタイルにあった物件、投資に相応しい物権を見極める目や判断力を養うのが第一歩です。


2.オープンハウスへは、どんな服装で出掛けても構わない



オープンハウスに行くときは、まさに人のうちに土足で上がらないという姿勢で、教会に行くくらいの気持ちと ファッションでいくのがマナー。たとえ買う気が無くて、見に行くだけの場合でも きちんとした服装で出掛ければ、エージェントも丁寧に説明してくれるので、何らかの知識や情報が得られるし、 仕事とは言え、わざわざ時間を割いて物件を見せてくれるエージェントに対しても失礼にならないというもの。
買う気がある場合は、きちんとした服装でエージェントの心象を良くしておくと、いざ購入しようとした際にそれが有利に働く場合が多いです。


3.オープンハウスでは、ブローカーと出かける必要はない



購入の意思があっても、なくてもオープンハウスはブローカーと出かけるのがお勧めです。 というのは、ブローカーは物件をみれば、日当たり、騒音、間取りなどの問題点が直ぐに分かるものなので、価格と比較した適切なアドバイスができるのに加えて、 アメニティや、税金、メンテナンス・フィーなど、時にバイヤーが軽視しがちな物件の利点、問題点についても 教えてくれるので、単に物件を見た印象と価格を比較する以上の情報が得られるもの。
これを続けていくうちに、自分の予算内で、自分にとってベストの物件を見つけることができるので、数多くの物件を 出来る限りブローカーと一緒に見ることが不動産投資のサクセスにつながります。



4.オープンハウスでは、出来るだけ細かい事まで質問しておく



私がオープンハウスをしていて、一番困るのは、「何でこんなことを 今私に訊くの?」というような質問を受けること。
「このビルはペットフレンドリーですか?」は良いとして、「このビルの住人は動物好きですか?」とか、「ウチのペットはこの景色が気に入るかな?」って訊かれても、 「お引越ししてからのお楽しみですね」としか返事のしようがない。
また 売り手のエージェントに向って、「猫を飼っていて、彼女はこういう子で、こういう物音が嫌いで…」と説明しだしたり、 「私の趣味はXXXで、それにはこれくらいのスペースが必要で…」と、その趣味について 訪ねる物件ごとに毎回エージェントに説明したり、 「ウチ主人は物凄いイビキをかくけれど、ベッドルームの壁の反対側(=隣人宅の中)は何ですか?」等と しつこく尋ねられると、 エージェントは「もう喋らないで下さい」とは言えないので 聞いてはいるものの、 あまりにそれが続くと、だんだんと 「この人は不動産を購入する気は無くて、 誰かに自分達のことや、愚痴を聞いて欲しいだけなのでは?」と思われるケースさえ出てきてしまう。

エージェントの立場になったら 「そんなこと知るかぁ〜!」と言いたくなる質問ばかりしていると、 いざ物件が気に入って、購入のオファーをしても、売り手のエージェントに 「この人は、どうせ何も分かっていないから…」と思われて、 足元を見たような 要求や条件を提示される可能性もアリ。

逆にオープンハウスで聞くべきことは、メインテナンスにはどのような経費が含まれているか?とか、コープであればコープの審査に通る条件など。 コープの審査については、審査に通るのが難しそうだとエージェントが判断すれば、「ここはあなたのライフスタイルに向かないコープ」等と、 アドバイスをしてくれるはずです。


5.物件を買う気が無く、興味本位でオープンハウスに出掛けた時は、エージェントにそう伝えるべき



デパートでニットのセーターを見に行った場合なら、「May I Help You?」と寄ってきた店員に対して「Just looking, Thank you!」 と言ったとしても、店員には手間もかからないし、見ているうちに買うかもしれないと思うので、その後も感じ良く扱ってくれるもの。 でもオープンハウスに出掛けて、エージェントに「Just looking, Thank you!」はすごく失礼だし、エージェントに 「買う気が無いなら、何しに来たの?」と思われても不思議でないもの。
オープンハウスに出掛けるからには、高くて買えない物件でも興味を持って見て回って、適切な質問をするなどして 少なくとも不動産ハンティングをしている姿勢を見せるのがマナー。 エージェントにしてみれば、物件を買うのはたった一人のバイヤー。そのバイヤーを探すためにオープンハウスをして、 出来るだけ多くのポテンシャル・バイヤーに見てもらいたいと思っている訳だから、ポテンシャル・バイヤーとして オープンハウスを訪れることで、エージェントの労力が報われると考えてください。
また口に出して買う気が無いと言わなかったとしても、勝手にソファーやベッドの上に座り込んで、 ずっとスマホでメールをチェックするなど、いかにも物件に興味が無いという態度を取ったり。 許可無しにバスルームを使うのも失礼。あくまで他人の家だということを忘れずに。





6.物件が気に入ったか、気に入らないかは、売り手のエージェントにその場で伝えておく



私がオープンハウスにクライアントを連れて行く際に 必ず言うのは「あまり話さないでください」ということ。
その物件が気に入らなければ、何も言わずに去れば良い訳で、わざわざ「これがXXXだから、ここは嫌だ」という必要はナシ。
逆に もし気に入ったとしても、自分の事情や都合、物件を買う気があること等を ペラペラと売り手のエージェントに言ってしまうの大きなマイナス。 不動産購入のプロセスはポーカーのようなもので、自分の手を相手に見せるのは不利になることはあっても、 決して有利には働かないもの。
具体的に言えば、オープンハウスに出かけて「わぁ〜、この物件気に入った〜! 買いたいです! 予算よりも安いし…」などと手放しに喜んでると、売り手は 「バイヤーがこんなに買う気満々で、資金も充分あるのなら…」と 決して値引きに応じないどころか、別のオファーを受けたなどといって、値段を吊り上げようとするかもしれないので、 明らかに 買い手である自分に不利な状況を招いてしまう。 要するに、相手に自分の手のうちを明かせば、それだけゲームに負ける可能性が高まるということ。

私を始め、不動産ブローカーは、仕事上、何度もこの手のポーカー・ゲームをプレーしているから、こういうカードを出したら 相手がどうでるか というゲームの展開を過去の経験から理解しているし、取引を有利に運ぶのがブローカーの仕事。 したがって、売買の駆け引きはブローカーに任せて、バイヤーは口を閉ざしているのが一番。
もし物件が気に入っても、 その場で興奮したり、話し過ぎたりしないこと。 そこから不動産売買のゲームが始まってるということを肝に銘じて振舞ってください。


7.ローンを組むのは、気に入った物件を見つけてからにする



真剣に物件を買う意思があって、予算内の気に入った物件があれば 是非買いたいという場合は、 先にローンの準備をしてから物件を探す方が賢明。 というのもローンの審査に時間が掛かっている間に、気に入った物件が他のバイヤーに売れてしまうこともあれば、 自分が思っていた金額のローンが組めないこともあるため。
真剣に物件を買いたいと思う人であれば、 先にローンの準備をしておく方が、自分の気に入った物件を手に入れるチャンスが高まるといっても過言ではありません。

2015年からの オープンハウス・ツアーのスケジュールは、追ってお知らせします。不動産に興味がある方、 ニューヨークの不動産の相場に興味がある方、後学のために不動産マーケットを知っておきたいという方など、 購入目的以外の方のご参加も大歓迎です。


★執筆者 プロフィール ★
松村京子 不動産ブローカー。
千葉県出身、1988年渡米。コネチカット州立大学のビジネス専攻、卒業後、ニューヨークにある日系証券会社に9年間勤務。 ニューヨークの不動産賃貸マーケットの値上がりを察知し、1993年に居住目的の不動産を購入。 その自身の不動産購入がきっかけで、ニューヨークの不動産マーケットに興味を持つようになる。
9・11のテロをきっかけに、オフィスと自宅の行き来だけでニューヨークに住むのではなく、もっとニューヨークらしさが満喫できる仕事がしたいと考え、 大手不動産会社、Corcoran Group / コーコラン・グループに入社。以来、日本人だけでなく、 諸外国のクライアントを抱え、不動産ブローカーとして活躍。
現在ブルックリンでセラピー犬と暮らし、動物保護のボランティアにも熱心な毎日を送っている。

松村京子さんへのお問い合わせ先: kei@corcoran.com

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