
★ "Fight Against Anxiety Make You Feel Sick"
私の「病は気から」 の攻略法
今回のこのコーナーは、いつものアドバイスとは趣向を変えて、コロナウィルス感染が拡大する中で「自分が感染しているのでは?」という不安から
本当に風邪の症状が悪化してしまうケース、すなわち「病は気から」の心と身体のコネクションと私が考えるその対策について書かせて頂くことにしました。
人間心理が身体に与える影響については、説明されるまでもなく多くの人々が自覚しているものです。
神経質になるとアレルギー症状が悪化する人、熱を測って体温計の数値を見た途端にフラフラする人は少なくありませんが、
私自身は30代半ばまでアスピリンが頭痛薬ではなく、全ての痛み止めだと思い込んでいたので腹痛までアスピリンで治していた経験の持ち主。
今ではアスピリンが頭痛薬であると認識しているものの、風邪を引きかけた時などに摂取すると 錠剤独特の酸味を口の中で感じただけで体調が改善する思いを味わう
条件反射は未だ健在です。
そんな精神が身体に与える影響は、病気だけでなく、引いては命の長さにも大きく関わるもの。
医療が進歩した現在では徐々に100歳以上まで生きる人が珍しい存在では無くなりつつありますが、1990年代後半に100歳以上生きた人々を対象に行われたのが
そのライフスタイルから、体質、食生活までの調査。その結果は喫煙者も居れば、お酒や甘いものを好む人、
睡眠時間が短い人なども居て、データとしてはバラバラ。その中で唯一の共通点であったのが
全員が比較的若い頃から「自分は長生きする」と決めていたことでした。
それを思うと健康と長寿の秘訣は、病気を追い払うようなメンタリティを持つこと。
ですが コロナウィルスの危機が日に日に高まるアメリカではそれが極めて難しくなりつつある状況です。
人々が自分の感染を疑って病院に押しかけるので、病院のエマージェンシー・ルームで待たされる方が感染率が高まると指摘される一方で、
感染を確認して適切な治療を受けたい人、感染の不安を払拭したい人達が、
全米各地のドライブスルーで行われる検査に車で数時間の行列をする様子が連日ように見られて、
テストキット不足に対する不満が日に日に高まっているのが現在です。
私のロサンジェルスに住むアメリカ人の親友も、そんなテストキット不足にフラストレーションをつのらせて、ストレスフルな毎日を送っていた1人。
その友人とはもう15年以上の付き合いになりますが、常に健康で 風邪で寝込むことさえないタイプ。本人も自分の健康には自信を持っていて、
エクササイズのチャレンジをしては自慢をしている時期もあったほど。
ところが10日ほど前に 職場の同僚が、家族のコロナウィルス感染を理由に自主隔離の休暇を取ったことを知らされて以来、
途端に微熱を感じるようになってしまい、それと同時に始まったのが頭痛と鼻詰まりの症状。
加えて夜中に時折咳をするようになってしまい「自分も感染したのでは?」と疑い始めしまったとのこと。
でも感染テストを受けたいと思っても、前述のようにテストキットが不足していてスーパーモデルのハイディ・クルムでさえテストが受けられないと
嘆いていた状況。
そこで彼女は 何とかポジティブな思考を取り戻して「病は気から」の状況を払拭しようと決心し、
自主隔離をした同僚とは感染するほど一緒に時間を過ごしていなかったこと、その同僚の自主隔離のニュースを聞いた途端に
他の同僚たちも 軽い風邪の症状を訴えて感染を疑っていたことなどを考えて、自分の症状が単なる精神的な不安から来ているものだと捉えようとかなりの努力をしたとのこと。
でもどうしてもその不安とストレスから逃れられず、このままでは本当に病気になってしまうことを心配して
私にアドバイスを求めてきました。
私は私で、常に健康体で多忙にしている彼女が コロナウィルスであっさり健康に自信が無くなってしまった様子に
少々ビックリしてしまいましたが、彼女が尋ねてきたのが「自分は健康だと思っているけれど、どうしたら自分の健康に揺るぎない自信が持てるのか?」ということでした。

私自身、これまでは幸運にも大きな病気などせずに生きて来ることが出来ましたが、それでも決して自分の健康を過信したことはなくて、
むしろ「気を許すと体調を崩す」と自分に言い聞かせる慎重派。
友人の方が年齢が若い分 私よりずっと身体が強いと判断していますが、
それでも私の方が「自分が病気になるのでは?」といった不安を抱かずに済んでいるのは
恐らく子供の頃から事あるごとに母親に「私がお腹を痛めて丈夫に生んであげたのだから…」と言われ続けてきたためだと思っています。
そのため私は「自分が丈夫で健康だ」という意識を強く持つ一方で、「自分の健康は親から与えられた掛け替えの無い財産」と考えて、
常に健康とそれを授けてくれた両親に感謝しながら生きてきたと自覚しています。
私が知る限り、世の中に意外に多いのが自分の親に対して 健康な身体に産んで育ててくれたことを感謝したことが無い人々。
ですが私の考えでは、自分の健康に自信を持ちたければ そのルーツに感謝することは不可欠。
それを行って初めて単なる自分の思い込みだけではない家系やDNA、そして親が自分を生んで育てるために注がれた思い入れや愛情に裏付けられた揺るぎない健康への自信と
それを守ろうという強い意志が備わるというのが私の意見です。
そんな私が健康に自信をつけたい友人に勧めたのが、 彼女の父親が他界して以来、仲たがいをして疎遠になりがちな母親に電話をして、
自分を健康体に産んで、育ててくれたことに感謝をするということ。
友人は最初は難色を示していましたが、そろそろ母親にコンタクトした方が良い時期だと考えていたこともあり、
思い切って母親に電話をして「今まで言う機会が無かったけれど、健康な身体に産んでくれてありがとう」と伝えたとのことでした。
すると母親はビックリして「どうしたの? コロナウィルスに感染したの?」と慌て出したそうで、
「感染なんてしていない」と言うと、「それなら良いけれど、脅かさないで!」というリアクション。味気なくその電話が終わってしまったとのことでした。
でも友達が母親に電話をしたことを後悔したかと言えば そんなことは無くて、
「今これを言わなかったら、多分一生言うことが出来なかった 」と考えて、自分が言うべきことを言ったことについては不思議な達成感を覚えていたとのこと。
そう思っているうちに母親から送られてきたのが短いテキスト・メッセージ。
それは「私も今まで言う機会が無かったけれど、あなたが健康で立派な大人に育ってくれたことを誇りに思っています。
身体にはくれぐれも気を付けて」というもの。それを見て友達は久々に母親と心が通じた歓びで暫し嬉し泣きをしてしまったそうで、
気づいた時には微熱や頭痛、咳、鼻詰まりが全て治っていたといって、私にも心から感謝してくれました。
私もそんな友達からのフィードバックを貰って自分の免疫力までアップするような幸福感を味わいましたが、
こんな状況下ではお互いを支え合う友情や愛情、そして自分が持っているものに感謝する気持ちが何よりも大切だということも
改めて痛感することになりました。
私はコロナウィルス感染を危惧する子供達に対しても、 親たちが「自分が健康なDNAを与えてあげたのだから大丈夫」と言って安心させてあげることはとても大切だと思っています。
科学的根拠などなくても、子供が不安に陥った時に心の拠り所にするのが 親が日頃から言い聞かせている言葉です。
どんなに身体が丈夫でも心がグラグラしていたら健康を保つことは出来ませんので、自分の健康を疑いたくなった時に
それを覆す愛情やDNAの裏付けはとても大切と思う次第です。
最後に お買い物のお客様からニューヨークのコロナウィルス感染拡大に伴って、お気遣いのメッセージを頂いておりますことを この場を借りてお礼申し上げます。
カストマー・サービス からはそんなお気遣いに感謝して、なるべくニュースで伝えられないような ニューヨークの現状をオーダーのご連絡と共にお伝えするようにさせて頂いています。
またCUBE New York をいつもお買い物でサポートして下さることにも心からお礼申し上げます。ありがとうございます。
皆さまのご健康、そしてこんな時期でも心豊かに毎日が送れますことを お祈りしています。
Yoko Akiyama
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執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |


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