Aug Week 5 2018
★ " Divorve After 2 Years of Marriage "
2年の結婚生活、破局の原因…


秋山さん
ひょんなきっかけから このコーナーを数か月読んできた男性ファンです。アマゾンの電子書籍も購入して読ませてもらいました。 いつも頭のモヤモヤが吹っ飛ぶようなアドバイスに励まされる思いでしたが、まさか自分もアドバイスをお願いするとは思いませんでした。よろしくお願いします。

1年交際して、結婚生活2年の妻と離婚しました。離婚の理由は「性格が合わなかった」、「価値観が違う」ので「このまま結婚生活を続けるのはお互いのために苦痛」 ということになっていますが、本当の理由は結婚数か月後の初めての大きな夫婦喧嘩のときに私が言った言葉の数々、具体的には 2つのセンテンスでした。 私の中ではそのセンテンスの何がそんなに妻が気に入らなかったのか全く分かりません。 その後も口論になる度に持ち出してくるのがその2つのセンテンスで、 一度「そんなに気に障ったなら謝るよ」と言ったのですが、それは謝罪だとは思わなかったようですし、私も 本当に謝るつもりだったかと言えばウソになります。
妻は日ごろは、私が職場のことなどで文句を言っている時に「そんな事まで気にしないで大丈夫よ」と言って、 細かいことを気にする必要はないと言ってくれていたのに、 夫婦喧嘩で自分が言われた些細なことを何時までも持ち出して来たのは今でも理解できません。 その2センテンスが無かったら 結婚生活が続いていたとさえ思います。

秋山さんにアドバイスをお願いしたいのは、こんな状況で自分はどうすれば良かったのかということと、 女性の心情を損ねるようなことを言わないようにするテクニックとか、法則のようなものがあったら 是非教えて貰えればと思いました。 情けない男の相談と思うかもしれませんが、よろしくお願いします。

- T -



価値観は違って当然、違いが問題になるのはお互いに譲らないからです


離婚直後のカップルがお互いに語る傾向があるのが、「お互いのことを何も分かっていなかった」、「何も知らなかった」ということです。 そのことは1つ屋根の下に何年も平穏に暮らしている夫婦や家族についても言えることで、 特に今の時代は親が子供について全く分かっておらず、ソーシャル・メディアのポストや、 何らかの事件が起こってから、”自分の知らなかった子供像” を悟らされることは珍しくありません。
それほど夫婦や家族というのは、たとえ表面的に上手く行っていたとしても お互いに知らない部分が沢山ありますし、 一緒に暮らしているというだけで 全て分かり合えるほど人間というのはシンプルな生き物でもありません。 夫婦の場合、同じ価値観であることが結婚に踏み切る理由の1つになりますが、 それはモラルや金銭面など、自分達がこだわる価値観をシェアしているだけで、 実際に結婚生活を始めて、それまで一括りにしていた価値観という概念に 様々な側面が出てくれば、 お互いに全く異なる価値観であったと悟るケースは少なくありません。
でも性別もバックグラウンドもDNAも異なる人間が2人居た場合、それぞれが異なる価値観を持っているのは当然のことで、 同じであると考える方が無理があるのです。 「価値観が異なる」ことを理由に別れたり、離婚するカップルというのは、 お互いの価値観を尊重せず、軽視、もしくは否定するから一緒に居るのが徐々に耐えられなくなるのです。 相手の価値観が尊重出来ない人間同士であれば、人間性(=性格)が合わなくても当然です。 またそんな2人がお互いに自分の価値観を押し付け合えば、どんなに口論しても堂々巡りになって 合意点を見出すことは不可能です。いつも同じことで口論をする、口論の度に同じ問題が浮上するという状況は、 お互いに自分の価値観を譲らない、歩み寄らない関係を意味するのです。

人間は誰もが感情の起伏のトリガーになる繊細な部分を持っています


Tさんがご自分の離婚の原因になったと指摘する2つのセンテンスについてですが、正直なところ 私がTさんのメールを拝読して不思議に思ったのは、奥様が何故2つのセンテンスにそんなに感情的になったのかということよりも、 Tさんがその2つのセンテンスが夫婦の亀裂を深める原因になっていると知りつつ、何故それを放置したのかという事です。 メールの文面からTさんが特に離婚を望んでいた訳では無いと判断できるだけに、尚の事それが私には不思議に思えます。
人間の心には誰にでも極めて敏感な部分があります。それは成長過程に心に負った傷や、何等かのコンプレックス、 トラウマティックな体験によって形成される場合が多いと一般に言われますが、 実際には ごく普通の生活の中で起こった、本人以外は誰も覚えていないような出来事や口論等によって 形成される場合も少なくありません。 自分よりずっと出来が良い兄と比べられる劣等感を味わって育った弟が、成人してからも兄と比較されると 烈火のごとく怒り出すというのは アメリカのドラマによく出てくるシナリオですが、 人間には誰もでもそんな感情の起伏のトリガーになる繊細な部分があるのです。
それは自覚の有無に関わらずTさんにも必ずあるはずですし、例え今はなかったとしても 人生で様々な経験を積むうちに必ず持つようになります。 それはどんなに精神的に強い人間にも必ずありますし、逆に精神的に強い人間の方が その敏感な部分においては弱さを見せるものです。 それに関わることは、冗談や不当な指摘、心無い発言が許せないだけでなく、 気遣いの言葉さえ受け入れられないことが多いですし、どんなに時間が経過しようと、 誰が説得しようと「許せない」、「譲れない」という状況を変えることは不可能です。 それは頑固さでも、心の狭さでも、わがままでも、自己主張でもありません。 人間の心理というのはそういうものなのです。

2つのセンテンスを巡るご夫婦のやり取りをEメールからお察しした限りにおいては、 お互いが「譲れない」状況であった様子が窺えますが、 Tさんが譲れないのは「こんなことぐらいで腹を立てるなんて」、「こんなことをいちいち根に持たれたらたまらない」という気持ちが強かったものとお察しします。 ですが奥様の側にしてみれば、 それが何か心の敏感な部分に突き刺さるものだったと私は判断します。
「そんなことぐらいで」と思われることで 相手が腹を立てたり、過敏に反応する場合、たまたま その時に虫の居所が悪いだけなら直ぐに気を取り直して、 それが尾を引くことはありませんが、何度も何度もそれが口論の度に浮上する場合、それはTさんにとっては何でもない些細な事でも、 相手にとっては 決して言われたくないことであったり、決して軽視して欲しくないことなのです。 そこに自分の価値観を持ち込んで、問題の大小をジャッジしたり、相手の問題点を指摘するのは 思いやりの欠落であり、相手に対するレスペクトの無さ以外の何ものでもありません。
思いやりとは、その言葉通り相手の立場になってその気持ちを思いやることで、自分が正しいと思うことや 良かれと思うことを相手に押し付けることではありません。 その意味で、思いやりは人の心の痛みを理解する人でなければ注げないものです。 それが分からない人や感じない人、自分の心の痛みを直ぐに忘れて生きられる人には 本当の思いやりを示すことは出来ません。

終わったと思う関係でも 悔いを残さない心遣いを


私は奥様が事ある毎に 2つのセンテンスを持ち出してきたというところに、夫婦であるからこそ Tさんにそれを分かって欲しい、 夫婦であるからこそTさんとの間でそれをクリアにしておきたいという 切望を強く感じ取りました。 Tさんに分って欲しく無かったら、奥様がそのことを何度も持ち出してくる必要などないのです。 奥様は何時までも同じ些細なことで腹を立てていたのではありません。 その部分を分かってもらえないのならば、夫婦関係が続けられないことを潜在的にでも悟っていたのだと思います。
職場の”細かい問題”を気に掛けるTさんが、奥様の”細かい問題”を軽視していたら、 奥様のフラストレーションが、悲しみ、怒り、失望に変わって行くのは当然のプロセスのように思います。 離婚が増えているとは言え、夫婦とは生涯連れ添っていく関係です。 世の中には、夫婦や家族は自分の醜悪な部分をさらけ出せる存在、 気を遣わずに何でも吐き出せる存在と考える人は少なくありませんが、 生涯に渡って支え合って行くパートナーだからこそ、相手の気持ちを大切にして、お互いを尊重すべきというのが私の考えです。

もしTさんがこのアドバイスを読んで、問題になった2つのセンテンスについて思い直すことがあれば、 メールでも電話でも良いので、奥様の繊細な気持ちにTさんの考えが及ばなかったこと、些細なことと軽視して 意地を張ってしまったことを 奥様に謝罪するべきだと思います。 どんなに訥々とした言葉でも、Tさんが心からそう伝えれば 奥様はそれを率直に受け止めて感謝してくるはずです。 一度心からそう奥様に伝えたら、Tさん自身も 如何にそれが奥様にとって大切なことであったのか、 それを認めてお互いを尊重し合うことの方が如何に簡単であったかを悟るはずです。そして何故早くそうしなかったのかを不思議にさえ感じることと思います。
これによってTさんが復縁できるとは申しませんが、終わったと思う関係でも悔いを残さない心遣いをすることによって その後のTさんと奥様の人生の意味合いが大きく変わってくるというのが私の意見です。 すなわちこの結婚を振り返って「何故」、「どうして」と頭の中で疑問を反復したり、同じ失敗を恐れる状況から、 これを人生の経験や教訓として受け止めて、そこからステップアップする状況に変われると思います。 Tさんが思いやりのある人間だと自覚するのなら、もしくは思いやりのある人間になりたいと思うのでしたら、 是非ともこれを行って頂きたいと思います。
それが出来れば、私から今後についてアドバイスすることは何もありません。 女性は 本当に自分に思いやりを注いでくれる男性から離れていくことはありません。

Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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