Fall & Winter 2007 New York Collection

2007年秋冬NY コレクション・レビュー!!



On The Runway, What's New For The Season?


先シーズンに引き続き、ランウェイにおけるクリエーションが今ひとつパッとしなかった今回のニューヨーク・コレクション。
それと同時にパッとしなかったのは、会場に姿を見せたセレブリティたちで 一部の無名デザイナーのショーには、ブリットニー・スピアーズやシエナ・ミラー(写真左)が姿を見せていたけれど、 全体的な印象としては スター不在、客席のエキサイトメント不在のまま 幕を閉じた形になったのが今シーズンである。
話題となっていたのは、細過ぎるモデルをキャストしないデザイナーが増えてきたニュースや、 バック・ステージでモデル達に以前よりも豪勢な食事を振舞うデザイナーが多かったこと。
その一方で、ニューヨーク・コレクションのメイン会場は今回もブライアント・パークの特設テントとなったけれど、 これは期限までに新しい会場が探せなかったためのお情けの措置。 次回は会場を新しいロケーションに移さなければならないため、ラルフ・ローレン、ドナ・キャランといったデザイナーは 既に新たなロケーションを探してショーを行っており、今後ニューヨーク・コレクションが何処に テントを構えるのか?は 今回のファッション・ウィークで 人々があまり触れたくない深刻な話題となっていたのだった。

さてランウェイ上のトレンドについて触れておくと、カラーはブルー、レッド。ことにブラックとコントラストで用いるのが多く見られた例。 加えて今年はブラック〜濃淡のグレーがメイン・ストリームで、ブラウン〜ベージュ系は一休みといった印象。
素材では特にイヴニングにメタリック素材が非常に多く見られたのに加えて、久々にシークイン(スパンコール)がカムバック。 また、服にレザー・アイテムが少なくなっている分、今シーズン 最も用いられたアクセサリーと言えばレザーのグローブ。 それも肘の上まであるようなロング・グローブが 多くのコーディネートに用いていたもの。
ベルトでウエストをマークする傾向は引き続きであるけれど、そのポイントはロー・ウエストは完全にアウトで、ハイウエストのシルエットが リバイバル。 シューズやバッグはシンプルで、ロー・キーなものが多いけれど その分、今シーズンはストッキングにこだわるコーディネートが多く見られていたのも大きな特徴。 でも 「パンツ・ルック か 素足にブーツ」 を好むニューヨークの女性が 果たしてストッキングを履くようになるか?は微妙なところで、これまで何度も試みられては失敗に終わっているのが 「ストッキングのリバイバル」なのである。

全体的に、華やかさは無いものの 日常生活に取り入れ易い作品が多かった今シーズン。 好評だったデザイナーを挙げるとマーク・ジェイコブス、ヴィラ・ウォン、プロエンザ・スクーラー、マイケル・コース、デレク・ラム。 でもこれらのデザイナーを除くと、退屈で 同じような内容のショーが多く、プレスやバイヤーのリアクションも 至って退屈気味のものでした。
以下、主だったデザイナーの各コレクションをご紹介します。






写真上左より
フィロソフィー by アルベルタ・フェレッティ
今回はランウェイ・ショーではなく、展示形式のプレゼンテーションを行ったフィロソフィー。

イガル・アズローエル
これまでレディースのドレスが評価されてきたデザイナーであるけれど、メンズ&ウーマンズで発表されたコレクションは、 セパレーツのレイヤーを中心に構成されたもの。

オスカー・デ・ラ・レンタ
いつもながらカクテル・ドレスに秀作が多かったオスカー・デ・ラ・レンタであるけれど、 デイタイムのシンプルなコーディネーションもシックでスタイリッシュな作品が何点も見られていた。

マーク・ジェイコブス
今やニューヨーク・コレクションのメイン・イベントなっているマーク・ジェイコブス。 今シーズンはカラーパレットも、服のフォルムも、コーディネートも、アクセサリーに至るまで全てシンプルに纏められ、 トレンドを最もクリアに打ち出していたコレクション。

ロダート
素材使い、縫製テッニック、技巧的なシルエット等、クチュール的なクリエーションを見せるデザイン・チーム。 着こなしが難しいドレスが多いものの、作品としては評価が高いコレクション






写真上左より
ザック・ポーゼン
以前に比べて、独特の素材の切り替えや、ドラマティックなカッティングが控えめになってきたザック・ポーゼン。 その分インパクトに欠けるコレクションとなっていた。

デレク・ラム
今回バイヤーの間では最も評価が高かったコレクションの1つ。トレンディ過ぎず、 日常のオケージョンに着られる服から、フォーマル過ぎないドレスまでが揃っていた。

ドナ・キャラン
ドナ・キャランのシグニチャー・カラーであるブラックを中心に美しいカットとシルエットのコレクションを展開したけれど、 ナンセンスなヘッドピースは理解出来ないところ。

リーム・アクラ
ウェディング・ドレス、フォーマル・ドレスのデザイナーとして知られるリーム・アクラ。 カクテル・ドレスが中心のコレクションであったけれど、秀作と駄作の落差が激しかった。

J.メンデル
毛皮ブランドから イヴニング&カクテル・ドレスにテリトリーを拡大した同ブランドであるけれど、今回はこれに デイタイム・クローズを加えてグローバルなコレクションに仕上げていた。






写真上左より
カルバン・クライン
フランシスコ・コスタがデザインするカルバン・クラインは、ミニマリズムでシンプルなブランド本来の持ち味を出したコレクション。

テンパーレイ
デザイナー、アリス・テンパーレイのインスピレーションとなったのは革命の後、ロシアから逃れてパリに移り住んだ移民とのことで、 ロシアン・モチーフのアレンジが随所に見られたコレクション。

プロエンザ・スクーラー
ニューヨークの若手デザイナーの中で、目下一番の成長株と目されるプロエンザ・スクーラー。 今回のコレクションもプレス、バイヤーに大好評で、特に評価が高かったのがフィナーレを飾ったこのコート。

チャド・ ラルフ・リッチ
40代アップの女性をターゲットに確実にビジネスを伸ばしているブランド。 ゴージャスな毛皮使いと、イヴニングが印象的だったコレクション。

レラ・ローズ
全体的に春夏コレクションのような雰囲気の服が多かったけれど、フィナーレの写真のフィナーレのイヴニングは秀作。、






写真上左より
カルメン・マルク・ヴォルヴォ
本来、フォーマル・ウェア&ドレスのブランドとして知られるけれど、ショーの前半にはデイタイムの セパレーツ・コーディネーションも見せていた。

ヴィラ・ウォン
今回、好評を得たデザイナーの1人。2年前のプラダのコレクションを思わせるコーディネートもあったけれど、 シックで若々しく、しかもゴージャスなコレクションを展開。

マイケル・コース
毎シーズン、メンズ&レディス・コレクションとしては最も充実しているマイケル・コース。 今シーズンもアメリカのソーシャライト・ファッションのお手本のような作品で構成されていたコレクション。

ピーター・ソム
そのリアリスティックな服がバイヤーには好評なピーター・ソムだけれど、 今シーズンは、あまりボディ・ラインがきれいに見えない作品が幾つも見られていた。

アレクサンダー・ワング
エッジーとプレーン、アヴァン・ギャルドとコンサバが入り混じったコレクションは ちょっと支離滅裂な印象に仕上がっていた。






写真上左より
アン・クライン
独立前のドナ・キャランがデザイナーを務めていたアン・クライン。今シーズンはイザベル・トレドをデザイナーに迎えての デビュー・コレクションであったけれど、ブランドの力量を測るには未だ時期尚早といった感じ。

スリーアズフォー
ブラック、グレーを中心に21点を発表した小さなコレクション。ストッキングが服と完璧にコーディネートされていたのが印象的。

キャスリーン・マランドリーノ
フランス人バレリーナ、ジジ・ジャンメールをイメージしたコレクション。モデルが全員、ジジを真似たヘアで登場。

エリン・フェザートソン
殆どの作品が淡いグレーで占められ、殆どの作品にグレー、もしくはシルバーのストッキングとシルバーのシューズが コーディネートされていたコレクション。

リチャード・チャイ
コート、カーディガン、ドレス、ジャケット、ブラウス等、多くの作品のあらゆるアイテムがベルトでウエストをマークしており、 かなりハイ・ウエストでベルトが着用されているのが目立っていた。






写真上左より
トゥーレ
プリントもののブラウスやドレスに定評があるフェミニンなブランド。 今シーズンはそのプリントものがかなり少なめだった、

ヴィヴィアン・タム
マオ・カラーや刺繍等、引き続き随所にアジアっぽさを取り入れたコレクション。 セパレーツよりドレスにデザイナーの力量が発揮されていた。

BCBG
今シーズンも若々しいドレスを中心にコレクションを展開。

ジェイソン・ウー
全31点中、ブラックの素材を用いなかった作品は僅か3枚だった、ブラック中心のコレクション、

ノーム
ブラック&レッド、ブラック&ホワイトのカラー・コントラストでシャープに纏めたラインナップ。






写真上左より
3.1 フィリップ・リム
山高帽は大袈裟なアクセサリーであったものの、トレンドを的確に捉えたコーディネートし易いアイテムを揃えて 上手く纏められたライン。

ドゥーリ
かつてはゆったりした着易いシルエットの服が多かった同ブランドであるけれど、今シーズンはミニ丈とタイト・パンツで 若く仕上がったコレクション。

ビーナズ・セラフォー
デビュー・フィーバーが一段落して、このところスランプが続いているブランド。 今シーズンもインパクト不足の印象は否めないところ。

ミション・シュール
モデルの多くとデザイナー自身が洗濯女のようなターバンを巻いて登場。 服もメイドや妊婦に見えるものから、スタイリッシュなものまでが混じっていた。

トニー ・マティスヴスキー
オーストラリア出身のデザイナー。これまでフェミニンでキュートな服ばかりを手掛けてきた彼であるけれど、 コレクション前半では彼なりのマニッシュなラインを展開。






写真上左より
モニーク・ルーリエ
ウェディング・ドレス&イヴニング・デザイナーとして知られるモニーク・ルーリエ。 今シーズンのトレンドであるメタリック素材を用いたカクテル&イヴニングが目立っていた。

マルケーザ
このところシエナ・ミラーやジェニファー・ロペスが着用して、知名度が急激にアップしたブランド。 でも今回のコレクションに関しては、バイヤーの期待が空回りしてしまった印象。

ラルフ・レーレン
特に新しさは感じられないものの、いかにもラルフ・ローレンらしい落ち着いたコレクションを展開。 多くのメディアを飾ったのが写真のゴールドのイブニングであるけれど、手袋については首を傾げる声が圧倒的。

ダグラス・ハナント
今シーズンのトレンド・カラーであるブルーのライティングを用い、コレクション全体にブルーを感じさせる演出を行っていた。

ルカ・ルカ
作品の大半はホワイト&グレー。写真は数少ないベージュ&ペールゴールドのコーディネート。






写真上左より
ジル・スチュアート
以前よりロリータ・テイストが大人しくなって、アメリカでのマーケッタビリティを感じさせるようになった仕上がり。

DKNY
グレー&ブラック中心のコレクションに、イエロー、ブルー、ピンクといったビビッド・カラーが効いていたメンズ&ウーマンズのコレクション。

ベッツィー・ジョンソン
フレンチ・メイドのアウトフィットで幕を開けたコレクションはガーリッシュ・ルックのオンパレード。

アナ・スイ
いつもながら帽子、バッグ、シューズに至るまでのトータル・コーディネートで持ち味を発揮していたコレクション。

キャロリーナ・ヘレラ
エレガントに纏まったコレクション。多くのアイテムにコーディネートされていたジュエル付きのストキングは、ブーツ感覚で着用するもの。






写真上左より
へザーレット
パリス・ヒルトンがランウェイ出演をドタキャンしたと言われるけれど、代替モデルを使ってクラブ・キッズ・ファッションを展開。

二コル・ミラー
つい先ごろブランド誕生25周年を祝ったばかりの二コル・ミラー。昨年秋にサウス・ペルーを旅した際にインスピレーションを得た コレクションは、そのプリント選びやスタイルがトレンドから外れた仕上がりなっていた。

ダイアン・フォン・ファーステンバーグ
今シーズンも徹底してドレスで構成したコレクション。メディアがこぞって取上げたのは写真上のフューシャのドレス。

トレーシー・リース
ストッキング会社 「ヒュー」とのコラボレーションを展開した今シーズンは、ほぼ全てのドレスに ストライプや水玉のストッキングがコーディネートされていた。

ラッフィアン
昨年死去したファッション・アイコン 兼 ソーシャライト、ナン・ケンパーが50〜60年代に着用したワードローブに インスピレーションを得たというコレクション。






写真上左より
ナルシソ・ロドリゲス
今回もメンズ&ウーマンズで展開されたモダンでクリーンかつ シャープなコレクション。

サリ・ グエロン
ロー・キーで落ち着いたコレクション。それだけにエキサイトメントが感じられないのも問題点。

バッジリー・ミシカ
フォーマル・デザイン・チームだけあって、今もその持ち味はカクテルやイヴニングで存分に発揮されているものの、今シーズンは デイタイム・クローズでも着実に実力を付けて来ていることを感じさせていた。

アイザック・ミズラヒ
ランウェイに久々にカムバックしたアイザック・ミズラヒ。デザイナー本人は脚を怪我して 車椅子で挨拶に登場していた。

ルエラ
ドレスにもワーク・ブーツを合わせたり、ミリタリー・ルックをパンクっぽく着こなすなど、 いかにもロンドンのデザイナーというコレクションを展開したのが今シーズン。






写真上左より
カルロス・ミール
ブラジル出身のデザイナーが、ニューヨーク、サンパウロ(彼の出身地)、パリ(彼のブティックのオープン予定地)の 3つの都市をテーマにクリエイトしたコレクション。

アリス・ロイ
他のデザイナーに比べて、ニットアイテムを多数用いていたコレクション。 出来としてはメインとなる作品が無いのが物足りなかった印象。

マシュー・ウィリアムソン
常に若々しい作品を見せるマシュー・ウィリアムソンであるけれど、今シーズンはゆったりしたブルゾン・シルエットが多かった分、 通常の軽快さや若さが損なわれていた。

ゼロ マリア・コルネヨ
”セクシー” より ”センシュアル” を表現したかったというデザイナーの言葉が反映されている作品と、 ”センシュアル” と呼ぶにはハードなイメージの作品がミックスされていたラインナップ。

マロ
カシミア・ニットブランドとして知られるマロ。ウールなどのファブリックのアイテムよりもニットをメインにしたコーディネートに 秀作が見られていた。






写真上左より
ビル・ブラス
マイケル・ヴォルブラックがデザインするビル・ブラスは、つい最近アンジェリーナ・ジョリーがヴォーグ誌の表紙でその作品を 着用して注目を集めたけれど、全体的にコンサバ、イヴニング・ガウンに関しては不出来。

ブライアン・レイズ
一部の作品は大袈裟なほどにビッグ・シルエットであったものの、他の作品では1年前の2006年秋冬コレクションの不評を 挽回しつつあるという印象。

カレン・ ウォーカー
全体がデイタイム・クローズで構成されたコレクション。時に肩パットでショルダーを盛り上げたような 不思議なシルエットのジャケットが登場していた。

トリー・バーチ
日本で1980年代に流行したニュートラ・ファッションを彷彿とさせるコンサバ・ライン。

ブルース
女性2人のデザイン・チームとあって、着心地を優先した ゆったりしたシルエットが中心のライン。







Photo: Style.com