"Matt Damon & Meril Streep Draws Backlash "
ワインスティン・スキャンダルで批判が集まるマット・デイモン&メリル・ストリープ、
その批判はオーガニックか、ヤラセか?

Published on 12/28/2017 


2017年のアメリカは10月前半にハーヴィー・ワインスティンのセクハラ・スキャンダルが浮上してからというもの、 ありとあらゆる業界のパワフルな男性のセクハラが暴かれる状況となってるのは周知の事実。 そんな中、12月半ばから、ワインスティン・スキャンダル絡みで新たな批判が集中し始めたのが マット・デイモンとメリル・ストリープ。
2人とも それまではライカブルで、人格的に信頼できるイメージを築いてきた存在。 それぞれにハリウッドでも地位を確立してきた俳優であるけれど、 共にハーヴィー・ワインスティンがプロデュースするミラマックスの映画でサクセスフルなキャリアを築いてきたのは誰もが知るところ。 年末になって2人に集まった批判は共にワインスティン・スキャンダル絡みではあるものの、 それぞれ異なる意味合いのものなのだった。



ワインスティン・スキャンダルで最初にマット・デイモンの名前が挙がったのは、 スキャンダルが最初に報道され始めた10月のこと。 2004年にニューヨーク・タイムズの女性記者がハーヴィー・ワインスティンのセクハラに関する記事を書いていたところ、 マット・デイモンとラッセル・クロウから電話で圧力を掛けられ、記事が潰されていたことを女性記者がメディアに明かしたためで、 マット・デイモンは電話を掛けたことは認めたものの、「女性記者がハーヴィー・ワインスティンのセクハラに関する記事を書いていたことは知らなかった」という弁明を余儀なくされたのだった。
ちょうど時を同じくして、彼の友人であるジョージ・クルーニーも かつて彼が出演していたTV番組「E.R.」の女性キャストから、「撮影現場で起こっていたセクハラを訴えたところ、 ジョージ・クルーニーによってブラック・リストに名前を乗せられ、その後仕事が無くなった」という被害を訴えいたこともあり、 マット・デイモンが主演、ジョージ・クルーニーが監督を務め、11月1週目にアメリカで封切られた映画「サバ―ビコン」のプロモーション・インタビューは 2人のセクハラ・スキャンダルについての釈明の場として利用されることになり、 映画の話をそっちのけにして 彼らが語っていたのが ハリウッドにおけるセクハラについての彼らの意見。 その様子に好感が持てなかった女性ファンは多く、映画は惨憺たる興行成績。2人の評判にもキズがついた印象を与えていたのだった。

でもそれに懲りずに、更に墓穴を掘るような発言をしたのがマット・デイモン。アメリカでクリスマスに封切られた 「ダウンサイジング」のプロモーションインタビューに応えた際。 再びセクハラについて尋ねられた彼は、「軽くお尻を叩く行為と、レイプや性的虐待は違う」、「セクハラや性的犯罪はケース・バイ・ケースで対応すべき」、 「同じセクハラをしたセレブリティでもルイCK(アメリカで有名なコメディアン)は罪を認めて謝罪しているのだから、今後は同じことはしないはず。そういう人物とは 将来仕事をすると思う。認めないで否定している人間を放置すると、そのまま大統領に当選することもある」、 「ハリウッドでセクハラをする男性に批判が集中しても、それをしない側が評価されることはない」といった、女性が腹を立てるようなコメントを連発。 瞬く間にソーシャル・メディア上には、マット・デイモンの発言に対する批判が溢れ、その中には彼と一時期交際をしていたこともある女優の ミニー・ドライバーからの批判ツイートも含まれていたのだった。

この女性達のマット・デイモンへの怒りが何に発展したかと言えば、2018年に女性キャストで公開される「オーシャンズ」シリーズの最新作「オーシャンズ・エイト」の シーンから彼を消すようにという署名運動。「オーシャンズ・エイト」は、「オーシャンズ・イレブン」からスタートしたシリーズでジョージ・クルーニーが演じた ダニー・オーシャンの妹という設定で主演のサンドラ・ブロックが、ニューヨークで毎年5月1週目の月曜に行われるファッション界のスーパーボウルとも呼ばれる メトロポリタン美術館のコスチューム・インスティテュート・ガラを舞台に高額ジュエリーの泥棒を企てるというストーリー。 ケイト・ブランシェット、リアーナ、アン・ハサウェイ等がキャストされ、女性のチームワークで男性の窃盗団並みの大仕事を見せるという女性のエンパワーメント映画。
でもそんな映画に「セクハラはケース・バイ・ケース」等と発言するマット・デイモンが、彼が以前「オーシャンズ」シリーズで演じたキャラクターでキャミオ出演するのは 許せないというのが署名運動をスタートした理由で、僅か5日ほどで2万人の署名を集めるに至っているのだった。

ちょうどクリスマスの日には、リドリー・スコット監督作品「オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド」が公開されているけれど、 この作品は、公開4週間前にケヴィン・スペーシーのセクハラ・スキャンダルが発覚し、彼の出演シーンを全てクリストファー・プラマーで撮り直し、 デジタル処理で間に合わせたことで大きな話題となった作品。それもあって映画ファンの間ではたとえ撮影が終了していようと、 作品に相応しくないキャラクターは映像から消し去るべきという意見が聞かれているのだった。




メリル・ストリープにワインスティン・スキャンダル絡みの批判が集中する直接的な要因となったのは、ハーヴィー・ワインスティンのセクハラ告発において 最もアクティブかつ攻撃的であった女優のローズ・マクガヴァンが、メリル・ストリープを名指しで 'YOUR SILENCE is THE problem,'(貴方の沈黙こそが問題なのよ)と批判を展開したこと。
メリル・ストリープと言えば、かつて受賞スピーチでハーヴィー・ワインスティンを”God=神”と讃えるスピーチをしたこともでも知られ、 彼からのセクハラを受ける事無く、ミラマックスの出演映画で数多くのオスカーを始めとする授賞式イベントのノミネーションを獲得。 もちろん彼女の演技の実力は誰もが認めるところではあるものの、 地味な作品でも度重なるノミネーションを獲得してきた背景には、 ミラマックスの働きかけやプロモーションがあったのは言うまでもないこと。

そのメリル・ストリープがワインスティン・スキャンダルに対して沈黙を破って、ワインスティン批判の声明を出したのは、 他の俳優たちとほぼ同じタイミングであったけれど、長年彼と仕事をしてきた男優たちが ワインスティンの若い女性好きを証言していたのと同様に「知らなかったはずはない」、「気付いていたはず」という目で見られてきたがこれまでの彼女。
そうする中、ゴールデン・グローブ賞で ハリウッドにおけるセクハラに対する抗議活動の一環として ノミネートされた女優やプレゼンターを務める女優達が 全員ブラックのドレスを着用するというポリシーが打ち出され、メリル・ストリープを始めとする女優陣がそれに同調した途端に ローズ・マクガヴァンが、メリル・ストリープを名指しで批判しながら行ったのが 「事実を知りながら沈黙を守ってきた女優達は、マルケーザを着用するべき」というツイート。 ちなみにマルケーザはハーヴィー・ワインスティンの出資で、彼と夫婦契約を結んで結婚したジョルジーナ・チャップマンとそのパートナーのファッション・ブランドで、 ジョルジーナ・チャンプマンについても夫のセクハラを知りながら、彼のパワーと資金をビジネスのサクセスに利用してきたと批判されている存在。 今回のスキャンダルで彼と離婚訴訟の真っ最中であると同時に、ブランド立て無しの真っ最中であることも伝えられているのだった。

そんなローズ・マクガヴァンの批判を受けて、メリル・ストリープは「自分は全くセクハラについて知らなかったし、若い女性達がセクハラの被害を受けていると知っていたら それを野放しにはしない」と反論と釈明のコメントをしたけれど、その途端に、盛り上がったのが「#She Knew」というムーブメント。 そして程なくロサンジェルスのストリートには、メリル・ストリープの顔写真の目の部分を「#She Knew」と書かれた真っ赤な帯で覆ったポスターが 溢れ始めたのだった。




ハーヴィー・ワインスティンのセクハラ・スキャンダルでは、彼をかばって女性被害者を責める発言をしたデザイナーのドナ・キャランが 女性達から大バッシングを受けて、本人が5回も公に謝罪しても、謝罪する度に言葉尻やその態度を責められて、その結果 かえってイメージダウンになるという悪循環が繰り広げられてきた状況。
マット・デイモンもメリル・ストリープも、ともに釈明や自分が正しいと思う発言が原因でバックラッシュを受けているという点では、ドナ・キャラン同様であるものの、 現在、2人に対する批判を煽っていると言われるのが セクハラ・スキャンダルをどの程度真剣にけ止めているかが定かでない 右寄りのトランプ支持派の人々。 これらの人々は、トランプ氏が16人の女性達からセクハラで告発されたにも関わらず、トランプ氏に投票したほどなので、 セクハラに対する意識は、マット・デイモンの発言同様「ケース・バイ・ケース」。
何故、セクハラをした訳でもないマット・デイモンやメリル・ストリープをセクハラ・スキャンダルを利用して攻撃するかと言えば、 2人が大統領選挙戦の最中から、トランプ大統領を攻撃してきたリベラル派であるためで、その時に買ったキリスト教保守派の反感が 現在のバッシングに姿を替えているという指摘が聞かれるのだった。 2人に対する攻撃そのものは、2人に腹を立てたリベラル派の女性達によってオーガニックに 始まっているものの、それを必要以上に煽っているのは政治的な意図があるキリスト教保守派の人々。 こうした保守派の人々は、ハーヴィー・ワインスティンがヒラリー・クリントンに多額の選挙資金を支払っていたこと等も リベラル派に対する攻撃ネタにしており、スキャンダル発覚当初から セクハラと政治をゴチャ混ぜにする姿勢を打ち出しているのだった。
それだけに、徐々に頭を冷やしつつあるリベラル派の人々の間では、 マット・デイモンやメリル・ストリープのように、そもそもセクハラ・スキャンダルで微妙な立場に居るセレブリティに対しては、「意図は何であれ、余計は発言や弁明は慎むべき」という意見が どんどん高まっているのだった。


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