Mar. Week 4, 2019
★ " My Daughter Never Forgive Me
DVで娘を疑って以来、娘に嫌われています


秋山様。
最初にCUBEさんのウェブサイトに出会ったのは10年以上前にNY旅行をした時です。以来、時々間が空いてもずっと愛読させて頂いています。 どうしてもご相談したいことがあり、初めてメールをしています。

私には20代半ばの娘が居ます。2年ほど前に娘の様子が変になり 当時付き合っていた男性からDVの被害を受けていると告白されましたが、 何とその時に私が信じたのは加害者の男性の言い分でした。その男性はしたたかで、まるで娘と結婚して私の義理の息子になったかのように懐いてくれる様子が その時はとても可愛く思えて、今から思えばそれも男性の手の内だったのでしょうが、私はすっかり騙されてしまいました。 娘が大怪我を負うまで男性の言い分を信じて、暫くストーカーのような嫌がらせをされてやっと相手の正体を悟った情けない母親でした。
そのせいで娘からすっかり嫌われてしまい 「どうして自分の娘の言うことよりも、あんな酷い彼のことを信じたの?」と 何度なじられたか分かりません。私も今ではそう思いますが 「あの時は彼の言うことが正しいと思えた」としか答えようがありません。 娘には何度も謝っていますが、許してもらえません。 一人娘なので 娘が私に冷たくなってからというもの、天涯孤独のような毎日を送っていて この先も一生この状態が続くのかと思う目の前が真っ暗になります。

どうしたら娘に許して貰えるでしょうか。 何かアドバイスをしていただけると本当に助かります。 よろしくお願いしまます。

- S -



謝罪よりも 娘さんの孤独と失望を修復を


私がSさんへのアドバイスの執筆をしていた時に アメリカで公開されたのが、マイケル・ジャクソンの児童性的虐待の犠牲者を描いたドキュメンタリー、 「リーヴィング・ネヴァーランド」でした。その中で虐待被害者の母親が語っていたのが 「子供を守るのが親の役割なのに、マイケル・ジャクソンが自分達にあてがう贅沢な生活や好待遇に惑わされて、 それと引き換えに我が子が虐待の犠牲になっていることに目を向けられなかった」 ということ、そして犠牲者たちが 「今も未だ親が許せない」と語っていたのもその部分でした。
私は状況は違っても 同じメンタリティがSさんと娘さんの関係に当てはまるように思います。 Sさんが したたかに振舞うDVの加害者男性のことを その時は可愛く思えて、娘さんが告白した彼の暴力に目を向けようとしなかったことは、 娘さんにとってDVで受けた身体や心の傷よりも ずっと深く 深刻なダメージを親子関係にもたらしているはずです。

でもSさんが男性を信用してしまったのは 娘さんの交際相手として男性と出会ったためで、娘さんのために彼と上手くやっていこうという気持ちと 男性の狡猾さが 彼を実際とは異なるチャーミングな存在に仕立て上げていたのは紛れもない事実です。 すなわち彼を一時的にでも信じた気持ちの背景にあるのは、娘さんへの愛情や信頼です。 また親にボーイフレンドを紹介するというのは、ある程度真剣な交際をしているからこそあり得る行為ですので、 男性を信用していたのは娘さんも同様です。 したがってこの状況ではSさんも娘さんも 共にDVが家族にもたらした被害の犠牲者なのです。

Sさんは娘さんに嫌われて「天涯孤独のような毎日を送っている」と書いていらっしゃいましたが、同じ孤独感は DVの被害を打ち明けてSさんに信じてもらえなかった段階から、 失望を伴って娘さんも感じ続けてきたものです。 そんな娘さんの孤独と失望を修復できる唯一の人物がSさんですが、正直なところ「あの時は彼の言うことが正しいと思えた」としか考えられない段階では、 どんなに謝っても、優しい言葉を掛けても娘さんには自己弁護にしか聞こえないはずです。
Sさんにしても 娘さんの心の痛みや失望を修復したいという気持ちよりも、「自分が寂しいから許して欲しい」という自分本位な考えが あるのではないでしょうか。

親に愛されたくない子供など居ません


ここで最も大切なのはSさんが娘さんからの信頼を取り戻すことであって、体裁を保つことではありません。 Sさんが自己弁護や自分の正当性を謝罪や言い訳に盛り込みたくなるのは、人間特有の自分の正しさに意地を張る気持ちと同時に 「自分はいつも子供のことを思っている」という親の心理からですが、基本的に親というものは自分が注ぐ愛情と同等の愛情を子供に期待し、 それが裏切られることを非常に恐れています。 すなわち子供から愛されたいという気持ちを たとえ潜在的であっても強く抱いており、その気持ちは自分が嫌っている子供に対しても同様に抱いています。
でも親はそう思うがあまり 子供がどんなに嫌おうと思っても本能的に親を愛すること、親に愛されたくない子供など居ないことを意外に理解していません。 血で繋がった親子はお互いにお互いしかいない、取り換えが効かない存在なのですから 一時的にこじれたり、仲たがいがあっても それを乗り越えて本能的な愛情に従うのはバイオロジカル・デスティニーなのです。

娘さんがDVの事件以来、Sさんを嫌っているのは 本来自分に注がれるはずのSさんの愛情やサポート、信頼が、 自分を苦しめる他人に注がれたことに腹を立てていることもありますが、それによって娘さんが成長過程で Sさんに注いできた愛情や、一緒に過ごした様々な思い出が Sさんにとって何の意味も無かったかのように思えることに強く失望しているのです。
その関係修復のためには、まずSさんが娘さんと過ごした楽しい思い出を 頭で思い出すだけでなく、 娘さんの子供の頃のアルバムや 小学校の頃に娘さんが描いた手紙や絵、 母の日のプレゼント等を 一度しっかり目で見て、手に取って遡ることによって、 日頃忘れていたような出来事や その時々の気持ちを記憶の上でリフレッシュすることをお勧めします。 そしてSさんにとって娘さんが如何に大切で、娘さんの存在が自分を支えてきたことを再認識した上で、 娘さんとも そんな思い出、家族として乗り越えてきた様々な出来事、 特に楽しかった日々について話すことをお勧めします。 娘さんが話をしたがらない場合には、楽しい思い出の数々と共に Sさんがその過程でいつも娘さんを宝物のように思ってきたことを綴った手紙を書くことをお勧めします。
たとえどんな出来事で腹を立てたり、気持ちがこじれていたとしても そんな家族の愛情や絆が捨てられる血が通った人間など この世の中には存在しません。

時間が掛かったとしても、やがては娘さんと現在を振り返って DVの問題を家族で乗り越えた苦境の1つとして語り合える日がきっと来るはずです。 DVがもたらしたネガティブ・インパクトをSさんと娘さんの人生から払拭するためにも、是非頑張って頂きたいと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。




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