June Week 4, 2021
Anti Vax Stalker!?
ワクチン反対派の友人がワクチン・ストーカーになっています


秋山様、
いつもコーナーだけでなく、キューブさんのウェブサイト全体を楽しみにしています。
アメリカでワクチンがどんどん広まって、コロナウィルスや経済がそれに伴って急速に改善していく様子をキューブさんのサイトで読みながら、 アメリカと日本の国力や政治のシステムの違いを見せつけられるような思いを抱いています。
私は昨年の今頃でしたら ワクチンを怪しいと疑っていたので開発されても打たないと思っていましたが、今では私を始め周囲の意見もワクチン肯定派にすっかり変わりました。 でもお友達グループの1人が強烈なワクチン反対派です。その人をAさんとすると Aさんはビル・ゲイツがワクチンにマイクロチップを入れている陰謀説を鵜呑みにするような人で、他の友達とはその様子に呆れていたのですが、 皆がワクチンを早く打ちたがっている様子が気に入らないようで、その話題になると「ワクチンが如何に危険か」を30分くらい喋り続けるので、 「Aさんの前ではワクチンの話題は無しね」と根回しするほどです。

少し前に皆でお茶を飲んでいた時に Aさんのワクチン陰謀説にウンザリした友達が、私の主人が医師で先にワクチンを接種していたことから 「ご主人はワクチンを受けてどう言っているの?」と意見を求めてきました。私はAさんと口論にならないように「主人の体調はワクチンを受けても全然異常無いみたい」と、 わざとワクチンの是非を避けて答えましたが、その途端にAさんが「ご主人みたいな藪医者の意見じゃなくて、もっとちゃんとしたお医者様は…」と言ったので私は唖然としましたし、 Aさんを除くグループ全体も凍りついてしまいました。 それはAさんも分かったようで「ごめんね、藪医者じゃないよね。だからWHOに勤めているような感染症の専門家みたいなきちんとしたお医者様」と‎フォローにならない言い直しをしましたが、 私はすごく気分を損ねました。
それだけでなく Aさんは友人の母親がワクチンを受けると聞きつけて、それを止めるために友人に電話をしてきたそうで、 「今、忙しいから」と友人が電話を切ると、「ワクチンを打つ前に必ずこれを読んで 考えてください」というタイトルのメールを送付してきたそうです。 ここまでくるとストーカーです。

Aさんはもともと独りよがりのインフルエンサー的なところがあり、インスタやフェイスブックで健康ネタや健康グッズの情報を発信しています。 過去にはマルチ商法で健康グッズを販売していて、胡散臭い占いとか精神科学のレクチャーの案内なども送りつけて来るような人です。 Aさんは、友人グループがワクチン肯定派になってきたのが 私や主人の影響だと思い込んでいるみたいで、 Aさんが友達に送った「ワクチンを打たないように」というEメールには「その辺の藪医者や政治家に言われるがままにワクチンを接種して将来を台無しにするか、 世界屈指の科学者のアドバイスを聞いて不安の無い将来を迎えるか」と書いてあり、私や主人に対するトゲを感じる文章です。
私はAさんのことは無視を決め込んでいますが、それでも夫を人前で藪医者扱いにしたり、メールにまで夫を藪医者扱いするかのようなことを書かれたとあって、 それが頭から離れずに不愉快になります。それに友達もAさんのワクチン・ストーカーの被害を私に愚痴りたがるので、 皆がAさんにウンザリしているのが分かって安心する反面、私と主人が意味も無く 陰でもAさんの攻撃の矛先にされていることが腹立たしくてなりません。
こういう状態ではどうするべきなのでしょうか。本人にはっきり抗議するべきでしょうか。何かアドバイスをお願いします。

- N -


無視を決め込むべき相手はAさんではありません


Nさんがご指摘の通り、問題のAさんは 確かにストーカーになる素質は十分だと思います。 思い込みの強さ、自分やその考えを相手がどう思っているかを顧みずに執拗に押し付ける態度はストーカーの片鱗だと思います。 それに対してNさんは「無視を決め込んでいますが」とメールに書いて下さった通り、正しい対応をされているとは思うのですが、 無視を決め込むべきなのはAさんに対してではなく、Aさんによって逆立てられるNさん自身の感情なのです。
人間関係や自分を取り巻く環境は自分では変えられないケースが多いものですが、 人間関係の問題の殆どは感情のコントロール、すなわち感情の起伏に対して自分が反応しないと決め込むことによって回避できるのです、

人間という生き物は 例えば朝起きて腰や首が痛かった場合、前日に行ったアクティビティを思い起こしたり、眠っている間に寝違えた可能性など その原因を考えて、 痛みの度合いに応じて軟膏を塗ったり、医師のアポイントメントを入れるといった治癒に努めます。 しかしそれが感情になると、人が言った言葉、やった行為で受けた心の傷やダメージについて 「何故相手がそんな態度を取り、 自分がこんなに傷つくのか」といった原因の究明をして、その修復や改善に取り組む人は殆どいません。 逆に不愉快な経験とその時の怒りや屈辱を頭の中で反復することにより 自ら傷口をえぐって悪化させてしまうのが常です。 その結果、友人や家族に何度も同じことを愚痴ったり、 「あの時ああ言えば良かった」、「今度同じことを言われたら、こうやり返そう」的なシミュレーションを頭の中で繰り返すので、精神状態をそうした怒りや不安、フラストレーションに乗っ取られてしまうのです。

自分の感情をコントロールするというのは、頭で分かっていたとしても決して簡単なことではありません。 その理由は自分をどう制御したら良いかが分からないからです。 人間は自分のこと知っているようでいて、意外に知らないまま年齢を重ねていくものなのです。 幾つになっても自分の強さや弱さを知らずに生きている人は非常に多いのです。
でも一度自分の感情のリアクションを意識して分析する努力を始めると、必ずしも何時も出来なかったとしても、 少しずつ自分の感情を客観的に捉えられるようになります。 そうすると 幼い頃からの劣等感や、自分では否定している嫉妬心、どういうアプローチに自分があっさり心を許し、どういう態度や人柄に怒りや脅威を覚えるかなどが 徐々に分かるようになってきます。 でも怒りや不安、フラストレーションの原因を客観的に捉えたととしても それらが消え失せることはありません。 人間としてまともな心を持って生き続けるためには むしろそうあるべきなのです。 大切なことはそうした感情に振り回されなくなることです。そうすることによって徐々に得られるのが心の平和と安定なのです。

感情の炎症はガンや老化の原因になります。

自分の感情を客観的に分析するようになると、人の好き嫌いにも種類があることに気付くようになります。 例えば人が好きな場合は その人物を好んでいるケースと、その人物と一緒に居る時の自分が好き というケースがあります。 後者はその人物が持つ華やかさの一部になって自信が向上する心理であったり、自分が日ごろ思っていても言えないことをその人物が代弁してくれるなどの 爽快感、強い者に寄り添っている安心感であったりもしますが、掘り下げてみるとその人物との間に心のコネクションは介在していません。
嫌いな場合も然りで、その人自体が嫌いな場合もあれば、その人物と一緒に時間を過ごしたり、その人の影響を受けることにより 不安、疑い、策略めいた考えや詮索欲を抱いたり、余計な見栄を張らなければならない自分が嫌いというケースもあります。 前者は「何となく嫌い」、「悪い評判を聞いているから関わらない」など 全く心に掛けない間柄ですが、 後者については 最初は相手に興味や好感、時にメリットを感じた間柄であったり、相手に油断して心を許していた関係が悪化するケースですので、 競争心、劣等感を含むありとあらゆる感情や、時に利害関係が混ざり合ったドロドロした状態を招きます。 ですが冷静に掘り下げていくと そうなる状態にまで火に油を注いできたのは自分自身とそれに対する相手のインターアクションなのです。

したがって私は、たとえご主人を侮辱するような言動があったとしてもAさんに抗議することはお勧めしません。 そもそも交友関係において 抗議や事実の検証といったことは 話が通じる相手、人の意見が聞ける相手に対して その関係を続けていくために行うべきものであって、 何かに捉われたような精神状態の人や、自分以外の意見が受け入れられないと分かっている相手にすることではありません。
前回のこのコラムで 人間の中の善悪のバランスを腸内コンディションに例えましたが、 私は人間が抱く不必要な怒りや嫌悪感、ジェラシーなど燃え上がるようなネガティブな感情は体内の炎症と同じと考えています。 実際に強力なストレスは体内炎症を引き起こしますが、炎症は老化からガンまで人間の健康を蝕んでいく諸悪の原因になるのです。 感情レベルの炎症を 肉体の炎症と共に防がなければ健康、幸せ、そして長寿はあり得ません。 NさんがAさんのことで苛立ったり、フラストレーションを覚えるということは、Aさんのために健康を損ね、命を短くしていることと同じなのです。
世の中には夜食にカップラーメンを食べたり、飲酒や喫煙など炎症の原因を好んでライフスタイルの中で習慣化する人が多いのは周知の事実ですが、 そういう人に限って感情レベルでも同じように炎症を引き起こすような人間関係に自分からドップリ浸かっているものです。 心と身体というのは気を付けて見ていると驚くほど同じレベルなのです。
したがって不愉快な思いに捉われている時こそ、睡眠をしっかりとって、気晴らしになる運動やアクティビティをして、バランスの良い食事を 理性的に取る努力をするべきなのです。そういう時に自分を甘やかして過食や暴飲をしたり、夜更かしをしてSNSやネットフリックスを観ていると その状況は確実に悪化します。 自分の感情のコントロールは自己管理からスタートすることを肝に銘じながら、毎日を心地好く過ごしてみて下さい。

Yoko Akiyama


このセクションへのご質問は、ここをクリックしてお寄せください

プライベート・セッションはこちらからお申し込みください

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
Shopping
home
jewelry beauty ヘルス Fショップ 購入代行

Q&ADV プライベート・セッション

★ 書籍出版のお知らせ ★





当社に頂戴した商品のレビュー、コーナーへのご感想、Q&ADVへのご相談を含む 全てのEメールは、 匿名にて当社のコンテンツ(コラムや 当社が関わる雑誌記事等の出版物)として使用される場合がございます。 掲載をご希望でない場合は、メールにその旨ご記入をお願いいたします。 Q&ADVのご相談については掲載を前提に頂いたものと自動的に判断されます。 掲載されない形でのご相談はプライベート・セッションへのお申込みをお勧めいたします。 一度掲載されたコンテンツは、当社の編集作業を経た当社がコピーライトを所有するコンテンツと見なされますので、 その使用に関するクレームへの対応はご遠慮させて頂きます。
Copyright © Yoko Akiyama & Cube New York Inc. 2021.

PAGE TOP