July Week 2, 2020
★ " The Opinionators to Follow Now "
今と近未来を知るためにチェックするべきオピニオネーター


秋山様
こんにちは、いつも更新をとても楽しみにしております。 今回はお願いがありご連絡しました。
以前の記事で、ロックダウンライフの最中はYouTubeで社会情勢等チェックしてらっしゃると読みましたが、もし差し支えなければオススメのチャンネルや動画など教えていただくことは可能でしょうか?
エンターテインメントやHow to系の動画は結構どれを見ても楽しめるのですが、政治経済や歴史系は人によってずいぶん意見や視点が違うので、 あまりうかつに手を出せないなぁと思っていたところです。
英語の勉強もしたいので海外のチャンネルが見たいのですが、 日本では好意的に見られていても米国内では眉唾モノの研究者だったりすることもあるので、膨大な動画の中でまともなチャンネルに出会うのも難しく…。
ぜひ秋山様のお気に入りを教えていただければ嬉しいです。 よろしくお願いいたします。
最後になりましたが、お体に気を付けてくださいませ。 秋山様の2020年がなるべくでも楽しいものになりますよう祈っております。

-S-




今のアメリカを問題意識を持って的確に捉えるなら…

今、私が100%賛同する情報分析と意見を述べているのは、 写真上のアナンド・ギリダラダスです。私が彼の存在を最初に知ったのは2014年の彼の著書「True America / トゥルー・アメリカ」が話題になった時でしたが、 その時はさほど彼には関心を払っていませんでした。 私がアナンド・ギリダラダスをOn & Offでフォローするようになったのは、2018年に出版された ビリオネア・フィランソロピストのからくりと、 世の中のシステマティックな不平等の構造を克明に明かしたベストセラー書 「Winners Take All / ウィナーズ・テイク・オール」が 大きな話題になってからです。

恐らくSさんは、5月2週目のフェイバリット「私のロックダウン中のオブセッション」で、 ティモシー・シャラメについて書いた際の くだりの部分を読んで今回のお問合せを下さったものと思いますが、 そのティモシー・シャラメも昨年のインタビューで「最近読んで最も興味深かった本」を尋ねられ「Winners Take All」を挙げていました。


YouTube上には彼のスピーチやインタビューのビデオが溢れていますが、 ロックダウン中にも アメリカ人の友達から 「This guy is incredible!」というメッセージと共に彼のビデオ・リンクが送られてきました。 特に彼に共鳴するのは 未だ長いものに巻かれていない若い世代が多いと言われますが、 アナンド・ギリダラダスは彼が批判している企業やビジネスマンからスピーチを依頼されたり、彼の著書が評価される不思議な存在でもあります。
私自身が彼の語りが好きなのは、さすがに元NYタイムズのレポーターとあって 非常によく事実がリサーチがされていて、 それらの情報やデータの裏付けと共に クリアなビジョンやセオリーを打ち出す頭脳明晰ぶりに感銘することが1つ。 そしてきちんとした英語で、メッセージを的確に打ち出し、聞く側の関心を引き付けるパワーがあること。 さらには社会の問題点をシビアに指摘しながらも、その解決策や方向性を提示して、聞く側に希望を与えてくれるためです。

トランプ政権誕生以来、主旨を捻じ曲げた身勝手な主張や、自分に都合が悪い事実をすべて「フェイクニュース」呼ばわりする 社会風潮が3年以上続き、今では「まともな思考回路を保つのが極めて難しい」とまで言われるアメリカ社会ですが、 そんな中でも ここまでクリアに事実と正義を的確に結び付けた主張を発信するオピニオネータ―が存在すると、 「世の中が変わるかもしれない」、「変えられるかもしれない」という気持ちになれるのは私だけでなく、アナンド・ギリダラダスに共鳴する誰もが語ることです。

彼は優れたストーリー・テラーでもあって、私はそんな彼のスタイルを知るためには以下の TEDトークのビデオをお勧めします。
2015年のものですが、ゆっくりとした語り口なので英語も分かり易く、ビデオ画面の右下のYouTubeのロゴの左にある「設定」で英語字幕、日本語字幕を出せば意味も、英語のセンテンスもしっかり捉えられると思います。
語っているのは9・11テロの10日後にテキサス州のミニマートで起こった銃撃事件の容疑者と被害者のその後についてですが、それが現在のアメリカの2つの異なる側面の対比に展開されていくストーリーです。


彼が普通のアメリカ人の会話のスピードで「Winners Take All」について語っているのは、「The Daily Show」にゲスト出演した際の以下のビデオで、 こちらの方が、8分間でも中身がしっかり詰まっている印象です。


上の二本以外にも、グーグルで行ったスピーチやステージでのディスカッションなど、1時間以上の長いエピソードのビデオが YouTubeで閲覧できますが、彼のビデオは語りに無駄がないので長いビデオでも割にあっさり観ることができます。 私の場合は、料理をしたり、マニキュアを塗っている最中などに彼の語りを聞いているケースが多いです。

お金と経済について今一度学ぶのなら… 

それとは別に私はお金や中央銀行のシステムについて、誰もが今一度学び直す必要があると思っています。 投資以前にお金や銀行、経済の仕組みについて、分かっているようで分かっていない人は多いですし、 中には「銀行に勤めている訳ではないから、分かる必要さえない」とまで考える人もいます。 ですが それでまかり通ったのはこれまでの話だと思います。
英語の勉強をする気が無くても、YouTubeで日本語字幕を設定して観るべきだと思うのが、 GoldSilver / ゴールドシルバー というチャンネルを運営するMike Maloney / マイク・マロ―二―のビデオ・シリーズ「Hidden Secrets Of Money / ヒドゥン・シークレッツ・オブ・マネー」です。 全10エピソードまでありますが、経済の先が見えない時代なだけに、少なくとも「お金とは何なのか?」そして「通貨は債券であって財産ではない」ことをこのシリーズで学ぶべきだと思います。
マイク・マロ―二―は今もチャンネルで新しいビデオを発信していて、私はタイトルを見て興味深い場合はそれをチェックするようにしています。


私はポッドキャストも含めてYouTubeでは合計40のチャンネルをサブスクライブしていますが、そのうち政治経済で定期的にチェックするのは6人程度です。 特に投資系のチャンネルは、言っている内容や分析には賛同しなくても、取り上げているデータを興味深いと思ってフォローすることが多いので、 そのご紹介は差し控えたいと思います。
経済&投資系のYouTuberは、悲観的な危機論を展開する人は過去5年以上に渡って全く同じ見解ですし、 ゴールド投資の専門家の一部はゴールド以外の投資対象をボロクソに言うので、私はそんな視野の狭さをそのまま受け取るのは危険だと思いますし、 それは投資に限らず、政治や国際情勢についても同様だと思います。
中には言っていることは正しくても、退屈で聞いていられないYouTuberもいますので、 自分が共鳴する人をフォローして、自分で内容をジャッジしながら正確な情報や興味深いセオリーを得ることが大切なのだと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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