Dec. Week 1, 2018
★ " The Power of the Gaze "
目力が無く、いつもボッとしていると言われます


秋 山 曜子 様
初めまして。今年に入ってこのコーナーを知って、それ以来ずっと読み続けています。 今まで分からなかった人の心の動きや、気にも留めなかった他人の言葉の意味合いが このコーナーを読むようになって徐々に分かってきました。秋山さんの言葉が 過去の嫌な思い出を吹っ切るのに役立った事もあります。 いつも素晴らしいアドバイスをありがとうございます。

実は先日、スリの被害に遭いました。私はスリに遭ったのはこれが4度目で、それを職場で話したところ 先輩に 「大人しそうで、ちょっとボッとしているように見えるからじゃない?」と言われました。 同じ様なことは良く周りから言われていて 「目力が無いから、もっとマスカラをつけた方が良い」とか、 ちゃんと話を聞いているのに「今の説明をきちんと聞いていたか?」などと言われることもあります。 日頃から気にしてはいましたが、スリの被害が多いのはそのせいと言われたのがきっかけでそんな私を直せるものなら直したいと思うようになりました。 そこで秋山さんにアドバイスがお願いできればと思ってメールをしています。

私は大人しい性格と言われて、会話でも聞き役に回ることが少なくありませんが 自分では普通だと思っています。 表情が無いのは自覚していて、1人で座って友達を待っていると「疲れているみたい」と言われたり、 「何か考え事でもしてた?」と言われることが多いです。 でも1人で居る時に顔に感情を出すのは逆におかしいと思うので そういう指摘は気にしませんでしたが、 だんだんと そう見えるのも スリに狙われるのと関係があるように思えてきました。 目力が無いというのも前髪を揃えているので髪型のせいかと思っていたのですが、 写真写りがいつも眠そうな顔で、このままの自分だと そんな風に見えることで損をしてしまいそうな気がしています。
どうやって自分を変えていったら良いか、何でも良いのでアドバイスをよろしくお願いします。 これからもこのコーナーを楽しみにしています。

- R -



スリは人間のボディランゲージを見抜いた犯罪です


私がRさんのメールを読んで最初に思い出したのが、何年も前に読んだあるリサーチ結果でした。 このリサーチでは10人の男女を並ばせて、そのボディランゲージを数人のスリ常習犯に 1〜2分程度観察させて、 そのうちの誰がターゲットになり易いかの順番を尋ねるというものでした。すると順番に違いはあっても 全てのスリ常習犯が同じ3人をトップ3に選んでいたという興味深い結果が得られたのでした。
私のかつての友人も ニューヨークに来たばかりの1年間にチャイナタウンで3回財布を掏られていましたが、 引ったくりとは異なり、スリは相手が気付かないうちに盗む犯罪なので、 ボディランゲージを観察した上でターゲットを選び、犯行に及びます。 そのため自分の持ち物を含む周囲に関心を払っていない人、 何かに気を取られている人が狙われますし、観光地やコンサート会場、バーゲン会場など、 人々の関心が他に行き易い場所でスリの被害が頻発する傾向にあります。
したがって「スリに遭い易い」というのは 「周囲に関心を払っていない」「心がおろそかになっている」ように見えるということですので、 それが事実でなかったとしても好印象を与えることはありません。ですからスリの被害者だけでなく、人生においての犠牲者にならないためにも それを改善するべきだと私も考えます。

また目力についても自分のアピールだけでなく、説得力、信頼の獲得など 様々な局面で武器になるのが 見つめるパワーです。 セールスの仕事をするにはアイコンタクトが不可欠ですし、ジョブ・インタビュー等ありとあらゆる面接においてもしかりです。 私自身は もう20年前のことになりますが目力で不審者を威嚇して追い払ったという経験があります。
その時は自宅ビルの入り口でピンクのシャツを着た見慣れない白人男性と出くわして、私はそのままメールボックスに郵便物を取りに行ったのですが、 かなり時間が経過していたにも関わらず 地下のフロアから上がってきたエレベーターにその男性が乗っていました。 ロビーフロアからは私を含め3人がエレベーターに乗って、それぞれに行く先のボタンを押しましたが、 その男性の行き先フロアのボタンが押されていなかったことも私には気になっていました。 やがて自分のフロアでエレベーターを降りると その男性も一緒に降りて来たので、私はエレベーターの前から動かず 彼の様子を見ることにしました。 すると男性は廊下を少し歩きかけてから戻ってきて「XXXXのアパートは何処だか分かる?」と尋ねてきました。 私の自宅ビルにはドアマンが居るので「どうしてドアマンに訊かなかったの?」と尋ねたところ、 「実は彼のアパートを見せてもらうことになっていて、さっき電話したけれど居ないみたいだったんだ。代わりにちょっとだけ君のアパートを見せてもらえる?」と言ってきました。 「ここはウィスコンシンやオクラホマじゃなくてニューヨークなんだから、見ず知らずの人間を家に入れる訳ないでしょう?」と答えると、 「僕がそんな怪しい人間に見える?」とニッコリ微笑んできたので、彼を睨みつけながら 「あなたが連続殺人犯でも全く驚かない。私があなただったらこんな会話は早く切り上げて、私がセキュリティに電話する前にビルから逃げ出すと思うけど...。」 と言うと、彼はバツが悪そうな顔をしてエレベーターではなく 非常階段を降りて逃げていきました。 私は直ぐにセキュリティに電話をしましたが、電話の直前にサイド・エントランスから彼が出て行ったそうで、ビルの構造をかなり理解した人間のようでした。
このエピソードは当時の「キャッチ・オブ・ザ・ウィーク」のコラムに書いたこともあって私は良く覚えていますが、 後に友人に言われたのは「相手がナイフを持っていたらどうするつもりだったの?」という指摘。 ナイフなど持っていなくても 男性の方が私より力は強い訳ですが、彼が力の行使に出なかったのは 私がずっと彼の一挙一動を睨みつけていたためだと今でも思っています。 人間の視線というのは睨みつけられた人間を威嚇するだけでなく、その行動を規制するほどパワフルなものなのです。
ですからRさんには目力をつけるということが 自分をアピールするだけでなく、自分を守るためにも役立つと思って取り組んでいただきたいです。
余談ですが、男性が小綺麗な服装で現れたのは怪しまれずにビル内に入るためだったかと思いますが、 もし彼がピンクではなく白いシャツを着ていたら 私もそこまで彼には関心を払っていなかったと考えるにつけ、 何故彼がピンクのシャツを選んだのかが今でも不思議に思えることです。

エネルギーを発するということは周囲に興味と関心を示すことでもあります


Rさんのメールに”1人で座って友達を待っている様子を 「疲れているみたい」 と言われたり、 「何か考え事でもしてた?」と言われることが多いです” とあったのですが、 Rさんは1人でお友達を待っている時に通常、何を考えて、何をしているのでしょう? 例えばそれがカフェやレストランであった場合、スマートフォンでメールをチェックしながら、ただ「友達が早く来ないかな」と思っているだけなのでしょうか? カフェのインテリアや雰囲気、どんな来店客がどんな服装でやってきて、何をオーダーしているかということは気にならないのでしょうか?
私は人間は一度自分の家を出たら、常に自分のレーダーをオンにして周囲に関心を払い、 興味を持って 情報収集をして、知らない人とでも話をして、学べることがあれば学ぶべきだと思っています。 学問であれば本から学ぶだけでも事足りるかもしれませんが、様々な知識は毎日の出来事や人との会話を含む情報の中から仕入れて行くもので、 それが人間に深みを与えると同時に、社交術を含む様々な人生のサバイバル・スキルを学ぶきっかけになるのです。 レーダーがオンの状態の人間は物事や会話に適切に対応する準備が整っているだけでなく、 先を読んだ動きもできるようになります。加えて自分から電波やエネルギーを発していますので、 関心を注いでくれる相手とはそのエネルギー同士がバランスを取り合って、良いコミュニケーションが取れるようになります。
文面を拝見したところRさんは独身女性と思われますが、レーダーがオフの女性は恋愛のチャンスに巡り合うことはまずありません。 目に見えないエネルギーで惹かれ合わない限り、男女は友達にはなれても それが恋愛関係に発展することは無いのです。 ですので Rさんには努めて自分のレーダーがオンになっているかを常にチェックしていただきたいと思います。 それは自分が周囲に関心や興味を持って、情報収集とコミュニケーションを実践しているかということです。
”ちゃんと話を聞いているのに「今の説明をきちんと聞いていたか?」などと言われたりして” とメールにありましたが、 たとえRさんだけに対して話されている訳ではなくても 話し手とアイコンタクトをして 頷いたり、何等かの表情でリアクションを見せていたら そのような事は言われなかったはずです。 話の内容がきちんと頭に入っていたところで、聞いている姿勢がボッとしていように見えてしまえば、 話し手が「自分の話を聞いていない」「興味を持っていない」と勝手に判断するのは自然なことです。 疲れている訳でもないのに「疲れているみたい」 と言われるのにしても、 それは元気そうにしていないからです。
レーダーをオンにして、周囲に興味や関心を払って エネルギーを発していれば、 やって来たお友達を笑顔で迎えることが出来ますし、そうすればお友達も 「元気そう!」と言ってくれるはずなのです。

レーダーをオンにするということは 神経や精神だけでなく 肉体も同時にオンにすることなので、自然に動きもキビキビしてきます。 そもそもキビキビと歩いている人はスリや引ったくりの対象になることはありません。逆に心ここにあらずの状態で歩いていたり、 ダラダラと見るからに鈍そうなオーラを発していれば その恰好のターゲットになってしまいます。
したがってレーダーをオンにして、その状態を持続するためには 気持ちもさることながら身体のコンディションを整えなければなりません。 そのためにはエクササイズをして、エネルギーを体内でくすぶらせるのではなく 外に向けて発散する習慣をつけるのが何より効果的です。 またエクササイズを通じて自分に少しずつチャレンジを課していくと、その達成が自信に繋がりますので、 周囲がそのエネルギーの変化に気づくようになります。そこまでくると自然に体温も高くなっていきますので、冷え性だった場合はそれが改善されるはずです。
もちろん食事も大切です。体内の代謝力を高めてエネルギーを効率良く身体に行き渡らせようと思ったら、 加工食品や糖分、脂肪分が多い食品はご法度です。 ティーンエイジャーは別として、25歳以降で これらをたっぷり食べて頭と身体のキレが良く、エネルギー・レベルが高い人に私は未だかつて会ったことがありません。
さらにRさんには1日に1回でも大きな声を出す習慣をつけて頂きたいと思います。 大声で歌うのでも構いませんし、自分の目標を掲げて それを大声で1日1回必ず読み上げるというのも効果的です。 人間は五感で人を捉えるので、声という要素もコミュニケーションには決して軽視できません。
今のRさんに欠けているのはエネルギーを温存せずに外に向かって発信し、そのフィードバックのエネルギーを自分の栄養にするという インターアクションなのです。これが出来なければ人生の様々な局面で損をするだけでなく、人に負けてしまいます。 世の中は誰もが同じように幸せになれるようには出来ていないのです。

よくこうした自分を変えるチャレンジを新年の幕開けと共に行おうと計画する人がいますが、 本当に自分を変えたいと思っているのであれば、今日からでも 明日からでも簡単に出来ることをまず1つ選んで 実践することを私は強くお勧めします。 人間は きちんとした人生を送りたいと思っている場合には、一生何等かの努力を続けていくのが宿命なのです。 その場合、早く始めた方が 努力を努力と感じなくなるのも早いのです。
逆に何でも節目からスタートしようと先送りする人は何も身につかず、何も達成しないで終わるケースが殆どです。 ですのでRさんにも上記のことを新年の目標ではなく、将来のための自分再構築として出来るだけ早急に着手&達成していただきたいです。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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