Dec. Week 3, 2018
★ " Unforgivable Betrayal "
どうしても許せない裏切り、気持ちの整理が出来ません


秋山曜子様
初めまして。このコーナーだけでなく、CUBE New Yorkをもう何年も愛読していて、購読料をお支払いするのも兼ねて お買い物もさせて頂いています。(笑) いつもこのコーナーに相談している方の悩みに的確で明快なアドバイスをしている秋山さんの文章がとても好きで、 これまで何度も助けられてきました。 今私が抱えている悩みにもアドバイスを頂けたらと思ってメールをしています。

4か月ほど前のことですが人間関係と金銭問題で 友人から酷い裏切りをされました。詳細は書けないのですが、信じられないような濡れ衣を着せられて、 陰で「お金に汚い」とまで言われて、その裏切りのせいで受けた侮辱は思い出すだけで腹が立って涙が出てくるほどです。 周囲は少しずつ私が被害者だと理解し始めたのですが、その酷い仕打ちを人に話しているといつも涙が出てきて、聞いている人が驚いてしまいます。 これまでに何度もその怒りを忘れようとしましたが自分ではどうにもなりません。
裏切られてから1日たりともそのことを考えなかった日はありませんし、その都度猛然と怒りがこみあげたり 悲しさと悔しさで涙を流したりで、 物凄くストレスになっているのを感じます。 私は何も悪いことはしていなくて、友人の狡さに利用されて、その友人が今もチャラチャラしながら偉そうに振舞っている様子が耳に入ってくるだけに 世の中の理不尽さや、周囲の人を見る目の無さ、私の心の傷をえぐるような噂話を楽しむ人達が我慢できません。 その友人の話が出ると普通に振舞っているふりをしても顔が強張ってしまいますし、それを周囲に観察されているのも分かります。

少し前に一番仲の良い友達に、「このままだストレスで潰されてしまうから、忘れる努力か 許す努力をして、ネガティブな気持ちを払拭するべき」と言われました。 その時は私もその通りだと思ったので、それ以降一生懸命その出来事を「過去のこと」と考えて、友人への怒りを消し去ろうと努めてきましたが、 最近では それが出来ない自分が情けなくなってきてしまいました。それどころか忘れる努力するようになってからの方が、 どうやったら復讐が出来るかを真剣に考えるようになってしまいました。 そこで秋山さんの以前のアドバイスにあったように「これも自分に与えられた試練で、ここから学ばなければ」と考えるようになったのですが、 怒りが収まっていないだけに何をどう学ぶべきかが自分では分からなくて、どうしても秋山さんのアドバイスを頂きたいと思いました。
私が弱くて情けない人間であるのが一番悪いことなのですが、そんな私を助けて頂けると嬉しいです。 よろしくお願いします。
今後もこのコーナーとCUBE New Yorkのウェブサイトを楽しみにしています。

- E -



自分に酷いことをした人物を許す必要はありません


Eさんのメールを拝読して 怒りや悲しみを味わっていらっしゃる様子を手に取るように感じただけに、 そのストレスや苦しみをお察しする次第です。
私も友人だと思っていた人物に裏切られたことがありますので、ことあるごとに怒りや悲しみがぶり返してくる現在のEさんの思いはとても良く理解できますし、 どんなに吹っ切ろうとしても 悔しさや失望に引き戻されていく状況も私自身が経験したことです。 人生の中にはいろいろな苦しい局面や、辛い局面があるものですが、 最も吹っ切りや気持ちの切り替えが難しいのが特定の人間の悪意や裏切りによってもたらされたこれらの局面です。
私はEさんの仲良しのお友達の助言とは異なり、「自分に酷いことをした人物を許す必要はない」という考えの持ち主です。 自分に非が無い場合は尚のことです。 というのは そんな状況で相手を許そうとしても そう簡単に出来るはずがないことを自らの経験から熟知しているためです。 恐らくEさんのお友達は 未だそんな酷い裏切りを経験したことが無いために「忘れる」、「許す」という 道徳の教科書のような解決策を提示されたように思われますが、Eさんのように4か月が経過しても毎日そのことが頭から離れず、 今も悔しさで涙が出てくるという状況においてはそんなキレイ事は通用しません。 自分が受けた仕打ちを「忘れる」、「許す」というような無理難題を自分に押し付けるよりも、 湧き上がってくる怒りや悔しさのはけ口を見つけて自分を建て直すことにフォーカスするべきなのです。 「忘れる」、「許す」というような自分を泣き寝入りさせる形で感情を収めようとするとする限りは、 Eさんが経験された通り それが出来ない自分が情けなくなったり、心が狭い人間に思えて自己嫌悪を招いてしまうのです。
腹を立てて当然の時は 腹を立てるべきで、二度と同じ状況を繰り返さないよう自分に言い聞かせるためにも ある一定期間は とことん苦しむしかないというのが私の経験から言えることです。 心に深い傷を負った時は それを我慢したり、穏便に片付けようとすれば、その傷の痛みが何かのきっかけでぶり返してくるだけでなく、 やがてそれが何かにつけて自分にストップをかける要因になったり、正しい判断の妨げになるケースも出てきます。 また自分を酷い目に合わせた人間を許す、自分に起こったことを忘れるということは、自分にプラスにならない人間に囲まれて 人に騙されたり、欺かれたりする生き方を肯定することでもあります。 ですから「自分を幸せにしたい」、「前向きな人生を歩みたい」と考えているのであれば、 自分を苦しめた人間を決して許さず、決して再び関わらない、決して同じ目には遭わないという気持ちを抱く方が 遥かに立ち直りが早く、その後の自分の生き方を改めるきっかけになるのです。
人生において苦境から学ぶべき第一の教訓は 「同じ悲劇や苦しみ、失敗を繰り返さない」ということなのです。 「忘れる」、「許す」という行為は表面的には穏やかで善良なイメージがありますが、 人が良いだけで人生から何も学ばない人間になったところで仕方がないのです。

マイ・ダイアリー=マイ・バイブル


何度かこのコーナーに書いたことがありますが私がEさんのような思いをした時は、とにかく自分の気持ちを日記に手書きで綴ってきました。 私の日記、特にニューヨークに来てからの日記は私にとって人生のバイブルのような存在です。 私は苦しい時や辛い思いをした時ほど日記を書くように心掛けてきましたが、それは恐らく ニューヨークに住み始めて自分のことを良く知らない人達に囲まれていたために、 人に相談するよりも 心のはけ口として自分の本音を日記に綴るようになったのだと思います。 そしてその日記が私の大きな精神的な支えと教訓の源になってきました。
過去の日記を読み返すことによって、 「これを乗り越えたのだから、今の問題も乗り切れる」という自信が得られることもありますが、 日記を読んで記憶をリフレッシュすると、 改めてその経験を異なる視点で見直して学んだり、悟ったりすることが非常に多いのです。

これまでにも私は何度となく人生の教訓を自分の日記から得てきましたが、そのうちの1つは 苦境のインパクトが本当に自分を苦しめるのは数日程度で、そこからは自分で自分の傷口を広げていくという事でした。 過去の日記を読むと、辛い思いや出来事の詳細が最も的確に綴られているのはそれについて執筆した最初の日で、 それ以降はその内容が自分を苦しめるためのものに変わっていくことは 冷静な視点で読み返して初めて悟ったことでした。
人間というのは細胞が死滅しては再生するプロセスで治癒や成長をする生き物です。 擦り傷を放っておいても自然に治っていくのは人間に本来備わった治癒力によるもので、それは肉体だけでなく 精神面でも起こっているのです。 したがって苦しい思いを強いられる局面でも、自分の脳や精神の治癒力によってダメージを修復し、細胞を活性化させることによって 乗り切れるケースは決して少なくないのです。 苦しみや辛さ、怒りが長引くのは、往々にして自分で自分の傷をえぐって悪化させてしまうためです。 そういう段階で書かれた日記に表れていたのは 車でいうアイドリング状態の自分で、 エネルギーを使っているのに 何処にも行けない、何の解決策も見い出せないまま 自分を苦しめるスパイラルに迷い込んでいる自分でした。 私が自分を追い詰めたり、責めたりせず、自分を励まして 大切にする自己愛が如何に大切かを学んだのがこれを悟った時です。
ですから私は酷いことをした他人を許して、自分を責めるようなメンタリティは不幸に繋がるだけと思っています。 怒りや悔しさというマイナス感情の方が 内向する自己嫌悪よりも遥かに払拭し易いだけでなく、自分を駆り立てて頑張るために使える感情なのです。 これを早い段階で悟って キレイごとを卒業し、自己愛に切り替える方が幸せへの確実な近道であることは私が保証する次第です。

幸せは ”エフォートレス” なものです


Eさんのメールに”復讐” という言葉が出てきたのですが、 私は復讐という行為が出来る人物こそが 友人を裏切ったり、陥れたりすると考えています。 Eさんとて頭の中で復讐を思い描いたとしても、決してそれが出来るお人柄ではないと私は判断します。 それが人間の高潔さというものなのです。
私は「人間は高潔である限りは 天が味方する、天が味方しない場合でも運が味方する」という考えの持ち主で、 復讐が実行出来る人、人を騙したり、陥れることが出来る人間というのはやはり育ちが悪いのです。 育ちの悪さというのは家柄のことなどではなく、成長過程が惨めで 尊敬できる人間や愛情を掛けてくれる人間が居なかったということです。 高潔な人間は、育ちが悪い人とはどんなに無理をしても一緒にはなれません。
それ以外にも世の中には意図するしないは別として友達を利用する人、 自分を良く見せるためにウソをつく人等が決して少なくありません。 ですので私はそうした不正を働く人達とは必要があれば戦うべきだと思いますが、 それは表から正当に行うべきものであって、裏から陥れるものではありません。 スポーツにおいてライバルチームとの闘いを盛り上げるための”復讐”、”リベンジ” といったコンセプトは異なり、 個人の人間関係レベルで”復讐”をしようとする人は、善悪の見境が付かないほど自分本位であるケースが殆どです。
頭の中で”どうやったらやり返せるか?” と考える程度であれば 誰もが怒りや苦しみに任せて行っていることですが、 復讐や復讐めいたことを言葉にしたり、具体性のある復讐プランを持ち出してくるのは要注意人物だと警戒して間違いはありません。

人間には誰にでも表と裏の顔があります。華々しくチャラチャラしている人が幸せかと思うと意外にそうではなく 実は自分の弱さを見せないための威嚇であったり、自分を幸せだと思いたいための自己演出であったりします。 本当に幸せな人というのは エフォートレス(努力せず)に幸せなものなので、エフォートレスに幸せそうなオーラを発しているものです。 余計な雑音や装飾に惑わされなければ 誰が本当に幸せかが分かるようになりますし、 本当の幸せがどんな状態かも分かるようになります。
それと同時に人間というのは、他人を良く観察している割にはその情報を役立てていない生き物です。 何等かの事態が起こってから 「そういえば…」という形で 記憶や情報を辿って それが起こるべくして起こったことを悟ったり、 人の隠れた内情や実態に後から気付くことが少なくありません。 ですので自分を追い詰める思考を改めて、もっと他人の観察から得た情報を分析して、そこから学ぶ習慣を心掛けて頂きたいと思います。 そうすれば どういう人間が裏切るか、どういう人間が噂話を振り撒くかなども見えてきて、注意&警戒しなければならない人物が分かってくるはずです。

最後にこのコーナーを始めCUBE New Yorkのコンテンツは、マスを狙うよりも知的&人格レベルの高い日本人層をターゲットに 執筆しています。ですので通常のウェブコンテンツより内容的に重たく、 特に私のアドバイスは厳しいものが多いのですが、そもそもこのコーナーはCUBE New Yorkのお客様、読者の方々に幸せになって頂きたいと思って続けてきたものです。 CUBE New Yorkのコンテンツを愛読してくださる IQや人格をお持ちの方であれば、 私の助言を上手く解釈、活用して人生を切り開いていけるはずと私は信じています。 幸せになる資質を備えている人が 世の中の一般概念に捉われず、自分を大切にすれば、 どんな苦境も乗り越えて それを自信と糧にして強く生きることが出来るのです。
Be Strong, Be Happy!

Yoko Akiyama

★ 2018年12月13日、Q&ADV 書籍出版のお知らせ ★



アマゾン・ドットコムからのご注文
楽天ブックスからのご注文


このセクションへのご質問は、ここをクリックしてお寄せください

プライベート・セッションはこちらからお申し込みください

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。




Shopping
home
jewelry beauty ヘルス Fショップ 購入代行

Q&ADV プライベート・セッション

当社に頂戴した商品のレビュー、コーナーへのご感想、Q&ADVへのご相談を含む 全てのEメールは、 匿名にて当社のコンテンツ(コラムや 当社が関わる雑誌記事等の出版物)としてとして使用される場合がございます。 掲載をご希望でない場合は、メールにその旨ご記入をお願いいたします。 Q&ADVのご相談については掲載を前提に頂いたものと自動的に判断されます。 掲載されない形でのご相談はプライベート・セッションへのお申込みをお勧めいたします。 一度掲載されたコンテンツは、当社の編集作業を経た当社がコピーライトを所有するコンテンツと見なされますので、 その使用に関するクレームへの対応はご遠慮させて頂きます。
Copyright © Yoko Akiyama & Cube New York Inc. 2018.

PAGE TOP