New York's New Marketplace
ニューヨークの新しいマーケット・プレイス



ニューヨークにあるマーケット・プレイスとして頭に浮かぶ存在と言えば90年代に、9番街の15丁目と16丁目の間にオープンした チェルシー・マーケット。
ベーカリー、チーズ・ショップ、フラワー・ショップなどを擁する同マーケットは、オープン当時、 ニューヨークにとって新しいコンセプトが話題になったけれど、 ここに紹介するのは、2010年春〜初夏に新たにマンハッタンにオープンした2つのマーケット・プレース。
それぞれにユニークな品揃えやインテリアで集客を図るコンセプトで、 一味違ったショッピングが楽しめるエスタブリッシュメントになっています。




Limelight Marketplace / ライムライト・マーケット・プレース


教会を改造して作られた巨大ナイト・クラブとして80〜90年代にかけて大盛況を誇ったライムライト。
83年のオープンから、様々なジャンルのミュージック・シーンを提供し続け、クラブ・キッズのメッカとして ニューヨーカーであれば誰もが知るナイト・スポットであったけれど、 90年代に入ってからは90年代半ばからは、ニューヨーカーの寄り付かない、ブリッジス・アンド・トンネルズ(橋やトンネルを越えてくる、 マンハッタン外からの来店客)ばかりのクラブにレベルダウン。さらにはドラッグ売買が行われていたことで営業停止を繰り返す有り様。 2003年にネーミングを変えて 再スタート計画を図ったものの、2007年に永久的にクローズとなってしまいました。

その跡地に目をつけたのが、かつてソーホーにあったブティック、”ラウンジ” のオーナー。
”ラウンジ” とは、クラブ・ミュージックが大音量でかかる、小さなカフェを併設した2階建てブティック。 ソーホーの中心に位置していたのにも関わらず、脚光を浴びることなく数年でクローズしたショップだけれど、 まるで その”ラウンジ” を再現するかのようなコンセプトで 2010年4月にオープンしたのが ”マーケット・プレース”です。。


建物本体の教会は 歴史的建造物であるため、外観はそのまま保存しなければいけない上に、 外に出す看板にも厳しい規制が設けられているため、前を通っただけではここが マーケット・プレースに変貌を遂げたことは分かり難いけれど、 ひとたび足を踏み入れると、そこは別世界。
ライムライト時代からの教会のインテリアを生かしたヨーロピアン風のインテリアは、女性にアピールするスタイリッシュなデザインです。
地上3階の広々としたスペースには 60店舗分のスペースが設置されていて、現時点では90%が埋まっている状態。 中でも注目を集めているショップは、ブラジルのビーチ・サンダル・ブランド ”ハワイアナス”、 そして現在大流行中の ”ハンター・ブーツ”、 キャビアの老舗 ”ペトロシアン”、ニューヨーク発のチョコレート・ブランド ”マリーベル・チョコレート・バー”、 ブラジリアン・ワックス発祥サロン ”J シスターズ” など。
中でもハンター・ブーツは、アメリカで初のオンリー・ショップとなっています。
マーケット・プレース内はこうしたアクセサリー、コスメティック、インテリアを取り扱うショップ、カフェ&レストラン、ビューティー・サロン等が 軒を並べる他、トレンディなファッションとホーム・インテリアのギャラリーも設けられています。

でもライムライト・マーケット・プレイスが最も力を入れているように見受けられるのは デザート。
店内の至るところにケーキ&スウィーツ・ブティック、ベーカリーが見られ、 インテリアからパッケージまで女性の興味をそそるプレゼンテーション。買い物をしなくても眺めているだけで楽しくなるものばかりです。
チェルシー・マーケットが生活感が溢れているのに対し、こちらはお土産やギフト選びに最適な、少し特別なオケージョンを思わせるセッティング。 でも価格帯は庶民でも手が届く範囲。そんなリーズナブルなラグジャリーが、同マーケット・プレイスの魅力のひとつとなっています。

ターゲットは主に女性ですが、チェルシーという場所柄と中に入ったメンズ・シャツ・ショップ、アレキサンダー・ウェストの存在も手伝って、 ゲイを中心とした若い男性の姿も見られるのが同マーケット・プレース。
デイリー・ショッピングをするマダムから、プレゼント選びをする若い女性まで、年齢層も様々になっています。
2010年7月時点で、ガストロ・パブ、ピザ・ショップ、ワイン・バーが新たに建設中ですが、特に話題になっているのがピザ・ショップの ”グリマルディ”。 グリマルディはブルックリン・ブリッジのたもとに位置し、ガイドブックでもお馴染みの超有名ピザ・ショップであるけれど、 マンハッタンに進出するのはこれが初めて。
これらのフード関連の店舗が加わることで、さらに客層が広がることが見込まれています。
ライムライト・マーケット・プレースは、これまでに無い新しいスタイルのトレンド発信地としてもデザインされたスポット。 ナイトクラブ時代のイメージで、ライムライトというロケーションに偏見を持つニューヨーカーも多い中、 これから どのような展開が行われていくかが見守られるところです。



Limelight Marketplace
656 Avenue Of The Americas, New York, NY 10011
Tel: (212) 359-5600
Website: http://www.limelightmarketplace.com/index.html










Plaza Food Hall / プラザ・フード・ホール


イスラエルのビリオネアがプラザ・ホテルを6.75億ドルで買収したのは、今から6年前の話。
そして約400億円を投じて、ラグジュアリーなコンドミニアム兼ホテルにリノべートされた ”ザ・プラザ” がリオープンしたのは 2007年のこと。コンドの住人やホテルのゲストのニーズを満たすためのハイエンドなショップやレストランを擁して 華々しくリオープンを果たしたものの、高額な割りにレビューの悪いレストラン、集客力の弱いショップ、 これに加えてリセッションも重なり、レストランとショップのクローズが相次いだ上に、残っているテナントにも 集客力の弱いロケーションの割りにレントが高過ぎるとクレームを受ける状態。。
コンドミニアムも売り出し時に比べて 億円単位で価値が下がった物件もあり、今や3分の1以上が売りに出され、不動産業者も 避ける物件となってしまいました。

このため経営陣は 活気のないザ・プラザの再建に必死で取り組んでいることが伝えられて久しい状態。
その一環としてまずザ・プラザの1階に位置するレストラン ”パーム・コート” を改装し、アフタヌーン・ティー・カフェとしてリオープン。 サラ・ジェシカ・パーカーのバースデー・パーティーをホストするなど、セレブリティーからのサポートを取り付けようと、四苦八苦の経営を続けています。

でも再建プランのな中で、最も注目されていると同時に、成果が期待されているのは2010年6月にオープンしたベースメントのフード・コート & マーケット・プレイス、”プラザ・フード・ホール”。
同フード・ホールのコンセプトを手がけたのはセレブリティ・シェフのトッド・イングリッシュ。 トッド・イングリッシュと言えば、Wホテルに入る ”オリーブ” を始めとするレストランやバーを経営し、テレビ番組にも出演するイケメン・シェフ。
彼がイメージするフード・ホールは ロンドンの ”ハロッズ” やベルリンの ”カーデーヴェー” 等の ヨーロピアン・デパートメントのラグジュアリーなフード・ホール。 ダーク・ブラウンを基調とした落ち着いたインテリアは、ザ・プラザのクラシックなイメージを反映した優雅でエレガントな作りになっています。

フード・ホールには 異なるカテゴリーのフードをサーブしているステーションが8つ設けられています。
それぞれのステーションでは、うどん、ダンプリング、ピザ等の庶民的なメニューがサーブされていたり、フレッシュなオイスターやロブスターが味わえる 本格的なフレッシュ・シーフード・バーが展開されていたり、また別のステーションはワイン・バーになっていたりと、ヴァラエティに溢れるラインナップ。
テイクアウトをする人も多いけれど、カウンターやテーブルが設けられているので、その場で軽く食事を済ますことも可能になっています。
それ以外にも 野菜、果物、ベイカリー、チーズ、コーヒー&紅茶、スウィーツ等が販売されているけれど、 食材はフレッシュで良質なものばかり。
お値段については ザ・プラザ という場所柄とネーム・バリューのため ややプライシー。
でも そのお値段を払うだけの価値はあるようで、ニューヨーカーからは良いレーティングが与えられており、滑り出しは快調と言えるものになっています。

ホテルのゲストにとっては ちょっとしたお土産を購入したり、軽い食事をとるのに とても便利な存在のプラザ・フード・ホール。
でもトッド・イングリッシュがメイン・ターゲットとして狙っているのは そうした旅行者ではなく、近隣のオフィス・ワーカーや地元のニューヨーカー。
そのため、近隣のオフィス・ワーカーがランチ・タイムに気軽に立ち寄れるよう、高額メニューに混じって、お手頃価格のものもそのラインナップに加わっています。

オープン直後には5番街を挟んでザ・プラザの正面にメガ店舗を構える アップル・ストアでは、利用客にプラザ・フード・ホール10%割引のカードが渡される一方で、 セントラル・パークでは、PR用に製作されたフリスビーが配布されており、 これまで一般庶民にとって敷居が高かったザ・プラザのイメージを転換させようと、過去に例を見ないプロモーションが行われています。

ファッショナブルなカフェ、有名シェフのレストラン、ハイソなスーパーマーケットを全てミックスしたようなコンセプトのプラザ・フード・ホール。 スタイリッシュかつ、商品の質の高さが伺えるプレゼンテーション、妥協のないイメージ作りで、 新世代のフード・コート / マーケット・プレイスを実現しているのが同スポット。
リオープンを果たして以来、リセッションにも関わらず ハイソサエティーばかりをターゲットにした、 的外れな企画で ことごとく失敗してきたザ・プラザであるけれど、 今回のプラザ・フード・ホールは久々にメディアから評価を得ており、 長期に渡って業績低迷が続いていたザ・プラザのショップ・エリアにも 「やっと希望の光が見えてきた」と言われています。




Plaza Food Hall
1 West 58th Street, Concourse Level, New York, NY 10019
Tel: (212) 986-9260
Website: http://www.theplazafoodhall.com/index.php







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