Jan. Week 4, 2019
★ " If My Sister-In-Law is So Cheap "
ケチで心が通わない義姉と上手く付き合うには?


はじめまして。 いつもこのコーナーで色々な事を学ばせて頂いており、「秋山様の様な方が先輩や上司にいたら 人生の師としてずっとついていってしまうだろうなぁ」 などと思ってしまうくらいに秋山様の考え方や強い精神にインスパイアされております。 予約してあった「マイナス感情こそ手放すな!」の本が1日早い今日入荷されたので先程本屋に行って参りました!!

私の義理の姉のことでご相談させて頂きたく宜しくお願い致します。 義理の姉が兄と結婚し20年経ちますが、当初から心が通じ合いません。 姉は意地が悪いとかではありませんが真面目でとても質素です。 そして何より自分の子供達の勉強が1番で教育のお金に糸目はつけませんが、 友人や親戚間などにはとてもシビアで言い方は悪いですがとてもケチです。兄は高給取りで家族で数年海外に駐在しておりましたが、 駐在員仲間の間でも姉のケチぶりが兄の足を引っ張ったとも聞いています。

私はお金に余裕はありませんが、それでも姉達のお誕生日やクリスマスには一生懸命選んでプレゼントを用意し毎年送っています。 でも姉からのプレゼントはびっくりするくらい質素なもので、気持ちはお金では無いと思いつつも 数百円のお菓子を誕生日プレゼントで貰うと「バカにされたのかな」と思って情けなくなります。 現在は国内に住んでおり夏休みや暮れにこちらに遊びにきますが、我が家に全員で泊まり それなりに気を遣ってくれる兄だけなら 私も喜んでなのですが、姉と子供達だけで遊びにくる時も我が家に泊まり、 ホテル代が浮くと考えているのは見え見えでイヤになってしまいます。勿論手土産一つありません。 もう20年の付き合いですが、いつか気持ち良くお付き合い出来るようになる事を願って頑張ってきましたが、 一向に姉とは心が通い合わないように私は思います。

姉達が海外に住んでいる時に一度「子供達と遊びに行ってもいい?」と聞いたところ、 兄は手放しでおいでと言ってくれましたが姉に「子供達のお稽古事が忙しいから無理かな」と言われ、 「私はいつも歓待してあげてるのに何故?!」とショックで結局遊びには1度も行きませんでした。
親戚ですし今後もお付き合いがあります。どのように考えていったら良いでしょうか?

- S -



「ギフトで心が通う」と考えるのは間違いです


本をご購入下さってありがとうございます。
さてご相談の件ですが、Sさんが常識的で、礼を重んじて、思いやりがある方でいらっしゃる様子は 頂いたメールからはっきり感じ取ることが出来ます。 でも残念ながら世の中というのは、往々にしてSさんのような方が損をしたり ストレスを感じるように出来ているのです。 Sさんが「持ち出しの関係」になっているのは、義理のお姉さまに限ったことではないように思います。 Sさんの学生時代からの交友関係、社会に出て、結婚してからの関係全てにおいて、 度合いは違っても同じような思いを何度もされているとお察しします。 それについて語る前にまずギフトという物についてお話したいと思います。

日本という国は、キスやハグなどのスキンシップで愛情や友情を表現する習慣の代わりに、 ギフトがその役割を果たしてきました。「ギフトに相手を思う気持ちが表れる」という意識が諸外国人より遥かに強いのが日本人です。 私も子供の頃から相手が貰って嬉しいもの、自分の感謝の気持ちが伝わるものを一生懸命選んできましたが、それは親から学んだ意識でした。 ですが子供の頃からギフトを一生懸命用意することで逆に失望するケースも少なくありませんでした。 中でも忘れられないのが小学生の頃の「300円まで」と金額が決められたプレゼント交換です。
私はその頃から買い物好きだったので、 安価でもキュートな文房具やアクセサリーを300円分購入して、きちんとラッピングして持っていきましたが 私がくじ引きで受け取ったのは50円もしないような事務用のノート1冊で袋にさえ入っていませんでした。 私が持って来たギフトを受け取った友達は喜んでそれを見せびらかしていましたが、私は自分が持ってきた物と受け取った物の落差があまりに大きくて がっかりしただけでなく、友達にも同情されました。
50円程度のギフトを持ってきた友達というのは彼女がケチだったのではなく、そのお母さまが 子供の友達に水一杯飲ませるのを拒むような方であったことは友達同士が皆分かっていたので、それは子供心にも仕方がないと思いました。 むしろ私が失望したのは「同じ50円を使うにも、もっと気持ちを込めた使い方が出来るはず」ということで、皆が楽しみにしていたプレゼント交換なのに 学校の傍の文房具屋でノートを買っただけで、袋にも入れずに持ってくるということが無神経にさえ思えたのをはっきり覚えています。
ですがやがて私はその考えを改めることになりました。 社交目的のギフトを贈らない、お世話になってもお礼もしない、貰うものは貰ってもそれは相手が勝手にやっていることと解釈するような親に育てられた場合、 子供も自然にそうなるだけでなく、何が人に喜ばれるかを考えたり、日ごろから周囲の行動や好みを気にかけるという意識、 すなわち思いやりが欠落した人間になって行きます。 ノートを持ってきた私の友達は意識的に手を抜いていたのでも、無神経だったのでもなく、 その予算内で何が出来るか、どうしたら友達が喜ぶかのアイデアが無かっただけでなく、 お金を使わないギフトでも人を喜ばせることが出来るということさえ知らなかったのです。
またそういう親に育てられてしまうと 人から貰ったものに感謝の気持ちを抱いたり、それを示すために大切に使うべきということに考えが及ばないので、 私は贈ったものを粗末にされて その都度傷ついたり、気分を害する思いをすることになりました。

大人になってニューヨークに来てからは、友人が自宅のディナーに招待してくれた際に 「呼ばれてわざわざ行ってあげるのだから、何も持っていく必要はない」と考える日本人に出会って、 ”お土産を持参しないケチ”と思っていた人が 実は「自分が出掛ける労力を持ち出している側」という意識を持っていたことに唖然としましたが、 人を施すことなど考えもしない人ほど 貰えるものは遠慮のかけらも無しに受け取るだけでなく、時に人の分まで奪っていきます。
注意深く観察していると、それは物に限ったことではありません。そういう人は親切にされても当たり前だと思いますし、 その恩を返すことなど考えていません。 人を喜ばせたり、人に親切にするというのは周囲に気を配って、そのニーズを理解しているからこそ出来るわけですが、 そんな意識を持たない人は 自己中心的で、自分の都合や利益ばかりを優先させるのです。
2018年12月3週目のこのコーナーで「育ちの悪さ」についてふれましたが、 こうした人種はまさにそんな育ちが悪い人々で、 礼儀や思いやり、人に親切にして感謝を受け取る喜び等を成長過程で学ぶことが出来なかった人々なのです。

人種が違えば価値観や考えも全く異なるのですから、自分が良かれと思うことが相手に通じなくても当然なのです。 Sさんのお兄様には大変失礼ですが、残念ながらSさんの義理のお姉さまはそんな異なる人種と言わなければなりません。 メールに「義理のお姉さまとは最初から心が通じ合わなかった」とありましたが それは無理もないことです。 それを自覚しているだけにSさんは気を遣って バースデー・ギフト等を贈っていたものと思いますし、 それによって自分の思いやりが通じて 関係が改善をすることを期待していたように思います。
ですが義理のお姉さまにしてみれば、お誕生日ギフトを受け取って嬉しいと思うよりも「こんな風に勝手にプレゼントをされたら、 今度は相手の誕生日に形だけでも返さなければならない」と面倒な用事が増えたと考えていたかもしれません。 善意が通じない人というのは、善意を善意だと思っていないと判断する方が妥当で、それは性格や相性の問題ではないのです。
では何故Sさんと一緒に育ったお兄様が異なる人種の女性と結婚されたかと言えば、オールドファッションな男女間、すなわち男性が全てを支払う関係では それが気にならないことが多いのに加えて、お兄様がおっとりした性格であればあるほど、義理のお姉さまが しっかり家計を握ってくれる頼りになる存在に感じられるのです。 もしこれが結婚3年目程度で お子さんも小さいようであれば、義理のお姉さまのケチぶりがお兄様の出世やお子さんの将来に マイナス要因となるリスクをお兄様にだけ忠告する価値はあったかと思いますが、 既に20年が経過した今となっては お互いにお互いの生き方を尊重すべき段階なのです。

親類付き合いより、正当で対等な関係を心掛けるべきです


アメリカ社会においても親戚や友人、知人を訪ねる際にはお土産を持参するのはマナーの一環ですが、 私が観察する限り アメリカ人の方がこのようなギフトに関してはドライで合理的な感覚を持っています。 例えばディナーに招待されれば、アメリカ人は判で付いたようにワインを1本持ってきますし、お酒を飲まないホストであればフラワーを持参するなど、 世の中一般の常識的なルールに従うだけで、余計な無理や努力はしません。ですが自分が持参したギフト以上のもてなしを受けた場合は、 後日Thank Youカードを贈ったり、ホストをディナーに招待するケースは珍しくありません。 その背景にあるのは相手とイーブンな関係であろうとする意識です。 そしてそれこそが良好な人間関係を育むキー・ポイントで、 ギブ&テイクの意識が浸透したアメリカ社会では、片方の持ち出しが多い人間関係が長続きすることはありません。 それが分かっているからこそ、相手と良好な関係を長く持続するためのバランシング・アクト(持ち出し分の調整)をするのです。 そんなギブ&テイクの意識はビジネスや社交だけでなく、身内の関係においても同様なのです。

「それはアメリカの話で、日本の身内関係はそうは行かない」と考える人も居るようですが、私はそれが単なる思い込みに過ぎないと判断します。 例えばお正月になると未だ給与が少ない独身者が 甥っ子や姪っ子のために生活を切り詰めてまでお年玉を払っては「額が少ない」と子供に指摘されて ボヤくケースがあるようですが、 私に言わせれば自分に子供が居なくて、暫く作る予定もない人がお年玉を配る必要などないのです。 子供が居る親戚同士がお年玉を交換をしてイーブンになれば良いだけで、無理に一方的な出費をして 文句を言われる理由などありません。
私は今も子供の頃のお正月のお年玉について鮮明な記憶がありますが、 お年玉を貰わないのと、お年玉の袋を開けて中身が少ないのとではどちらが失望するかと言えば後者でした。 お年玉をくれない人というのはそういうものだと思っていましたが、 お年玉の額がとても少なかった人については失望という感情が伴った分記憶に残りましたし、特に年齢が2歳しか違わない姉と私で 毎年のように金額に2倍の差を付けた親戚については 子供心に「私を姉の半分の存在だと思っている」と受け止めたのをはっきり覚えています。 ですのでお年玉やギフトというのは 「親戚だからあげるべき」、「あげれば感謝される」、「あげなければ感謝されない」というものではありません。 実際にはあげなくても 何も支障はありませんし、相手が家族や親族であるからこそ 逆にありもしないルールに従う必要などないのです。

前に述べたように Sさんのようなお人柄が世の中で損をする立場に回ってしまう最大の原因は、 一般的な概念やキレイごとを優先させてしまい、「状況をしっかり判断して自分と自分の利益を守る」という行為を怠る一方で、 「正しいと思うことをして被った損」を自分に納得させてしまうためです。 経済的にゆとりがある訳ではなくても、見返りのないお年玉やギフトをしっかり贈ろうとするのはまさにその意識です。
往々にしてそういう意識を持つ人ほど 誰に対しても親切を心掛け、酷い仕打ちを受けた相手とも友達関係に戻ったりしますが、 誰にでも親切にするという姿勢は 自分に良くしてくれた人と、自分に何の恩恵をもたらさない人を同等に扱うことを意味します。 これは有能な社員と、役に立たない社員の給与を同額にしているようなもので、不公平以外の何物でもないのです。
また人間には本能的に縄張り拡大の欲があるので、自分の味方になっていない人ほど親切にしたり、 奮発したギフトを贈ったりしますが、「人が良い」と言われる人物ほど それが何の成果を上げなくても続ける傾向にあります。 しかしながらそれは 「人を正当に評価して、それに応じた付き合いをする」という人間関係の基本理念が実践されていない訳ですから、 人生への肝心な取り組みの1つが欠落していると判断せざるを得ません。

私は日本人の親切心や善良さがもっと日本社会に有効に活用されるべきだと考えるので この場ではっきり申し上げますが、 身勝手で自分を振り回すだけの人間、自分に何の恩恵やメリットももたらさず、利用するだけの人間は、相手が態度を改めない限りは スッパリ切り捨ててしまうべきなのです。そしてその人たちに注いできた時間や労力、親切、思いやり、サポートを 自分にとって本当に大切な人達に対してはもちろんのこと、たとえ自分が良く知らない人でも きちんと努力している人、自分の夢に取り組んでいる人等、 有形無形で世の中のためになる人々に注ぐべきなのです。
同じ親切にするのならば、その親切が育つ人間に対して行うべきで、親切がゴミ箱行きになる人間にするのは間違っています。 誰にでも時間、労力、お金は限られているのですから、それを有益に活用しなければ人生はどんどん中身が希薄になっていきます。

Sさんの場合、義理のお姉さまの存在は「お兄様に義理立てして表面的に上手く付き合う親族」でしかないのですから、 出来る限り距離を置いて物事が頼み難い関係、愚痴を聞かされない関係、余計な出費をさせられない対等な関係を心掛けるべきで、 同様のことはこれまでSさんが親切の持ち出しをしてきた人間関係の全てにおいても実践すべきことです。 Sさんの人生には”最初から上手く行くはずがない義理のお姉さまとの関係” より大切で重要なことが沢山あるのです。
ですから このアドバイスを義理のお姉さまとの問題としてではなく、 「自分を幸せに導くためのエネルギー、時間、お金の効率的な使い方」という人生のアドバイスと解して取り組んでいただきたいと思います。 S さんの課題はギブ&テイクのバランスを正当に判断して、余計な感情を絡ませずにそれに対応する習慣を身に着けることです。 一方的に尽くしていると思うのであればそれを止めるべきですし、止める理由を説明する必要などありません。 誰にでも人に言えない事情の1つや2 つがあって当然なのですから、説明の義務を感じる必要さえありません。 相手がSさんのために何もしないのであれば、S さんも相手のために何もするべきではないのです。 それは不親切でも不義理でもなく、対等な関係を保つための正当な対処なのです。
Sさんはこれまで 「自分が見返りなど期待せずに 義理や礼を尽くすことは正しい」と考えて、たとえ一方的に損をしたり ストレスを被っても それを美徳としてきたと思いますが 残念ながらそれは間違いです。 感謝や思いやりが無い人々が世の中に存在する価値は、「あんな事をしていると やがては皆から総スカンを食うことになる」という教訓を知らせしめる 反面教師の役割くらいしかないのですから、そんな人々に対する余計な好意や親切は務めて控えるべきなのです。 このことは世の中全体のためにも Sさんだけでなく、社会の1人1人が実践すべきことだと私は考えています。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。




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