April Week 1, 2019
★ " I'm So Bored with Life
自殺願望ではありませんが、生きていても退屈です


秋山曜子さま。
サイトにお邪魔するようになって5〜6年が経過します。ほぼ毎日のようにチェックする唯一のウェブサイトです。 いつも素晴らしい内容のコンテンツをありがとうございます。先日には日頃のお礼に本も買わせて頂きました。
私も迷った挙句、アドバイスしていただけなくても承知を覚悟でメールをしてみようと決心しました。 もしアドバイスがし難くてお答えいただけなくても当然と思っているので、その際にはご放念ください。

私は30代半ばで、毎日普通に仕事をして、普通に友達がいて、とても一般的な私の年齢層の生活をしていると思います。 ですが時々それが退屈というか、この先どうにもならず、何も起こらないまま一生を送るのが目に見えていて嫌になることがあります。 別に自殺願望がある訳ではないのですが、「このまま生きていても何になるんだろう?」と真剣に考えることがあります。 先日友達とも「だんだん1年があっという間!と思えるスピードが速くなってきた」と話していた時に、 「こうやってあっという間に歳を取っちゃうのよね」言った自分が、 本当にこのまま年老いていくことを考えたら、結末が分かっていて何も展開が無い長編映画を観せられているみたいな 虚脱感に襲われてしまいました。

私は別に落ち込んでいる訳ではなく、悲観的なつもりでもないのですが、「生き甲斐がない」、「毎日が平穏で当たり前すぎる」という表現が一番合っていると思います。 が、かといって冒険的なことがしたいという訳でもありません。 こんな自分の気持ちや生活を、秋山さんがアドバイスにいつも書いていらっしゃるような 活き活きとした前向きな人生に変える方法があるでしょうか。
もし何かアドバイスをしていただけたら、とても嬉しいです。 もちろん厳しいことでも構いません。 むしろこんな私は厳しい言葉で喝を入れて頂いた方が良いのだと思いますので、どうかよろしくお願いします。

- H -



”安定=退屈” はミッドライフ・クライシスのフォーミュラです 


Hさんのような状況は、アメリカでは「ミッドライフ・クライシス」として扱われるケースが殆どです。 何不自由なく普通に生活していることに飽きてしまったり、退屈する結果、 突如型破りなことを始める人も居れば、徐々に無気力になっていく人も居ます。 これは既婚・未婚、子供の居る・居ないに関わらず、ある一定の年齢で多くの人が経験することで、これを30代で経験する人も居れば、 40代、50代で経験する人も居ます。したがって決してHさんだけに起こっていることではありません。

「流れの無い水は腐る」ということわざが様々なものに用いられるように、 人にも、組織にも、世の中にも変化や刺激が必要です。 基本的に 日本社会の方がアメリカに比べると事なかれ主義の思想が強いので、変化を望む気持ちがあっても 「今より悪くなるかもしれない」という危惧から現状維持を選ぶ傾向があるように思いますが、 だからといって 安定がもたらす退屈さや 同じ状況のリピートに疑問や倦怠感を抱かずに生き続けられる訳ではありません。

マリー・アントアネットでさえ「退屈が怖い」と語ったと言われるように、 何不自由なく生きているように見える人が、 何をやっても楽しいと思えない生活をしていたり、深刻な精神的落ち込みを患っているケースは全く珍しくありません。 富裕層がレクリエーショナル・ドラッグで中毒になるケースも、もっぱらそんな退屈や自分の弱さを一時的に紛らすエキサイトメントを求めて コントロールを失っていくのがシナリオです。 そうかと思えば貧困諸国の人々が、1日の終わりにその日を生き残っただけでも喜びを分かち合う様子は 彼らに同情して 彼らを救うためのチャリティで訪問したはずのセレブリティに逆に衝撃を与えていたするので、一体誰が本当の意味で幸せなのかは分かりません

以前にもこのコーナーに書いたことがありますが、私はこれだけ貧富の差が開いて、大学入試から就職、犯罪の処遇まで リッチ&フェイモスが優遇される社会において、 唯一のイコライザーがあるとすれば そんな本当の幸福感、それをもたらす精神的な強さや柔軟さだと思っています。 こればかりはお金では買えませんし、何不自由のない生活やチャレンジの無い生き方からは決して得られないからです。
経済レベルに関わらず 安定というものは人間が望むものである反面、その平穏さや単調さ、長過ぎる安心感は退屈で刺激に欠けるものです。 2時間観ていても何も起こらない映画が多くの人々にとってエンターテイメントではなく退屈、時に観ているのが苦痛に感じられるのと同様、 人生も何の展開もなく、その先も何も起こらないと思えば、それを生きていることがつまらない、もしくはそんな人生に何の意味があるのかを疑問に感じても不思議ではないのです。

人生の退屈は自分のミッションを悟るためのウェイクアップ・コールです 


映画と言えば、私は意外にドキュメンタリー映画から人生を学ぶことが多いのですが、あるドキュメンタリーの中で 様々な経験を乗り越えて悟りを開いたサクセスフルなアスリートが語っていたのが「In this game, you lose more than you win.(このゲームでは勝つより負けることの方が多い)」という言葉。 ふと考えると これは人生全般にも言えることで、世の中で本当の意味での幸福を勝ち取っているのは 「常に勝つことなど無い」と悟って、 負けることを恐れない、厭わない人達です。 バイオリズムにおいて 「Low / ロウがあるからHigh / ハイがある」、「ハイがあるからロウがある」というのは 株価チャートから人間心理まで 全てに言えることですが、 幸福レベルが高い人ほど 「ハイを目指してロウを厭わない」、「次の段階のハイを迎えるためにロウを恐れない」という生き方で、 自分の人生の主導権を握って、周囲に振り回されたり、安定に甘んじることなく生きています。

でもその状況に達するには 自分が好きなことに打ち込んだり、ライフワーク、人生の目標を定める必要があります。 それだけにサイコセラピストがミッドライフ・クライシスを迎えたクライアントに奨励するのが 新しい物にトライして学ぶ楽しみを味わったり、日頃とは違う刺激を脳に与えることですが、 私の意見では闇雲に新しい物に取り組んだところで、 直ぐに飽きてしまうだけで道は開けません。それを繰り返せば、逆に「何をやってもダメ」と人生に失望する結果を招くケースさえあります。
それより私が薦めるのは 時計の針を戻して以前の自分と、その時に自分が求めていた物、描いていた夢を思い出すことです。 私が知る限り、年齢を重ねても幸せに生きている人達は 若い頃に抱いた夢を実現させたり、その実現に取り組んでいる人です。 生活や収入の安定を優先させて 諦めたり、忘れ掛けていた自分の夢や目標を思い出して、少しずつでもそれに取り組む努力や それに取り組む状況作りを始めると、たとえそれが大変でも意外に苦にならないのです。 マーク・トゥウェインの語録に「自分が好きな事を仕事にすれば、一生働かずに済む」というものがありますが、 人間は自分が好きな事に取り組んでいる限りは 苦労やハードワークも”チャレンジ”として自然に乗り越えられるようにデザインされています。 人間の幸せや人生の充実感にしても、自分が本当に好きな事に取り組んでいるかに大きく依存します。
見方を変えれば自分が好きな事、やりたい事、目標にする事は、自分が授かった運命であり、人生におけるミッションでもあります。 だからこそ それを悟ると運命の後押しで道が開けますし、それに取り組むことによって達成感、満足感、充実感といった 本当の意味での幸せが得られるのです。

私がそれを見つけるために時計の針を戻す手法としてお勧めするのは、自分の以前を良く知る旧友と時間を過ごしたり、 学生時代に聴いた音楽、観た映画、読んだ小説等、多感な時代の自分に影響や感動を与えた物に 今一度戻ってみることです。様々な記憶の中からインスピレーションが沸くことも少なくありません。 ”温故知新” というのは個々の人間にも活用できるセオリーで、自分の将来を切り開くにためには過去に遡ってみることが驚くほど効果的なのです。

自分のライフワークを見つけて、それに取り組むというのは人によっては時間を要するプロジェクトですが、 私がHさんに今日からでも取り組んで頂きたいのは1日の捉え方です。
またしてもマーク・トゥウェインの語録に「Give everyday the chance to become the most beautiful of your life」、 すなわち「その日が生涯で最も素晴らしい1日になるチャンスを毎日に与えるべき」というものがあります。 私自身、散々な1日を過ごして 気を取り直して出掛けたディナーが思いの外 楽しかったり、揉めに揉めていたことが突如解決して 逆にハッピーになった経験などが幾度となくあるので、 「1日が終わるまで その日を決して諦めない」というのが私の生活のモットーになっています。 なのでHさんにも 「今日もまた同じ1日」などと最初から決めつけずに、毎日にチャンスを与える生き方を心掛けて頂きたいと思います。
そうすると以前なら頭で想像するだけで止めていたことでも「やってみようか?」という気持ちになれますし、 それをトライするだけで驚くほど気分転換が出来たり、脳に刺激を与えることが出来るのです。 毎日にチャンスを与えれば、その1日1日がHさんにとって本当に求めるものや、Hさんが目指すべきこと、達成すべきミッションに導いてくれるはずです。
そうなればこれまでの ”平穏で退屈だった毎日” が、”自分の夢や目標実現のための積み重ねと前進” になっていくはずです。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。




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