Nov Week 3, 2018
★ " Suffering From Social Anxiety "
メールのやり取りでも不安に…、
考えすぎて不安になる性格は変えられるでしょうか?


秋山曜子様
はじめまして。 このコーナーが大好きで、毎回欠かさず見させて頂いております。2週間に1回というのが本当に待ち遠しく、未だかな?未だかな?と子供の様な気持ちで楽しみに拝見させて頂いております。

是非秋山様にアドバイスお願いさせて頂きたい事は、私の性格です。 私は40代前半で高校生と小学生の子供がおります。週に3日午前中だけですがパートで働いており順調です。 夫婦関係も良好で、家事も大好きなので朝早くから起きて1日めまぐるしくバタバタと活動をしており、 子供達が帰宅してからはお稽古事の送迎なので忙しくなりますし毎日があっという間に過ぎていきます。 健康状態も問題無しです。日常生活にこれといった不満も全くありません。

ただ、特に人間関係においてちょっとした事で心配になったり不安になったりしてしまいます。 例えば誰かにメールを送信した後なかなか返事がこなかったりすると「あれ?どうしたのだろう?」 「もしかして感じの悪い内容だったかしら?」と送信したメールの内容を何度も確認したり、アレコレ色々な方向へ考えてしまいます。 「え?返事ってこれだけ?私のこと嫌いなのかしら?」 「私って面倒臭がられてるのかな?」など考えたらきりがないのは分かっていますし、 夫に不安な気持ちを話すと「考え過ぎ!」と笑われます。実際、普通に返信があると「あぁ、なーんだ。よかった!」と今まで考えていたのが何だったんだろうと自分でも思います。 携帯にも疎い方ですし、自分の直ぐ不安に陥ってしまう性格もよく分かっているのでメールなどなるべくしない様にも心掛けてはいるのですが…。

先日このコーナーでママ友付き合いのご相談されている方がいらっしゃいましたが、私も数年前にママ友達のお付き合いで非常に嫌な経験をし、 まさに秋山様の仰るダブルフェイスをお持ちの方々を実際に目の当たりにしていたので、そんな経験からも人間関係において自分に自信がなかなか持てないでいます。 考え過ぎて嫌な方向にばかり囚われてしまう自分をどの様に変えていったら良いのかどうぞ秋山様のお知恵をお貸しください。
秋山様も以前は私の様に自信が無い時もありましたか?秋山様の様に強いハートの持ち主になりたいと切に願います。どうぞ宜しくお願い致します。

- S -



心配や不安は人間の心理には付き物です


Sさんのように メールをしたのに返事が来ないと不安になったり、自分が嫌われているのでは?と勘ぐってしまうことは決して珍しくありません。
私のかつての知り合いは、親しい仲間数人と久々に再会した際に とても心が和むような会話が出来たことから、 ある時、自分の結婚生活の悩みを含む個人的な事情をその仲間達に打ち明けるようなメールを出しました。 彼女がそれによって期待していたのは優しい慰めや親身なアドバイスだったのだと思います。 ところがメールを読んだ仲間達は 彼女に同情して その状況を思いやる気持ちが強いだけに、 全員がそれぞれに「簡単に返事をしたら失礼」、「こういうメールの返事は時間がある時にじっくり書くもの」と判断して返信を見合わせて、 中には返事を書きかけて止めてしまったという人もいました。 そのメールのことは時間が経過しても 受け取った仲間達が気にして「あのメールに返事をした?」と お互いに尋ね合っては、返事を出していないことに罪悪感さえ感じていました。 ですがメールを出した側の知り合いは、結果的にそれが無視されたことで非常に傷ついたようで、 それ以降は一切その仲間関連の集まりには現れず、連絡も途絶えてしまい、久々に誘いを掛けた時には「もうその仲間の会には顔を出す気はありませんので 連絡もしないで下さい」とまで言うようになってしまいました。
これは極端な例と言えますが、本人にとって特別な思い入れがあったメールに対して何日が経過しても誰も返信してこなかったことで、 その間に仲間への不信感や疑いをつのらせて、やがてそれが拒絶の反応にまで高まってしまったのがこのケースです。 同じような心の動きは誰もが多かれ少なかれしていますし、不安や不信の独り相撲は社交でも恋愛でも必ず付き纏うものです。 要するに人間というのはそういう生き物なのです。

もちろん中には常に自信に溢れていて、他人のリアクションなど全く気に掛けない人も居ますが、 そういう人物に対して周囲が抱く印象というのは往々にして 「話していると馬鹿にされているような気がする」、 「普通の会話をしていただけなのに後味が悪い」、「自分が小さく思えて、会った後はいつも不安になる」というようなもので、 決してその揺るがない自信や堂々とした態度がプラスになっている訳ではないことに気づきます。 その人物が 本来は弱い人間で、自信満々の態度が自分を守るための空威張りである場合には、 そんな弱さを理解して支えてくれる人が僅かに現れるかと思いますが、 そうでない場合は 親しい友達が誰も居ないような人生を送っても不思議ではありません。
ですので人間関係において心配や不安を抱くような人間らしさというのは、 自分を苦しめる厄介なものであると同時に、人と上手くやっていくために必要なものでもあるのです。

人間の力を引き出すのがマイナス感情です


人間心理の中には様々なバランスが存在しています。プラスとマイナス、陰と陽、 楽観と悲観、サディズムとマゾヒズム、愛情と憎しみ、期待と不安など、人間性のあらゆる側面が それぞれの相反する価値とバランスを取り合うことによって、 1人の人間が精神面でまともに機能しているのです。 ですからライバルに対する競争心やジェラシーが努力や粘り強さに繋がりますし、決して負けたくない相手に対して 敵意よりも友情や敬意を抱くケースは珍しくありません。 本当は好きな相手にわざと冷たくして、相手が困ったり、混乱したりする様子に何等かの優越感や満足感を覚えるようなことは小学生でもやっています。 これらは極めてまともで、ごく一般的な人間心理なのです。

同様のバランシング・アクトは人間の体内でも起こっています。 人間にとって第二の脳と呼ばれる腸の中には2億の神経細胞があり、そこには体重にして1〜2キロ分、 数にして100兆の善玉バクテリアと悪玉のバクテリアが存在して消化活動を掌っています。 健康体というのは その善玉と悪玉がバランス良く存在している状態を意味するもので、 ある医療機関が腸内を善玉バクテリアのみにするトライアルを行ったことがありますが、その被験者は健康になるどころか消化機能が衰えただけでなく、 精神が錯乱するという現象が見られたことが報告されています。 実際に悪玉バクテリアは腸内において、善玉では対処出来ない別の悪玉バクテリアを退治するという貴重な役割を担っているのです。 このことは自然界において 害虫が別の害虫駆除に役立ちながら、鳥の餌にもなっているという生態系のバランスと全く同じです。

今の世の中では不安や心配、怒り、疑い、嫉妬など、一見ネガティブと思えるようなマイナス感情を ”悪” と見なす傾向が強過ぎて、 そんな気持ちを抱く自分を責めたり、それを改善しなければならない風潮が行き渡っていますが、 実際には向上心、思いやり、忍耐力、自分に秘めた力の発見に繋がるのがそうしたマイナス感情なのです。
私が小学生の時に見たオリンピックのスピード・スケート競技で今も忘れられないエピソードは、レース中に別のスケーターが レーンの入れ替わりルールを間違えたために そこで足止めを食ってしまったスケーターが、その直後から 怒り、焦り、フラストレーション、悔しさ、必死さが起爆剤となって 猛然とアグレッシブなレース展開をした結果、 金メダルに輝いたというものです。 その選手はもう一度レースをするチャンスを与えられましたが、何の妨害も無く滑った時のタイムは銅メダルにも手が届かないものでした。 このように人間から思わぬ力を引き出すのが一見ネガティブと思えるようなマイナス感情なのです。

一般社会ではマイナス感情を抱かない、心や精神状態が安定していることが良しとされていますが、 人間というのは霞を食べて生きている仙人ではないのですから、感情が動かなくなってしまったら いざという時に頑張るエネルギーも 幸せを追及する意欲も沸いてきませんし、何より幸せを感じることさえできません。 人間を動かしているのは感情であり精神なのです。
したがってSさんが人に優しくなれるのは 自分が抱いた不安を人に感じさせたくないと考えるためですし、 友情に感謝するのも ちょっとしたコミュニケーションがそんな不安や心配を払拭してくれるためです。 それと同時に人間が頑張るのは他人を見て悔しい、負けたくないと思うからで、そんな気持ちが沸かない人間には向上心などあり得ません。 人に裏切られた経験を持つ人の方が真の友情を育むようになりますし、 悲しい思いや辛い思いをするからこそ、人間は幸福を追求して、それに感謝するのです。
逆に何のチャレンジもなく、逆境も経験しない、 安定して守られた何不自由の無い環境にどっぷり浸かっているだけであれば、 腸内に善玉バクテリアしか持たない人間のように 精神が錯乱したり、自虐的になって 悪友を引き付けてドラッグに手を出したり、何が幸せか、何が生きる意義かも分からないので 自ら命を絶つケースも少なくありません。 ロスチャイルド家を始め、世界で最も裕福と言われるファミリーで非常に自殺が多いのは周知の事実なのです。

自分を改めるより、 自分を理解して、愛情を注ぐべきです


人間というものは強く生まれてくるのではありません。いろいろな経験をして、様々な思いを味わって、辛いことや悲しいことを乗り越えながら、 教訓を得て、自信を付けて、愛情に力付けられて強くなっていくものなのです。 その意味では人間の強さというのは資質や人柄ではなく、乗り越えた人生のハードルの蓄積です。 誰もが毎日の生活の中の些細なことでも そのハードルを乗り越えながら生きていますし、 周囲からは順調と思われるような人生の中でもそれをやっています。
Sさんが日ごろ感じる人間関係の不安などもその1つですし、それを経済面で感じる人もいれば、子育てや夫婦関係を含む家族問題、健康面で感じる人もいます。 日ごろは「考え過ぎ」と励ましてくれるご主人とて、状況によってはSさんよりも心配や不安を感じて、ストレスフルな思いをしているのです。

大切なのはそんな自分の感情に振り回されず、 それが人間のメカニズムであるということを悟って、 自分への理解を深めて自分に愛情を注ぐことです。 人間は感情を使って自分を奮い立たせる生き物なのですから怒っても、悲しんでも、不安や心配を感じても良いのです。 それらが心地好い感情でなくても、それらを抱くからこそ その対局にある喜び、幸せ、安心を求めると同時に、その有難みと価値を実感するのです。 人間なら誰もが行っているそのメカニズムさえ自覚すれば、自分の抱く不安や心配への対処が必ず変わります。 不安や心配との向き合い方を身につければ、自分の精神のグラつきが無くなる分、自信が身に付きますので、 自分が無理なく付き合っていける本当の友人と、努力しても離れていく人たちの違いも分かるはずです。
逆に「自分のこんなところが嫌いだから直さなければ」などと自分を矯正しようとすれば、 どんどん無個性でダイナミックさの無い、退屈な人間になっていきますし、それに伴ってエネルギー・レベルや人を引き付ける魅力も減少していきます。 人生を生きるために最も大切な財産が自分自身なのですから 余計な詮索や心配をして自分を追い詰めたり、 至らなさに着眼して自分を責めたり、叩いたりするのは大きな間違いです。自分を伸ばすために自分に愛情を注いで、自分を励ましていく姿勢を持たなければ、 何かのきっかけで必ず自分自身に潰されることになります。

一部には「これから能力主義の世界がやってくる」と考える人が居るようですが、私の考えでは能力というのはお金と一緒の道具であって、 それを効率良く掻き集めて上手く使える人が勝利するので、そんな世の中のシステムが変わることは決して無いと思っています。 それよりも世界が転換期を迎えるこれからの時代において ”イコライザー”、すなわち財力や社会的地位を度外視して 人間を同等にリセットするものがあるとすれば、私はそれが精神力、すなわち心の強さだと考えています。
今 世界中では、各国の通貨がどんどん不安定になって、ベネズエラではハイパー・インフレーションが起こり、 イランでも経済が深刻な局面を迎えているのは周知の事実です。イタリアやブラジルでポピュリスト政権が誕生し、 どんな展開になるか全く分からないのがこれからの世界です。 私は先日、YouTubeで過去にイスラエルやアルゼンチンのハイパー・インフレーションの時代を経験してきた人々のインタビューを観ていましたが、 彼らが財産&健康の管理と同様に大切なもの として挙げていたのが精神的な強さでした。 経済システムが破綻した状況下では自分の力ではどうにもならないような状況に見舞われるケースが多いことから、 ストレスや絶望感、肉体と精神の疲労、未来への不安などが 毎日のようにハイレベルで襲ってくるのだそうで、そんな時に精神が弱い人は時代に潰されてしまうというのが 彼らが経験から語っていたアドバイスでした。
ですからどんな世の中になったとしても これからの時代を乗り切って行くために、Sさんには人間の本質を悟って強くなって頂きたいと思います。 人間は自分で自分を追い詰めさえしなければ、 人生の殆どの問題が乗り切れるのです。そしてそれを積み重ねることによって、必ず自信や強さが育まれると私は信じています。


さて、ここで宣伝になってしまって恐縮なのですが、今年春に 電子書籍で出版した「Q&ADV. from New York」のVol. 1 〜 Vo.3を アップデイトし、新たなコンテンツを加えたものを1冊のペーパー書籍にまとめて 「マイナス感情こそ手放すな! ニューヨーク流人生攻略法」というタイトルで12月13日より 産業編集センターより出版することになりました。
表紙を始め、本の中には私がこれまで趣味で撮影してきたニューヨークのスナップが含まれて、 このコーナーのインピレーションの源になっている ニューヨークという街の存在を感じながら アドバイスを読んで頂けるようになっています。
春先に電子書籍で出版した際には「アマゾンでのダウンロードのし方が分からない」といったお言葉も頂いていましたので、 ペーパー書籍というより身近なフォームで、出来るだけ多くの方に3つのコラムと新コンテンツを含む27のアドバイスを読んで頂けたらと思います。

ここをクリックすると、アマゾン・ドットコムのサイトより予約注文が可能です。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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