April Week 3, 2019
★ " My Daughter's Endless Nightmare
娘を悩ませるトラブルメーカー、親が出来る最善の助言は?


はじめまして。
このコーナーが特に大好きでいつも色々な人の相談内容を読んでは、悩んでいるのは私1人ではないのだなと心強くなりますし、 秋山さんのアドバイスを自分に向けてのアドバイスの様に受け止めお言葉を大切に思い返しています。 私の悩みにも是非お力を下さい。

高校1年生の娘の事です。 幼稚園からの同級生の女の子、A子に嫌われていて、その悪口に悩んでおります。 当初は娘と全然違うタイプのお子さんなので関わらずにおりましたが、ひょんな事から勝手に親友扱いされる様になり、 いつもA子から他人の悪口ばかり聞かされる毎日で怖さを覚えたのと、 娘への束縛が強く、思い通りにならないと娘への攻撃も多くなったので、何とか小学校卒業と同時に距離を置く事にしました。 するとそれと同時にA子の怒りが爆発し、口頭やSNSなど あらゆる方法で「私は◯◯に裏切られた」、「◯◯は陰で皆んなの悪口言ってる最低な奴だよ」など、 捏造と言える悪口を振り撒かれ辛い思いをしました。 またその母親というのが以前このコーナーで秋山さんが仰っていらした「典型的な女王バチタイプ」であった事から、 私自身もその母親に嫌われる羽目になり、「あの家族は父親が浮気していて母親は娘を虐待している。だからあの子は性格が歪んでいる」、 「私も娘も散々虐められて大変だった」など悪口を拡散され、A子親子からの私達親子への恨みつらみの攻撃は大変なものとなりました。

あまりにも酷いので学校にも相談させて頂きまして、学校側がどんな対応をして下さったかは定かではありませんが、 その後は娘はA子との接点が暫し無くなり、平和な日が続いていたものの、最近になってまたお友達からA子の娘への悪口がずっと続いていた事や、 娘の部活の後輩によからぬ噂話を吹聴している事実がフィードバックされ、 娘は「何年経ってもずっとA子に恨まれて、悪口言われ続けるんだと思う…」と落ち込んだり自身喪失になったりしております。 娘はA子と真逆で信頼出来るお友達にもたくさん恵まれて、部活も学校生活も楽しんでおり、A子の事が無ければとてもイキイキしている様に見えます。 逆にA子は似た者同士の数少ないお友達の内輪でさえ お互い陰口叩き合っている様ですし、 学校でもよく問題を起こして学年1のトラブルメーカーとなっています。 しかし学校側はミッション系という事で「問題児だからといって処罰は出来ない」と仰りますので、 悪い生徒が大きなお咎めなしに放置されています。
この様な時、娘にどのようなアドバイスが最適でしょうか。ぜひお力をください。

- F -



ストレスに対処するにはその構造を理解する必要があります


私は親が子供の問題の解決に乗り出していったり、トラブルから子供を守るために過保護になることには反対の立場ですが、 Fさんのように 子供の苦しい状況のためにアドバイスをするというのはとても大切であると同時に親として適切な行為だと思います。 また年齢が若くても人間はその時々のストレスと戦っていますので、ストレスへの対処法を学ぶのに若すぎることはありません。 Fさんのお嬢様は人気があるだけでなく、頭も良い方とお察ししますので 表面的な慰めが無力であることは既に理解していらっしゃると思います。 ですのでこの段階でストレスやプレッシャーとの対処法を学んでいただいて、将来的に何が起こっても それを使って 強く幸せに生きて頂きたいと思います。

そのためにはまずストレスというものを構造的に理解する必要があります。 一般的にストレスは精神的なもの、頭脳が感じるものだと思われていますが、神経科学の世界ではストレスは生理的現象として捉えられています。 何等かの感情が起こるとそれが神経ペプチドと呼ばれる体内分子となって身体中にリリースされ、そのペプチドの影響を身体で感じることになります。 その生理的反応がストレスなのです。
これはレモンを見るとその酸味を頭に描いて唾液が甘く感じられたり、 餌を与える時にベルを鳴らして犬を呼ぶ習慣をつけると、ベルの音を聞いただけで犬がハッピーになるのと同様の反応です。 私の知り合いには悪夢のようなクライアントに苦しめられて、 そのクライアントの名前をEメールのリストの中に見つけただけで 動悸がして胸が苦しくなる人がいましたが、ストレスとはクライアントが嫌いなことではなく、クライアントがもたらす身体のリアクションなのです。 そしてそんな身体のリアクションが脳の不安や緊張を煽る結果、脳の反応をストレスと捉えてしまいがちです。 ですが実際にはストレスとは脳の反応のトリガーになる身体の生理反応なのです。

同時にストレスとは自分の弱さのアグラヴェーティング(悪化、激化)・ファクターでもありますので、 起こってもいないことを恐れたり、未だ決まっていないことに不安や不満を感じるなど、 不必要なプレッシャーや心配を自分の上にどんどん積み重ねる習性が身につきます。 その結果、実際に自分が感じた不愉快さを遥かに上回る量のストレスを感じますし、 そんな大量のストレスで何度もリピートして自分を叩きのめしたり、精神的に追い込むようになります。 それがストレスの”負の連鎖”です。

逆にストレスに強いのは気が散り易い人、厚顔無恥と言えるほどに鈍感で図々しい人、周囲が見えないほど自分本位な人達で、 どれも誉められた人間性ではありませんが、驚くほど出世街道を歩むタイプであったりします。 見方を変えればストレスに潰されない人間が成功を収めるのです。
でも人格的に劣悪にならなくても、人間というのはどんなに繊細で優しい性格でも 特定の物に対して自分を鈍化(=強化)させることが出来る生き物なのです。 Fさんのお嬢様のような状況では 相手が態度を改めることや、相手との関わりを絶つことは望めませんが、 そのストレスを毅然と切り離して、お嬢様が持つポジティブ・バイブを生かして学校生活を楽しむことは可能なのです。

精神には肉体からの働きかけが有効です 


そのためのファーストステップとして、まずお嬢様に「A子さんに自分に良からぬ噂話を振り撒かれている」と知らされた時や、 A子さんのことで悩んでいる時の身体のリアクションを自覚して頂いてください。 これは感情的なリアクションではなく、心臓がドキドキする、思考回路が麻痺する、息が吸えなくなる、胸がムカムカする、 身体が硬直する 等、あくまで肉体的なリアクションに限って自覚して頂くことが大切です。 A子さんからのストレスが自分の身体にどんなインパクトをもたらしているかをはっきり捉えるのが第一段階です。
次に行うのは、それらを感じた時に 最も手が付け易いところから それらのインパクトをリバースするトレーニングをすることです。 動悸がしたり、息が吸えなくなったのなら深呼吸をするのが効果的ですし、身体が硬直したのなら 伸びをしたり、身体を軽くシェイクアップして緊張をほぐす、 胸がムカムカしたなら 胸を撫で下ろすジェスチャーをする、目の前が真っ暗になったのなら 一度目を閉じて もう一度見開いてみる等、身体のストレス反応をリバースして元の状態に戻すように自分の身体に言い聞かせながらそれを行う習慣をつけます。 思考回路が停止したのなら 機能を取り戻すために 脳に簡単なタスクを与えてそれを考えるのが有効です。 例えば頭の中で 13x13といった算数の問題を出したり、何かを思い出したり、列挙するようなごくシンプルなことで十分です。 それを実践すると 身体の様々なリアクションを起こしていた神経ペプチドもリバースされていくので、 その結果ストレスもリバースされます。
まさかと思う人も多いかと思いますが、私自身心配事やストレスがある時にセントラル・パークをランニングすると 外の空気や木々の緑等の影響も大きいものの、 身体を動かすことによって発せられるエンドルフィンによって、走り終わった時には全てが些細なことに感じられる思いを何度も経験しています。 したがってストレスや精神に最も有効なのは肉体からの働きかけなのです。

そもそも人間の身体にはダメージを修復したり、問題を改善して強く生き残るための自然の機能が沢山備わっています。 具体的にはそれが人間本来に備わった治癒力や 成長ホルモンの役割であったりします。 そしてそれらが肉体だけでなく精神にも活用されていることは以前もこのコーナーでも書いた通りです。 これを理解すれば、 それらのパワーや機能を意図的に自分のために役立てることが可能になるのです。
多くのセラピストやカウンセラーは悩み事への対処として自分を追い込まないこと、問題を考え過ぎないことを訴えますが、実際には、 悩み事を考えないようにするのは至難の業で、不可能ともいえるタスクです。 また悩み事は考えないように努めるより、むしろ建設的で前向きな思考で向き合うことによって解決策を生み出します。 大切なのはその悩みがもたらすストレス、心の苦しみ、プレッシャーを自分から切り離すことで、 それを可能にするのが 身体が感じたストレスの生理反応をリバースするという極めてシンプルな対策なのです。

動悸、身体の硬直といったストレスの生理反応をリバースすることによって何が起こるかと言えば、 悩み事を考える頻度が減って苦しくなったり、悲観的になるという精神のリアクションが無くなると同時に、事態の悪化を思い描いて絶望感を味わうこともなくなります。 そんな心理状態が生み出すのが「問題はそのままでも、このまま何とかやっていけるだろう」という安定思考で、これは慰めによって一時的に植え付けられた楽観的な気分とは異なり、 一晩で消えることはありません。
その状態が 「多少不愉快さを感じても、苦しむことはなくなった」という自覚をもたらすので、 それ以降は問題に対して徐々に無感情になります。 そこまでくれば、問題の根源と鉢合わせした時などに 軽度のエモーションがカムバックしてくることがあるかもしれませんが、 その問題によって苦しむことは無くなりますし、それにストレスを感じていた自分が 単に過剰反応をしていたと悟ることが出来るはずです。

最後に、「悪口を言う人は、言われる人」です。大人になってもこれをやっている人は、学生時代からやっているケースが多いようですが、 どんなに悪口で頭に来ることがあっても、そんな育ちが悪い人達と同じレベルまで下がって行って 悪口を言い返すことなどFさんにも、Fさんのお嬢様にも出来ないはずです。 前にもこのコーナーに書いた通り、それが人間の高潔さであり、高潔な人間こそが 本当の友情や幸せに恵まれます。 それと同時に、世の中の人々というのは 態度に出さなくても驚くほど周囲の言動や行動を見て人を判断していますので、 噂やウソは常に真摯な態度を取っていれば恐れるに値しません。 噂やウソに簡単に惑わされる人は信頼するに値しませんので、 そんな人に対しては ウソや噂を正す必要もないのです。
ご相談頂いた状況は トラブルメーカーにならざるを得ないA子さん自身の精神状態の問題であって、 Fさんのお嬢様さえA子さんのストレスを払拭すれば、Fさん親子とは全く無関係な問題です。 それを認識して、他人の問題に巻き込まれない生き方をこれから お嬢様と一緒に学んで行って頂きたいと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。




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