Feb. Week 1 2018
★ "How to Handle a Bragging Parent"
"いい加減にしてほしい我が子の自慢、親バカを通り越して周囲をウンザリさせます"



秋山曜子さま
CUBE New Yorkの長年の愛読者です。出産前後に一時遠のいたことがありましたが、既に15年以上サイトにアクセスして、お買い物もさせて頂いています。
子供は上が7歳、下が5歳になり、時が経つ早さに驚いています。

秋山さんにご相談したいのは、そのママ友軍団の中の何人かの人たちの事です。 その人たちのお子さんは、確かに優秀だったり、お稽古事で特別に表彰されたり、大会でメダルを受け取ったり、 何かの代表に選ばれたりしているのですが、会う度に我が子の自慢話ばかりしています。 自慢話でない時も、子供の話題から遠ざかるとすれば、何処かのレストランに行ったというような話ですが、 そこで出された料理について説明している時も、「この前真似して自分で作ってみたら ママが作った方が美味しいって子供に言われた」みたいな話になって、 子供の話抜きに会話が成立することはありません。

最悪なのは、子供の自慢話をするママ友同士が張り合うことで、 まるで自分の子供の方が凄い、優れていると競争しているみたいです。 あえてその人たちを外して会っている時はいつも 「親バカを通り越して、ウンザリするね」など呆れていますが、 その張り合いが始まると、日頃は自慢をしないママ友も聞いていて楽しくないこともあって 「ああ、それだったらうちの子もそう。それって凄いことなの?」とか言ってしまうので、 どんどん険悪な雰囲気になります。

それとは別に、「うちの子は日ごろはのんびりしていて、こんなんで大丈夫なのかしらと思っちゃうんだけれど、xxxをやらせてみると凄いのよ」とか、 「私みたいな間抜けな親に育てられている割には、テストを受けてみたら一番で…」みたいに、 謙遜と自慢をミックスするような人も居て、そういう人はきっと猛烈に自慢するママ友と一緒になりたくないからそういう態度を取っていると思うんですが、 でも結局は同じなので、本当に疲れてしまいます。
それを避けるために子供が居ない友達をミックスして会うように心掛けていて、 そういう友達は 別の話題をしてくれる傾向があるのですが、子供が居る友達が3人で、子供が居ない友達が1人という場合は、 直ぐに子供の話になって 子供が居ない友達が退屈そうにしているのが分かりますし、 私も人の子供の自慢話ばかり聞かされても楽しくありません。

でも私の子供は至って普通なので、私の立場で「子供の自慢話ばっかりでつまらない」と言えば、周囲からはひがんでいるようにしか聞こえないのは分かっています。 一度ママ友の1人に「子供が表彰されたり、代表に選ばれたりすると、親は自慢したくなるものなのよ」と言われたことがあって、 確かにうちの子もそんな風にメダルとかを取っていたら、自分もそうなっていたかと思うと、文句を言う立場じゃないようにも思います。
秋山さんは、こういう子供の自慢ばかりする親達をどう思いますか。 それって子供のためになるのでしょうか。
ママ友たちに子供の自慢話を止めさせるのは不可能ですが、それについて秋山さんが何かアドバイスや分析をして下さったら、 それを聞いているのが苦にならないと思います。 変な質問で申し訳ないのですが、お時間がありましたら、是非お願いしますs。
これからもお身体にご留意されてご活躍下さい。応援しています。

-H -





アメリカでも先週、女子オリンピック体操チームのドクターであるラリー・ナッサーが過去20年間に渡り200人以上の若い選手、時に幼い選手たちに対して 性的虐待行為をしていた裁判が行われて、そこで犠牲者達が証言をしていましたが、 その中にはAさん同様、「母親に言っても信じてもらえなかったと」と泣きながら訴える女性が居ました。
その女性の隣には母親が立って、彼女の証言を聞きながら涙を拭っていましたが、 メディアが要約したその証言によれば、その女性の姉も体操選手で、既に5年間、ラリー・ナッサーの診察を受けていたので、 母親は彼を信頼しきっていて、彼女が何を言っても「まさか!」というリアクションだったそうです。 でも実際には、その姉も虐待を受けていたものの 言い出せなかっただけで、勇気を出して親に告白した彼女が、 それを親に信じてもらえなかったことで、更に心に傷を負う結果になっていたようでした。
その女性は既に20歳を超えているルックスでしたので、性的虐待を受けたのは恐らく10年くらい前のことだったと思われますが、 今もその心の傷が深い様子は痛々しいほどに伝わってきました。

どんな犯罪においても、被害者というのは 加害者よりも精神的なインパクトやダメージが大きいだけに、加害者が忘れていたとしても 被害者にとっては忘れられない経験になるのは当然のことです。 アメリカでは#MeToo ムーブメントが盛り上がってから、男性が 10年、20年前のセクハラを告発されるケースが増えてきましたが、 その中には「憶えていない」と言い訳をした男性が何人も居ました。 加害者の多くは、まさか自分の性的虐待やセクハラ行為が 被害者にとって一生の心の傷になるなどとは考えもせずに、軽い気持ちで行っている訳ですから、 それが昔のことであればあるほど 「憶えていない」という言い訳は 事実であるケースが多いように思います。

ですが、私に言わせると本当に「憶えていない」のなら、記憶の何処にもないはずですので 濡れ衣だと反発して 「やっていない」、「自分はそんな事が出来る人間ではない」と言うはずです。 「憶えていない」というのは、その特定のケースを憶えていないだけであって、 自分がそういう行為に及ぶ人間、もしくは及ぶ可能性がある精神状態であることをことを認めている訳です。
したがってAさんの叔父様の「子供の頃の話なんて、今言われても憶えてない」というリアクションは、 具体的にAさんをどう虐待したかは憶えていなかったとしても、自分が幼児虐待をする人間である、 すなわち幼児に性的欲望を感じている、もしくは感じた経験があることを認めているに他なりません。

ですので 例え親戚であっても、 AさんやAさんのお姉さまにお子さんがいらした場合は、こうした人物に近付けることは非常に危険だと思います。 アメリカでは、4〜7歳の子供の性的虐待ケースの34.2%が親戚や家族によるもので、58.7%が知り合いによるものです。 全く見知らぬ人間による性的虐待は僅か7.1%です。これはアメリカだけのユニークなデータではないと思います。

それとは別に 被害者の言い分を信じないというのは、Aさんのお母様だけに見られる現象ではありません。 ラリー・ナッサーのケースでも女子選手が母親に信じてもらえなかったように、 被害者がその言い分を信じてもらえないというのは、悲しいことに 決して珍しい状況ではないのです。
私の知り合いには、自分の家族に夫のドメスティック・バイオレンスを信じてもらえず、 周囲の関心を引き付けるための狂言だと決めつけられて、Aさんと同じように傷ついていました。 病院に運び込まれるような 大怪我を負うまでは、 自分の家族が信頼していたのは 巧妙にウソをつく夫でした。

私はつい最近、映画「エレン・ブロコヴィッチ」を久々に観ましたが、その中でも 自分の住む町で子供達がどんどん病気になっていても、住人達はその飲料水が汚染されていることを最初は全く信じようとしませんでした。 要するに思い込む気持ちが強い人ほど、危険や問題を指摘、もしくは警告された場合、 事実確認などせずに まずは否定する、「そんな事は絶対ない」といったリアクションに出るものなのです。
そういう人ほど、簡単に騙される一方で、騙されていることを悟るのに時間が掛かりますし、 時に「自分の聞きたくないことには、一切聞く耳を持たない」という態度に出て、 真実に向き合おうとしないケースもあります。 たとえそれが 自分の立場や健康、財産を脅かすようなことであっても、危険や問題を警告された場合に、 それをかたくなに否定する人は世の中に沢山居るのです。

私の目から見れば、Aさんのお母様はまさにそのタイプと言わなければなりません。 これは悪い人間という意味ではありませんし、道徳観が歪んでいるという訳でもありません。 自分が信じる物を覆されるのが嫌なタイプなのです。
このタイプは往々にして 長年に渡って同じブランドの洗剤や食料品等を買い続ける傾向が顕著ですし、 信心深く、忠誠心が強く、保守的ですが、自分の価値観やこだわりと関わらないところでは、 その反動で新しい物を求めたりします。 そのため周囲からは、頭の固さが悟られないケースもあります。

そういう人物は「長く使っているからこれ好き」、「ずっと使い続けているから、これが一番」という考え方を様々な分野に持ち込んで、 比較分析などの理論的かつ、理性的な考えはあまりしない傾向にあります。 そのため 不意に自分の価値観を覆されるようなことを言われた場合、それに対して公平な目を向けるよりも、 自分が信じてきた側に一方的に肩入れをしても不思議ではありません。 その偏った視点で 不用意な発言をしてしまい、顰蹙を買ったり、人を傷つけることは全く珍しくないのです。
お母さまのAさんに対する発言は 本当に失礼ですし、 読んでいるだけで心苦しくなるものですが、お母様は その状況でそういうリアクションをしてしまう人間性なのです。 つまり真意はどうあれ、自分の価値観を攻撃されたリアクションが そういう発言として表れてしまうのです。
恐らく同様のリアクションは、全く違う形でこれまでにもAさんやご家族が何度となく目撃してきたことだと思いますが、 それを許し合って一緒に生きてきたのは やはり家族という繋がりがあるからなのです。

お母様のような人間性は、決して器用ななタイプではありません。 Aさんのような勇気がある訳でもありません。そういう勇気を持つことを恐れて生きてきた 事なかれ主義ですし、 自分が どんな状況にでも順応出来る訳ではないことも ある程度自覚しています。 ですからその意味では、Aさんが「自分だったら こうするのに…」というリアクションをお母様に望むことにも少々無理があるように思えます。

今回のお母様の言葉を乗り越えるのには時間が掛かってしまうかもしれませんが、 誰にでも失言というものはあります。前述のように私もお母様の言い分は酷いと思いますが、この発言を許すことは出来なくても、 お母様のことは許してあげた方が Aさんの心の傷が永遠にならずに済むのです。 こんなことがきっかけでお母様との関係にヒビが入ることは、叔父様の虐待行為のせいでAさんがさらに辛い思いを味わうことを意味します。 それだけは避けて頂きたいという立場から、私はお母様のことは許してあげることをお薦めする次第です。
お母様とて、時間を掛けて状況をしっかり把握した段階であれば、もっと冷静にAさんの気持ちを察することが出来るはずです。 先にも申し上げた通り、子供が虐待被害を訴えても信じないというのはAさんのお母様だけではないです。 そんな親達も時間を掛けて真実を把握した時には、子供を信じてあげなかった自分を責めて深く傷つくものなのです。

私はAさんのような状況を見るにつけ、性的虐待、特に幼い子供に対する虐待行為が如何に残酷なものであるかを 深く感じます。虐待をした本人は軽いいたずらのつもり、もしくは自分の性欲を満たすという身勝手な思いで 自分の意の通りに扱える子供を虐待している訳ですが、それが何年が経過した後でも 被害者とその家族を深く傷つけるというのは本当にアンフェアだと思いますし、だからこそ性的虐待行為は しっかり裁かれるべきだと思います。
その意味でAさんが叔父様に抗議をされたことは、相手のリアクションがどうあれ、正しかったと思いますし、 そうすることによってAさんは心理的に 犠牲者からサバイバーになったことと思います。 ですから先ずは それを最初の一歩と捉えて、お母さまへの気持ちやお母さまとの関係については、 時間を掛けてゆっくりと修復して頂きたいと思います。 家族なのですから、時間さえ掛ければAさんの気持ちはきっと理解してもらえるはずです。 絶縁を決め込んで泣いているより、時間を掛けた先送りの解決を選ぶことによって、 Aさんの現在の気持ちもずっと軽くなることと思います。

人生には様々な出来事が起こりますが、何にでも直ぐに取り組めば良いというものではないのです。 時が来るまで静観することがベストである状況は沢山あるのですす。 ですので今回のこともその1つと思って 気持ちを切り替えてみて下さい。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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