Aug. Week 4, 2019
★ "Friendship & Financial Situation"
経済状態が違う友達とは付き合えない!?


秋山 曜子さま、
CUBE New Yorkのサイトはもう何年も前からアクセスしています。 いろいろな方の悩みやその解決策が分かるこのコーナーが特に好きですが、 日本では伝えられない世界やニューヨークのことが分かる 御社のサイトが大好きです。
私も是非アドバイスをお願いしたいと思いました。

私には学生時代から仲良しの6人グループが居て、大学を卒業してからもずっとそのグループで仲良くしています。 そのうちの4人は裕福な家庭に育って、学生時代から持ち物が派手で、親に高い車を買い与えられて、夏休みには海外留学、冬休みには海外旅行と、 行動半径まで違うのは感じていましたが、それでも学生時代は経済力の違いはさほど気にせずに、普通に仲良くしていました。
しかし社会に出ると、いろいろな意味でその4人との経済力の違いを 私ともう1人の友達が身に染みて感じるようになってきました。 その友達をAさんとすると、私とAさんの経済状態がさほど豊かでないことは残りの友達4人もある程度は分かっています。 Aさんの方が 「私、そんなお金無い」とはっきり言うタイプで、 私はお金は無くても 高いレストランに行く時にも一緒に出掛けています。 そのためだんだんとAさんを誘わない行事がグループの中で増えてきたのですが、 ある時、Aさんと「私たちって、あの4人とは違うよね」と話していた時に、Aさんが「高いレストランに行ったって、 2時間くらい楽しくて、美味しい思いをするだけで、手元に何も残らない」と言って、しっかり貯蓄や投資をしていることを知って驚いてしまいました。

それ以来、私1人がお金のある友達に合わせて馬鹿を見ているような気がして、 将来に不安を感じるようになってしまいました。 でも私はAさんのようにはっきりお金が無いといって断る勇気が無いのと、友達と疎遠になりたくなくて、誘われると高いレストランでも食事に行ってしまい、 後から払ったお金を考えて後悔することの連続です。
あと以前のように服は買わなくなりましたが、友達に会う時に何となく引け目を感じないようにするためにお金を使っている自分にも気付きます。 ですので貯金はサッパリで、友達にはAさんより私の方が経済的に潤っていると思われていますが Aさんの方が私よりずっとお金があります。

私も将来設計とかを考えなければならないのですが、やはり経済状態が異なる友達とは付き合えないという事なのでしょうか。 生活の心配をしないで高いレストランに行っている友達のことを思うと羨ましいですし、自分が惨めになる気持ちです。 秋山さんに相談しても経済状態を改善してもらえる訳ではないのは承知ですが、 何か自分の気持ちのプラスになるアドバイスをしてもらえたらと思って メールをいたしました。 愚痴のような相談で恥ずかしいのですが、何卒よろしくお願いします。

- K -



これは経済レベルではなく人生のプライオリティの問題です


Kさんのメールを拝読して私がまず感じたのは、Kさんがアメリカで”FOMO (Fear Of Missing Out)” と表現される心理状態を お友達との経済レベルの違いに置き換えて考えているのでは?ということでした。
FOMOはソーシャル・メディアが普及してから生まれた言葉で、友達が自分を誘わずにパーティーやディナーで楽しむ様子を そのニュースフィードで見せつけられて落ち込んだり、知り合いがヴァケーションやコンサート等のアクティビティを楽しむ様子を 見て焦りやジェラシーを感じたり、 時にそうしたポストに対して競争心を抱く心理を指します。 Kさんが感じているのは お友達とのディナーが高額だからと言って参加しなければ、自分がグループから取り残されるのでは?というFOMOに過ぎません。
アメリカでは”FOMO”が消費を煽るためのマーケティング・ツールとして使われて久しい状況ですが、 そんな「自分だけが取り残される」、「自分だけがXXXを持っていない」というFOMOを感じて、 カードローンを増やしてまで出費をしているアメリカ人は決して少なくありません。

恐らくKさんの年齢は25歳以上、30歳以下とお察ししますが、やがてはそのグループの中の経済的に余裕があるお友達でも 結婚して子供が出来たり、自分で事業を始めたり、仕事で転勤になるなどして、徐々にグループのメンバーと疎遠になっていくものなのです。 人間というのは人生に別のプライオリティが出来れば、それを中心にして生活も人間関係も変わって行きます。 お友達のAさんはグループの誰よりも一足先に貯蓄や投資という形で そのプライオリティの優先を実践しているまでで、 やがては誰もがそうなって行くのが人生ですし、だからこそ人生に展開があるのです。
Kさんは今は定期的に友達グループに会っていないと、自分が取り残されるような気持ちが強いかもしれませんが、 学生時代に培った友情というのは何十年が経過してからでも、むしろその段階になってからの方が お互いの存在が有難く感じられて深まっていくものです。 そんな既に確立されている交友関係よりも、Kさんがプライオリティとするべきなのはご自身の将来です。 今の段階から貯蓄をしたり、将来の自分に必要な知識を身につけたり、夢の実現に向けて人間関係を広げることが大切なのであって、 Kさんの時間と可処分所得はそれに費やすべきなのです。
金銭的に無理をしたり、知らず知らずのうちに見栄を張って、いつも同じ友達としか会うことが出来なければ、 人生が前向きに展開することがないだけでなく、 友達との経済状態の違いばかりが気になって、自分がどんどん小さな人間に思えて自信を失ったり、卑屈な考えを持つようになってしまいます。

人間がどんな状況でも自信とプライドを持って生きるには、自分が何かに向かって前進して、 「自分の人生をしっかりコントロールしている」という意識を持つことがとても大切なのです。 恐らくお友達のAさんは貯蓄や投資で確実に財産を増やすことによって その前進を実感しているので、 見栄を張ることなく 「お金が無い」とはっきり言うことを厭わないのだと思いますし、自分を抜きにしてグループのお友達が会っていたとしても Mさんのように気にすることも無いと思います。 それがFOMOによって精神状態を乗っ取られていないということ、すなわち自分にとってのプライオリティが何であるかを自覚しているという事なのです。
したがって今のKさんに必要なのは、お友達の経済状態と比較して、その付き合いが続けられるかを心配することではなく、 自分の人生の目標やゴールをしっかり定めることです。 「普通に仕事をして、誰か良い人が現れたら結婚して…」などと漠然と考えているうちは、 金銭的に無理をしてでも今の交友関係にしがみついて不本意な出費をしたり、宣伝文句に乗せられて自分の人生に不必要なクラスを取ったり、 目先の利益を追いかけてマルチ商法に引っかかるような失敗を繰り返してしまいます。
そうならないためには、 「来年までにXXXをする」というような短期的なものでも良いので、自分の目標や夢を定めて それをプライオリティにする生き方を実践して、 周囲に合わせるのではなく、「自分の人生を自分でコントロールする」という意思を強く持つ必要があります。

ファイナンシャル・プランは人生のプランです


自分の目標をプライオリティにする生き方というのは、そのプライオリティにお金と時間を使うという事です。 要するにファイナンシャル・プランは人生のプランなのです。 そのプランはやりたい事が見つかってから始めるのでは遅いのです。 自分がやりたい事、夢の実現のためにやらなければならない事や設備投資が必要になった時にそれを直ぐに実践して、 時間を無駄にしないためにも、なるべく早い段階から お金の使い方を見直す必要があるというのが私の考えです。
そのためには余分な生活費を落とすことも大切ですが、”生きたお金の使い方”をしなければなりません。 お金を生かす使い方というのは「財産が増える」、もしくは「時間や出費の節約」になって 払った金額以上のヴァリューを生み出す使い方、すなわちリターン(見返り)がある使い方です。
私がリターンがあるお金の使い道と考えるのは 健康、外観、勉学、投資、心のゆとりの5つです。 日本はアメリカほど医療費が高くなくても、健康を害することは人間にとって最も大切な財産を失うことです。 ですから健康、エネルギー・レベル、若さを保つために必要なものには時間とお金を使う方が、将来的に支払う薬代を含む医療費を大きく節約することが出来るだけでなく、 仕事を含む生活全般の効率を向上させるのに役立ちます。 逆に健康を害するEシガレットを含むタバコ、アルコール類、加工食品等は、実際に支払っている金額以上の出費を将来的にもたらすと考えて控えるべきです。

2つ目の外観は交友関係やビジネスを広げるためにお金を掛ける必要があります。 「貧すれば鈍する」という言葉がありますが、女性でも男性でも外観でジャッジされることが多い今の世の中においては 実際には「鈍すれば貧する」なのです。 自分に手を掛けずにいると 「それをするだけのお金、時間、マネージメント力がない」と見なされますし、 私のような自営業者はビジネスが傾ていると判断されて不利な思いをします。実際にどんな仕事でも外観で好印象を与えることが 大きなプラスになることは 景気の動向に関わらず明らかになっています。
これは”時間を掛けてしっかりメークをするべき” というような意味ではなく、自分を最高に見せるプレゼンテーションを 最も効率良く出来るようにお金を掛けるべきという意味です。 ファッションであれば自分の印象や体型を良く見せる服に投資をして、それをシリコンヴァレーのエグゼクティブのように長きに渡って毎日着用する方が、 無個性で 特に似合う訳でもない服を組み合わせて着回すよりも 時間、お金、手間が省けるだけでなく、 自分のトレードマークのスタイルが確立できます。デザイナーのトム・フォードでさえ「同じスタイルを制服のように毎日着用している」と語っているのですから、 ファッショナブルな人々にとってもショッピングやコーディネートに手間や時間を費やす時代は終わりつつあるのです。

勉学についてはクラスを取ったり、人に教わろうとするよりも、独学に時間とお金を使った方が遥かに新しい道が開ける可能性が高いというのが 私の考えです。既存のセオリーや やり方を押し付けられるだけでは、何も花開くことはありません。
投資については専門家に言われるままに株や債券を買っていてはリスキーな時代に入っているので、経済の仕組みや投資のリスクについては 他人の請け売りではなく、自分でしっかり学ぶ必要があります。 今までの世の中は「自分は自分の仕事をして、銀行がお金に関する仕事をする」というような風潮で、 一般の人々が驚くほど中央銀行を含む金融システムに無関心な時代でしたが、これからは自分の財産は銀行に頼らず自分で管理する時代です。 それほど銀行のシステムは万一金融恐慌が起こった際に利用者には不利に出来ているのです。

最後の心のゆとりはレクリエーションであり、リラクセーションで、 友達と食事に出かけて楽しい時間を過ごすのは このカテゴリーに入りますが、経済的に無理をして高いレストランで食事をしても心のゆとりは得られません。 自分に無理のないプライスレンジのレクリエーションを選んで 「これだけの出費でこんなに楽しい思いが出来た」という満足感や幸福感を得るか、もしくは たとえ贅沢であっても 一生の思い出として脳に刻みつけるような得難い経験に支払うべきなのがこのカテゴリーの出費です。
Kさんのお友達グループの食事にしても、大金持ちでも行きたがるようなカジュアル・レストランや B級レストランは沢山あるのですから、 一度安価で気取らない、美味しい店をトライしてみたら、それ以降はレストラン選びが変ってくるかもしれません。 私自身、高額レストランのサービスやフード&ワインが価格に見合わなかった時には、「こんなことなら このお金で ゴールドかビットコインを買う方が良かった」と後悔することがありますが、 そう考えると 高額の外食というのは 払った金額に見合うリターンが必ずしも得られるとは限らないギャンブル要素があるかと思います。
いずれにしてもお金というのは、使い方さえ心得ていれば額面以上の財産をもたらすことが出来るのです。 特に給与や収入が簡単に増えない経済局面においては、お金を生かす使い方を心得ていることで 人生に大きな違いが出ますので、これを機会にKさんには是非それを学んで、実践して頂きたいと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。




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