Mar. Week 2, 2019
★ " That Feeling" When Married
結婚15年後の恋愛感情


秋山さん、こんにちは。
長年ウェブサイトの読者で、特にこのコーナーは毎回必ず読んでいて、秋山さんの洞察力やご経験からくるアドバイスに信頼を寄せて読ませて頂いています。 最近モヤモヤする思いがあり、思い切ってご相談させて頂きたくご連絡しました。

私は、結婚して15年の夫と、まだ幼い息子達とアメリカの大都市圏に住んでいます。 夫とは気が合い仲が良く、子供たち世話やお互いの仕事の事など、なんでも相談しあいながら 良い関係を続けてこられていると思います。 夫は私の事を心から愛してくれていて、特に彼に不満がある訳でもありません。

ところが最近職場で、これまで何とも思っていなかった同僚がふとしたきっかけで気になる存在になってしまいました。 夫とは異なるタイプで、彼の言動には自分にはない視点から出てくるものが多く、 最初はあまりに感覚が違うので苦手な存在だったのですが、 彼と色々と話をしていく中でそんな所が新鮮で尊敬できるとさえ思うようになりました。
とは言え その彼にも家庭がありますし、そもそも彼は私の事は同僚としか思っていないでしょうし、 私自身も自分の家庭を壊すつもりもありません。この感情はきっと一過性のものでそのうち落ち着くと思います。
何がモヤモヤしているかと言うと、今回の件が、こうした感情を夫以外の誰かに持つ事は 今後もあり得るかもと気がつくきっかけになった一方で、夫と別れるつもりはないと自分自身でも確認した事です。 それは夫に対する家族愛もあるかもしれませんが、息子達の事や、経済的な事など、 失いたくないものを守りたいという思いからくる物だと思います。 例えば夫と結婚せずに交際しているだけだったり、たとえ結婚していても子供がいなければ、 もう少し違った発想になっていたかもしれませんが、今の私には守りたいものが多すぎる気がします。 そこでご相談したいのは、どうやってこのような感情に折り合いをつけるかです。 大人として家庭を持ったからには、諦める事も必要だと悟って自分を抑えるしかないのでしょうが、 なんだか割り切れない思いです。何かよいアドバイスを頂けたらと思います。

- N -



恋愛感情は人間の本能の一部です


Nさんのようなお気持ちは 安定した幸せな結婚関係を送っている人でも 多かれ少なかれ抱くものだと思います。 恋愛感情は人間が本能的に抱く感情の一部ですので、結婚したからといってそれがストップすることはありません。
結婚というシステムが、モラルや体裁など様々な方面から制御作用をもたらすために、 恋愛感情を抱かないように 異性と距離を置いたり、恋愛感情自体を 自分の中から消し去って、 それを忘れて生きている人は少なくありません。 誠実で、地に足がついた人ほど それを自然に行って、結婚生活に満足して生きていく傾向にありますが、 だからといって人間の誰もが持つ感情が鈍化する訳ではないのです。

私が知る限り、結婚が早かった人や恋愛経験が少ない人ほど、夫婦というものを 「お互いに お互いしか愛すべきではない関係」と捉える傾向にあるように思いますが、 夫婦というものは二人だけで生きていく関係ではなく、 二人一組の単位で 財産や家族、人脈を社会の中で築いていく関係です。 ですから失いたくない物を沢山築いていらっしゃるNさんとご主人が良好な夫婦関係でいらっしゃることはよく分かりますし、 そういう関係であればあるほど 強い”絆”で結ばれて、お互いを人生の最良のパートナーと思って生きていらっしゃることと思います。

でも安定した関係にある夫婦が、伴侶以外の相手に恋愛感情で惹かれているケースは全く珍しくありません。 不倫と承知でその感情にアクティブに従う人も居れば、プラトニックな関係に止まるケースもありますが、 多くは結婚生活を守りながら、無害なロマンスやエキサイトメントを楽しみたいと考えています。 そうかと思えば、自分にインスピレーションや楽しい時間を与えてくれる交友関係を 家庭の外に持つのは 社会との関わりの一環であって不倫や浮気ではないと考えて、 自分が惹かれる相手と堂々と交友関係を持つ人も居ますが、 1つ確実に言えるのはどんなに安定していても夫婦関係に結婚当初から変わらぬ愛情を求めるのには無理があるという事です。
人間は安定していれば退屈になる生き物ですし、自分にとって未知で新鮮な存在には一時的であっても強く惹かれます。 そんな変化や刺激が無ければ人間は「自分が本当に生きている」と実感することが出来ないのです。

でも そんな新しい相手との間に感じられるケミストリーが必ずしも 恋愛を意味するとは限りません。 久々に異性の中に見出した新鮮さや 一緒に居る楽しさ、相手から注がれる関心の心地好さというのは 基本的に 恋愛初期のエキサイトメントと同じものですし、恋愛はそこから発展していくものです。 ですが同様の感情やケミストリーは、意識しないだけで実は 同性で気が合った友人とも 出会ったばかりの頃に抱いているものなのです。 ”Bromance / ブロマンス” という言葉が存在したり、 同性の親友に裏切られた心の痛みが失恋同様に辛いことからも分かる通り、 自分にしっくりくる人間関係というのは異性でも同性でも 同じようなインパクトをもたらすのです。
すなわち同性の友達であったら 親友になれるような友情の始まりが、異性間だと 恋愛や恋心の始まりのように感じられる事は多いのです。 その結果、良い友人同士になれるはずの関係が 恋愛として捉えてしまったことで 「一時の気まぐれ」で終わるケースは少なくありませんし、 中には恋愛が終焉してから 友情がスタートするケースもあります。 恋愛感情というのは 既婚・未婚のステータスを問わず やがては萎えるように出来ているものなのです。
なので 夫以外の男性に抱いた感情を「やがて終わる」と承知で 恋愛と捉えたければ、それはそれで良いと思います。 でも相手が 尊敬出来て自分の人生にとって何かプラスの要因をもたらしてくれると思う場合には、 それを長い友情の始まりとして捉えた方が、恋愛の余計な 苦しみや悩みを味わうことなく、 友情としてのケミストリーを楽しみながら、お互いをサポートシステムにして上手くやっていくことが可能なのです。

夫婦円満には お互いの存在だけではダメなのです


私がNさんに心を開いて考え直して頂きたいと思うのは愛情というものの捉え方です。 言葉の上では 恋をする気落ちが恋愛感情、 友達を愛することが友情、家族を愛することが家族愛、目上の人に注ぐ愛情が敬愛 と区別されていたとしても、それらは全て同じ愛情というソースから来ています。 愛情の対象は人間とは限りません。自分のペット、趣味、情熱が傾けられることに愛情を注ぐケースもあります。 また地球や環境、特定の物に抱く配慮も愛情の一種ですし、 見ず知らずの人でもその言動に共鳴するなどして 好意を抱けば それもある種の愛情です。 人は愛情を抱く対象が多ければ多いほど、愛に溢れた幸せな人生を送ることが出来るのです。

その一方で人間は世の中の様々な既成概念に知らず知らずのうちに縛られて生きています。それは結婚、恋愛、友情、男女間といったものにおいても然りです。 でも男女がお互いに好意を抱けば恋愛という訳ではありませんし、既婚の異性同士が惹かれ合うことが 必ず不倫や浮気に繋がる訳でもありません。
私の考えでは 結婚してからでも自分の世界や視野を広げてくれる異性の友達を持つべきですし、 むしろ異性の方がすんなりと異なる価値観を納得させてくれることが多いのです。 そんな 新鮮さ、目新しさ、楽しさ を異性の友人に見出すことは既婚者でも全く責められるべきことではありません。

Nさんは職場の男性に好意を抱いたことによって 逆にご自身にとって結婚生活が如何に大切かを悟っていらっしゃいましたが、 同様のことは何等かの形でご主人も経験されていることと思いますし、職場の男性とて同じ思いをしているかもしれません。 要するに そうしたことが夫婦円満に役立っているのです。
夫婦が長年上手くやっていくには、お互いの存在だけではダメなのです。 お互いに色々な思いをして家に帰ってきた時に 他の相手では味わえない安らぎを お互いに感じたり、 心の拠り所になり合えるのが円満な夫婦です。
それさえ理解していれば、ご主人を裏切ることなくして 人間関係から刺激を受けて 様々なモチベーションを得ることが出来るはずでし、 正当な形で罪悪感無しに 異性の交友関係を広げられるはずです。 そもそも夫婦はお互いに異なる分野で交友関係を広げるからこそ 人脈において遥かにシングルよりも強いのです。

時代は21世紀ですし、Nさんはサウジアラビアで暮らしている訳ではないのですから 相手に感じる好意を恋愛感情とミックスアップさえしなければ、自分がケミストリーを感じる人達と 人生を豊かにする関係が沢山築けるはずです。 またそうすることでNさんが女性としてますます磨きをかけることもできると思います。
大切なのは状況にコントロールされるのではなく、自分が状況をコントロールする強い意志と自信を持つことです。 それさえ持てば、様々な出会いや人間関係を有益な財産にしていけるのです。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。




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